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対策~失敗を起こさない~

会議室でフエは悩んで居た。

零が誘拐された件で悩んで居たのである。

なんとか案が思い浮かんだフエは──




「んー……」


 会議室でフエは悩んで居た。


「フエどうした?」

「あ、紅姉さん」


 そこへ紅がやって来て声をかける。


「いやぁ、先日零さん以外に瑞穂ちゃんも誘拐されちゃったじゃん、こう、防衛機能が低下してるなぁと」

「近場と油断した私達のミスだろう」

「だねぇ、となると毎度慎次について貰った方がいいよね」

「だな」


 フエは立ち上がる。


「よっしゃ、慎次に伝えてくるわ」

「念話で伝えればいいのでは」

「直接言った方が良いし、何より零さんに会いたいし」

「そこか、そんなだから浮気者言われるのだぞ」

「うぐ……それは良くないけど、行ってくる」

「行ってらっしゃい」

 フエは姿を消した。

「告げ口しないでおいてやるか」

 紅はそう言ってパソコンを開いた。





「瑞穂、無理しないでいいんだぞ?」


 受付で仕事をしている瑞穂に零が声をかける。


「大丈夫です、私もこの探偵事務所の職員ですから! ……バイトですけど」

「だからだ、君の身に何かあったら私は君の母親の合わせる顔がない」

「いえ! 父のような犠牲者を無くしたいんです私」

「瑞穂……」


 瑞穂の父親は異形案件で死亡していることは担当した零がよく知っていた。


「しんみりとした空気の中ちょいと失礼」

「わ!」

「なんだフエか」


 そんな空気の中フエが天井から現れた。


「天井から出てくるときは二階にしろ、他の連中に見られなかったから良かったものの、見られたらどうする」

「ごめんごめん」


 フエは着地して、二人を見て言う。


「慎次は?」

「買い出しだ『お前ら二人が買い出しに行くとまた誘拐されかねないから大人しくしておけ』と言われた」

「じゃあ、慎次が戻ってくるまでここ居るわ」

「柊はいいのか」

「良くないけど、大事な話だしね」

「そうか」


 零はそれ以上追求することは無かった。





 それから一時間後。

「買い出し終わったぞ」

「すまないな」

「何の買い出し」

「零の食事とシャンプーとかそう言った類いの買い出しだ」

「え、うちらで用意した奴は」

「なんか用意されているのを使うと罪悪感がわくから、其処は自費で」


 零がそう言うと、フエは噛みつくように言った。


「いいの! 使って! それ使い終わったら用意するから使って‼」

「わ、分かった」

「ところでフエ、何の用だ」

「ああ、今後瑞穂ちゃんはレオンが送り迎えすること、異形案件に巻き込まれる可能性が高くなっちゃったからね、それと」


 フエは瑞穂に青い石のペンダントを渡す。


「わぁ、綺麗」

「それつけててね、異形から避けられるから」

「有り難うございます」

「高嶺と伊賀はいいのか?」

「あの二人異形案件やってないもん」

「そういやそうだな」


 慎次はフエの言葉に納得した。


「あと、零さんは慎次と必ず行動すること、いい⁈ ペンダントも外さない!」

「分かった」

「外さないでよ、フリじゃないんだから」

「分かっている」

「フエ、こいつは被害者がでそうなら容赦なく外すぞ」

「ぐむむ……慎次、被害者保護とかを早急に行えるよう戻ったら訓練ね」

「分かった」


 フエは何か納得いっていないようだが、その場を後にした。





「あーもー『花嫁』さんはどうしてああなの!」

「仕方ないだろう、異形退治専門家だ」


 紅は何か弾丸のようなものを作っていた。


「最終チェック?」

「ああ、問題ない。私はこれを零に渡してくる」

「いてらー」


 紅が居なくなると、フエはふぅとため息をついた。


「異形が起こす事件の悲惨さを知ってるから、そして人間のやらかす行為の愚かさも知ってるから探偵事務所で両方扱ってるんだよねぇ、零さん。どっちかにしろなんて聞きやしない」


 不満そうに、テーブルに突っ伏しながらフエは呟いた──







慎次に側にいてもらい、瑞穂にも異形避けのお守りを持たせるというのでなんとか解決策を見いだしました。

瑞穂はこれでいいでしょうが、零はこれで大丈夫でしょうか?


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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