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二人のフエ~生け贄奪還、ニルスのお手柄⁈~

二人の「フエ」は世界の果てで話をしていた。

今回のもう一人の「フエ」が語るのは──




「やっほー『私』」

「やっほー『私』」


 果て「世界の果て」で、二人の「フエ」は巡り会う。


「そっちはどう?」

「ニルスがやらかすし、零さんはアレだし、柊さんには浮気者いわれるし本当つらたん」

「あー分かる分かるー」

「そっちもそんな感じ?」

「んーニルスがやらかすのは少ないかな、こっち宇宙規模だからやらかすとどうなるか本人も理解しているみたいだし」

「うらやまー」


 フエはうらやましがる。

 それを「フエ」は苦笑して見つめる。


「じゃあ、直近の事話そうか」

「話して話して!」


 フエは「フエ」に話す事をねだった。





「暇だな」

「暇ですね」

「暇だねぇ」


 零はふぅとため息をついた。


「ちょっと所長! 俺ら全然暇じゃないです!」

「浮気の調査依頼やら何やらばかりで大変です!」

「こっちは命がけの仕事専門だから、そっちは得意ではないんだ、得意な高嶺と伊賀に任せる」

「うおー! 所長に言われたのならば!」

「やるっきゃない!」


 女性(高嶺)男性(伊賀)はそう言って出て行った。


「瑞穂」

「はい」

「高嶺と伊賀が戻ってくるまでは話しを聞いてまとめておこう」

「はい!」

「レオンも」

「分かってます」

「ニルスはたきつけるな、ちょっかい出すな」

「仕方ないなぁ」


 ニルスの言葉に、零は息を吐き、紅茶を口にした。

 すると、急に扉を開けて伊賀が戻ってきた。


「所長ー!」

「なんだどうした!」

「依頼人の女性と連絡が取れなくなりました! 今まで言ったことのない夫の実家に子どもを連れて急遽行くことになったとそれから」

「場所は?」

「山岳地帯の○×村です」

「……レオン、ニルス」

「分かっています」

「勿論ですとも」


 零は瑞穂を見た。


「行ってくる、留守は頼んだ」

「はい!」


 零はレオンとニルスをつれて、目的地へと急いだ。

 アームドの飛行許可を取り、アームドを飛行モードにして全力で飛び、山の中に隠した。


 レオンは結界を張り、近づけないようにしておいた。


「よし、早速調査だ」

「では」


 ニルスが指を鳴らすと三人が煙りに包まれる。

 そして煙がはれる。


「これで、私達の事を村人だと誤認するようになったはずだ」

「よし、行くぞ」


 村へ向かい調査をすると、簡単にぼろがでた。


「あそこの家の息子、生け贄にする女と子ども連れてきたんだ」

「今は座敷牢にいるから今夜生け贄に捧げるんだ、お前等も部外者がこないか気をつけて見張れよ」


 そして、夕方、家に突撃し、座敷牢から女性と子ども、そして彼女が持ってきた荷物をニルスがどこからか探し当て子どもと女性を連れてアームドに乗り込んだ。


 村の奥の山から巨大なミミズのようだが口のある異形が姿を現していた。

 女性達には見ないよう目隠しをしてもらっている。


「では、焼き潰して来ますか」


 ニルスは機嫌よさげにそう言って、その異形をアームドと自分の炎を混ぜ込んだもので焼き焦がした。


 その後、その死体を巨大な口が喰らい、無くなった。





「あの男、浮気する度に妻子が邪魔になるからそのたびに生け贄にしてきたんだと」

「異形関係だから公の裁判沙汰にはならんが殺人罪が当てはまるから、慰謝料と教育費一括の上離婚、その上で堀の中、村人も同罪で堀の中に入れられたそうだ」

「やれやれ人間とは業深いね」


 ニルスがにやつきながら言うと、零は深いため息をついた。


「本当にそうだな……」


 と──





「何ソレ、ニルスが活躍、ありえねー!」

「でしょう、でも活躍しちゃったのよ」

「でも最期に喰ったのは紅姉さんよね」

「うん」

「全く、タチの悪い異形を信仰する場所がまだまだあるから嫌なのよ」

「本当ね……」


 フエと「フエ」はため息をつく。


「じゃあ、そろそろ帰ろっか」

「そうだね、柊さん待たせてるし」

「私も」

「じゃあね『私』」

「またね『私』」


 そう言って二人の「フエ」は別れた。

 次の再会までに何か話すネタがあるか想像しながら──







因習村的なお話です。

ニルスが活躍、フエ的にはありえない。

でも、活躍したのは事実です。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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