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異形の子は怒る~人を傷つける酔っ払いには罰を~

フエが零の元を訪れると、零は頭を負傷しており、事情を聞くと──




「零さんおかえー……どうしたの⁈」

 額から血を流している零を見てフエは声を上げる。

「何、久方居酒屋に入ったらたちの悪い酔っ払いに絡まれてな、それで酒瓶で殴られた」

「他は⁈ 怪我してない」

「殴られた時倒れて体を蹴られたがそれくらいだ」

「……その酔っ払いは?」

「警察に連れて行かれたよ、いいかフエ余計な事はするな」

「ヤダ」

 零の言葉を拒否して、フエは姿を消した。

「全く、余計な所を見られたな、あまり騒動をおこさないで欲しいのだが……」

 額のガーゼを取り替え、血を拭い零はふぅとため息をついた。





「ったく覚えてねっつーの」

 男は悪態をついた。

「酔っ払ってて殴った事なんか覚えてる訳ねーよ」

『悪酔いする輩はこれだからタチが悪い』

「誰だ⁈」

 留置所で叫ぶが声も何も来ない。

「幻聴か」

『幻聴じゃないよ、現実だよ』

 部屋が不気味な肉壁に囲まれていく。

「お、おい、誰か! 誰かいないのか⁈」

『少しは痛い目を見るといい』

 声はそう言うと、肉壁は男をかじり始めた。

「ぎゃあ! ひぃい助けぎゃああああ‼」

 男の悲鳴だけが木霊した。





「『留置所で、居酒屋で暴行事件を起こした被告人(35歳)が翌朝血まみれで重傷の状態で見つかり病院に運ばれる』……か」

 零はふぅとため息をついてじろりとフエを睨む。

「フエ?」

「だって彼奴反省してなかったもん!」

 そう言ったフエに零はデコピンをした。

「あいた!」

「だからと言ってやり過ぎだ。私は死んでいないのだぞ?」

「頭の検査した⁈」

「した」

「出血とかは⁈」

「ない」

「硝子の破片は⁈」

「全部取った」

「うーでもでも!」

「あまり私にかまけていると柊がふてくされるぞ、帰れ」

「むぅー!」

 柊の名前をだされて、フエは頬を膨らますとその場から立ち去った。

「漸く静かになった……」

 零はそう言って新聞をしまった。



「むぅ」

 柊の頬をもちもちしながらフエは不満そうな顔をしていた。

「フエ……どうしたんだ?」

「柊さんは関係ないよ」

 と言って抱きしめてベッドに押し倒した。

「……あの探偵か」

「バレちゃったか」

「分かるよ、君の事だから」

 柊は少し寂しそうに言った。

「零さんも、探偵じゃなくてここでずっと保護したいのが私達の望み、でも零さんの望みは異形の事件を一つでも減らすこと」

「……」

「だから我が儘を聞いてるんだけども、零さんは無茶ばかりするからなぁ」

「無茶したのか?」

「正確には自分の体を大事にしない」

「どんな風に?」

「居酒屋で頭酒瓶で殴られたのになんでもないような顔をしてるのに腹が立つ!」

「……」

「柊さんがやられたら私即座にそいつ殺しちゃうよ⁈」

「そうか」

 柊は少し嬉しそうに笑う。

「なのに零さんは、余計な事はするなって言うの、そんな奴死んだって構わないのに」

「ああ、そうだな」

「ね、でしょう?」

 柊はフエの頬を撫でる。

「フエ、優しいね、君は」

「ありがとう、柊さん」

 フエは柊にキスをした。





「マヨイ、傷は塞がったからもう舐めなくていいぞ」

「う!」

「分かった分かった、次からはもっと早く連絡する」

 フエから事情を聞いたマヨイが零の所を訪れ、傷の治療に当たっていた。

 もう大丈夫だと言っても傷があった場所をぺろぺろと舐めるマヨイに、零は内心頭を抱えていた。





 異形の子等にとって花嫁は大切な存在。

 だから本当は閉じ込めておきたい、だが花嫁がそれを望まないならそうするしかない。

 異形の子等は花嫁に嫌われるのが嫌だから──







はい「花嫁」に手を出したら、人間でもアウトになります。

今回は死なずにすみましたが、もっと酷かったら死んでたでしょうね。

それほど異形の子等は「花嫁」である零が大事なのです。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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