誘拐~相手が悪かった~
零が誘拐されたと聞き慌てるフエ。
瑞穂も一緒に誘拐されたと言うと──
「零さんが誘拐されたー⁈」
事務所でフエが声を上げた。
「瑞穂と一緒にな、ちょうど二人で買い出しに行ったところを狙われたらしい」
「よし、助けに行こう!」
「話を聞け」
「ぐえ」
早速駆け出そうとしたフエの首根っこを慎次が掴む。
「相手は一応人間、それと瑞穂がいることを理解して行動しろ」
「分かってるって!」
フエは居なくなった。
「本当に分かってんのか彼奴……」
慎次のぼやきは誰にも聞かれることは無かった。
「ここらでこれ以上稼がれたら俺等の立場がないんだよ」
とある倉庫の奥で、零と瑞穂が眠らされていた。
「悪いけどここで二人とも死んで貰おう──」
「ゲスに人を救うなんてできる、わけないよねぇ」
「「「「?!⁈」」」」
男達は周囲を見渡す、その直後。
「肉」
一人の首が落ちた。
「ひぃいいい!」
「ひ、人殺し‼」
「人? 私は肉を捌いているだけだ」
「こ、こいつやべぇよ!」
「ジンーそいつら好きにしちゃって、私は零さんたち連れて帰るー」
「畏まりましたフエ様」
パッと、瑞穂と零の姿が消えた。
「ど、何処にいった⁈」
「さっきまでそこに居たはず──」
ザシュ
ブシャー!
返り血を浴びながらジンは言う。
「お前らは肉になるのが役目だ、死ね」
倉庫内に悲鳴が響き渡った。
「ん……」
「零、無事か⁈」
目覚めた零に慎次が声をかける。
「私は、大丈夫、瑞穂は?」
「瑞穂は大丈夫だ、安心してくれ」
慎次はそう言ってベッドで眠っている瑞穂を指さす。
零は起き上がり、瑞穂に近づく。
「瑞穂、すまない、危険な目に遭わせて……」
「──大丈夫です、私ここの職員ですから……」
目覚めた瑞穂はそう言って笑う。
それに零は安堵の息を吐き出した──
一応二人が見ているところではやってません、二人とも避難させた上でジンの肉確保をやらせました。
フエは。
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