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トラブルメーカー~悪気がないのがタチが悪い!~

その日、フエは巨大蜘蛛の異形に変化した蓮に追いかけ回されていた。

どうにも、蓮のプライベートな部分に触れてしまったようで──




『今日という今日は許さないー‼』

「ぎゃあああああ、ごめん、悪気は無かったんだってばー!」

『悪気がないなら何しても許されるのかああああああ‼』


 巨大な蜘蛛の異形──蓮がフエを追いかけ回していた。

 本来なら勝てるはずの相手なのだが、フエは全面的に自分が悪いと思っているのか逃げ回り続けていた。


「おいおい、またかよ。フエの奴、今度は蓮の何の地雷踏んだんだ?」


 ロナクは呆れたように言ってコーラを流し込んだ。


『相当怒ってることから蓮が言われたくなかったことじゃないかしら、それもかなり』

「そうだよなー」


 ロナの言葉にロナクは同意する。

 まだ逃げ回るフエの壁になるように、康陽が蓮の前に立っていた。


『康陽さんどいて! フエ姉さんどつけない!』

「いいから、落ち着け。フエをかばう気はさらさらないが、見てみろ、ここら一帯凄いことになっているぞ」

『……』


 広場の土はめくれ、荒れ放題になっていた。

 蓮はそれを見て、異形の姿から人の姿に戻る。

 ブラウスにスカートの格好で地面に降り立つ。


「でも、康陽さんも、康陽さんだよ! 何で聞いたの⁈」

「聞いたんじゃない聞かされたんだ、俺はスルーして本を読んでたが内容がぶっ飛んでたからつい聞いてしまったんだ」

「別に人間もぐむしゃした回数教えたわけじゃないしいいじゃない!」


 康陽の後ろでフエが言うと、蓮はぎろりと睨んだ。


「そういう問題じゃない! 夫婦間でどうこうする内容を勝手に言って、止めて頂戴‼」

「でも、夫婦の営みが少し物足りないんでしょう?」

「フエー‼」

「やっべ逃げろ」


 ダメ押しと言わんばかりの言葉を言ったフエに、蓮は怒髪天を衝いた。

 それを見て、フエは逃げ出した。


「あの姉貴、零さんの所に逃げたな……迷惑かけられないの知ってて!」

「落ち着け、落ち着け」


 ガルガルとなっている蓮を抱きしめ、康陽は宥めていた。


「番いとかだと夜の営みも色々あるんだなー」

「ロナク口全部縫い合わせられたくなかったら黙れ」

「ギャー! ねーちゃん蓮がこえぇ‼」

『今のは貴方が悪いわ』


 蓮に余計なことを言ったロナクを、蓮は睨み付けた。

 ロナクは悲鳴を上げて姉に抱きつく。

 しかしロナはそんな弟を叱った。


「部屋に戻るぞ」

「ちょっと康陽さん!」

「聞かされた俺も黙っている訳にはいかんからな」

「な、な、なー⁈」


 ずるずると康陽に引きずって行かれる蓮を二人は見送った。

 そしてやって来たマヨイがぷーとふてくされる。


「ちゃんとなおしてほしいの」


 使い魔の触手達を使って地面を綺麗に直した。


「あそぶのー」

「おままごと? おにぎょうあそび?」

「りょうほうしましょう? ね、おにいちゃん」

「ああ……」


 精神が幼い異形の子等と、その子等と一緒に遊んでいる銀がやってきておままごとしながら人形遊びをしていた。


「……あそこは平和だねぇ」

『いいことでしょう? ちょっかい出したら駄目よ』

「わかってるよ、ねえちゃん」


 仲よさげに遊ぶ四人を見て、ちょっかいを出さないようにロナはロナクに諭すようにいった。





「おい、フエ、今日は帰らないつもりか?」


 荒井の料理を食べてながら、零はフエにたずねた。

 するとフエは苦笑いして。


「今帰ったらざっくりやられちゃうから帰れない」

「柊はどうするんだ?」

「使い魔達に任せているから大丈夫」

「本当に大丈夫なんだか」


 零は最期のハンバーグの一切れを頬張り、料理を食べ終えた。


「おーい、風呂入れ」

「分かった」


 零は風呂へと向かった。





「おい、フエ」

「何慎次?」

「蓮が激怒するなんて俺はみたことねぇぞ、一体何した?」

「言ったら私が更に締められるから内緒ー!」

「全く……」


 慎次は呆れたような息を吐き出した。

 すると裸状態の零が風呂場から出て来たので慎次はバスタオル二枚を慌てて渡した。

 零は腰に一枚巻くと、体を拭き、下着を履いて、寝間着に着替えた。


「何をそんなに慌てる」

「堂々と裸みせんな、こっちが恥ずかしい」

「む、そうかすまん」


 着替え終わった後、そんな会話を慎次と零はして、零は歯磨きしに向かった。

 歯磨きを終えると慎次が髪を乾かし、零はベッドで寝た。


「私も一緒に寝るー」

「疲れてるんだ、何もするなよ」

「知ってる知ってる、新興宗教の施設に言って異形ぶちのめして、そのまま警察に連絡して幹部しょっ引いて貰った後、別の異形案件で連れて行かれたんだよね」

「分かってるならいい」


 フエがダブルベッドに入り、零がすやすや寝るころ、フエも目をつぶって眠った。


「全く、面倒な奴だ」


 慎次はそう言ってエプロンを外し、コートを着て姿を消した──







一体夫婦の営みの何処に触れてしまったんでしょうね、フエは。

そして迷惑かけられないの知ってて零の所に逃げるフエ、ずる賢い。

慎次も呆れますね。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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