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第ニ章(3) わくわくと不安と

「あ、そうだ。メイさん、計算出来る?」

「計算、ですか?」

「そう。そろばん、というよりもレジ打ちが出来るかどうか聞きたくて」

レジ?それは何でしょう?

「あ、気にしないで。とりあえず、これがうちのメニューと間取り図。これらを覚えてもらえるかな?」

「はい」

「僕はお店の方にいるから、お客さんいなかったらいつでも呼んでね〜」

それだけ言うと、店長さんはバックヤードを出ていった。


一人になった私はもらった紙を見て、ワクワクしていました。母と食べに来ようと言っていた料理を知れることに。

やはりお客さんは少ないようでした。なので、お客さんがいない時にバックヤードで覚えたことの確認をする、ということを繰り返し行いました。そのお陰なのか、帰る頃にはほとんど全て覚えていたのでした。



「明日は朝9時30分にお店に着かれたらいいのですね」

「ええ。そう言われたわ」

屋敷に帰っていつも通り夕食を取って、カミラと共に給仕服を手直し終えた私達は明日の事を話していました。

「この服も直せましたし、明日から楽しみですね」

給仕服はカミラが正確に採寸をしてくれたお陰でちょうど良いサイズに直すことができました。

「・・・・大丈夫かしら?」

けれど、いざとなると私の中では不安が大きくなっていました。

「何か心配でも?」

「・・・・ずっと屋敷を空けて、公爵様にこの事が知られたらどうしましょう?」

公爵様は私に全く興味がない。だけど、一応私は公爵婦人です。もし公爵様がこの事を知られたら、どう思うだろう?

「もし、すぐにバレてしまったら、その時私はどうしたらいいの?」

バレたら死ねばいいのはわかっている。そうでなくても殺されるのだから。でも、毎日毎日、『今日もバレていないかしら』なんて考えながら働きたくなかった。

「私に手があります。明日、朝食後に対策しましょう」

「ご、ごめんなさい。貴方にこんな無理を言って」

「いえ。今日はお早めにお休みになってくださいね?」

カミラはそれだけ言うと、私の部屋を出ていった。

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