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零の憂鬱な一日

体調が悪い日に、ニルスに寝込みを起こされ、そして襲われかけ、レオンによって助けられる。

がその不調は「花嫁」の発情期らしくて──





 零は朝目を覚ますと──

「やあ『花嫁』さん、ご機嫌麗しゅう」

 と言いながら寝間着を脱がせようとするニルスが目の前に居た。

「──レオン」

 と呟くと、十秒もしないうちにレオンが扉をバンを開けて、ニルスにドロップキックをかました。

 顔面に。


「ごはっ⁈」


「貴様はことある毎に所長を襲おうとして! 何を考えている⁈」

「何を『花嫁』を求めるのが我らの性、そうだろう、君も」

「私は貴様と違って分別がつく、我慢もできる!」

「我慢せず、ほら」


 半裸の零をニルスは指指す。

 レオンは目を見開いたが、ぶんぶんと首を振り。


「アレはお前が無理矢理脱がせたんだろう!」

「本当に我慢強いな、では今回は逃げるとするか!」

「まて貴様!」

 ニルスが逃げるのを追い、レオンは部屋を出た。


 零は疲れたようにベッドに再度横になり、布団にくるまった。


「所長、依頼の方が……所長⁈」

 二階に上がってきた瑞樹が慌てた表情で零に駆け寄る。

「気分がすぐれない、悪いがレオンを呼び出して対処させてくれ……」

「わ、わかりました!」

 瑞穂がいなくなる。


「……」

 誰も居なくなると、再び零はため息をついた。

「辛い」

切ない(・・・)の間違いじゃなくて?」

 フエが現れる。

「フエ、か……」

「発情期だもんねー、私がどうにかして……」


「フエ!」


「柊さん⁈」

 二階の扉を開け放って柊が現れた、後ろには紅がいる。

「お前が最近自分をないがしろにしてるんじゃ無いかと泣きわめくから連れてきたぞ」

「バッドタイミングー! なんで今連れてきたし」

「フエ、私ではだめなのか? だめなのか?」

「ああん、そうじゃなくてもー!」

 フエは柊を連れてその場から姿を消した。


「全く、番いがいるのに花嫁の仕事を手伝いすぎなのだ彼奴は」

「……それは、すまない」

「我らが花嫁が謝る事ではないよ、零」

「……」

「私達にとってお前は特別だ、自死もせず、運命にあらがおうとする花嫁よ」

「運命に、あらがって等いないさ」

 紅の言葉に、フエは疲れたように言った。

「ただ、何も知らずに死にたくないだけだ……」

「そうか……」

 紅が零の頬をなでて、そっと口づけをする。

「どうか、良い夢を」

 そう言ってその場を離れようとすると──


「よー! 花嫁さん、発情期なんだってー⁈ 俺が相手しちゃっていいー?」

「……ロナク」

「げ」

 ロナクが現れた時、紅は非常に渋い表情をしてみせた。


「ロナク、貴様の性質はよぉく理解している、故に発情期の零の相手などさせられるものか」

「いでででで! 頭が、頭が割れる」

「ここで割るのもなんだ、外で割ってやる」

「ギャー!」


 紅はロナクの頭を鷲掴んだまま、その場を後にした。


 それから次々と異形の子が現れ、騒いでいっては嵐のように去って行った。


「……しんどい」

「あーやっと柊さん寝てくれた、意識飛ぶまでヤるのはなんかアレだけどしょうがない」

 フエが再び部屋に戻ってきた。

「一回ヤれば終わるから、いいでしょう?」

「勝手にしろ……」

「わーい!」

 フエはそう言って零に手を伸ばした。


 しばらくして、濁った零の声が部屋中に響きだした。



 翌日──

「所長、もう大丈夫なんですか⁈」

 瑞樹が声をかける。

「ああ、大丈夫だ……って何があった、この部屋の散らかりようは」

「それが夫婦共に不倫をしていたそうで、お前が悪い、アンタが悪いと言い争いになり、仕方ないので伊賀さんと、高嶺さんが追い出しました」

「……そうか、なら今日は部屋を片付けようか」

「はい!」



 憂鬱な一日は終わり、こうしてまた零の探偵としての一日が始まる──







零が発情期の時は大体こんな感じです。

結局フエが美味しいとこどり。

本当はみんなしたいけど、我慢したり、番いが割り込んできたりとで大騒ぎになるので大変。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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