デスゲーム壊滅の後日談
デスゲームに巻き込まれた後日、零は悩んで居た。
そこにフエが訪れると──
デスゲーム事件の後日、零は悩んで居た。
「うーむ」
「どうしたの零さん」
フエが現れて零に話かける。
「いや、実はあの犯人──作家の本は好きだったんだ」
「そうなの?」
「ただ、デスゲームの数が悪質極まりないと死刑が妥当だと宣告されててなぁ」
「そりゃあんだけ被害者出してればそうなるわな」
零の言葉に、フエは仕方なさそうに言う。
「そんなに?」
「そんなに」
「……そうか」
「で、どうしたの」
「その作家の本が悪書とされてな、もう手に入らないんだ、どこにも販売されない」
「……じゃあ、作家が出した分だけかき集めてこようか?」
「いいのか? いや、でも強引にとか催眠術使うのは駄目だぞ」
「使わない使わない、じゃ行ってくるね」
フエはそう言って姿を消した。
翌日。
「はい、これ」
段ボール箱三箱を抱えてフエが現れた。
中にはあの作家の作品が全て入っていた。
「どうやって?」
「幻滅して処分しようとしている人のところに行ってお金払って貰ってきたの」
「そうか……すまない」
「いいのよー、本には罪はないんだから」
「そうだな」
零はそう言って本を本棚にしまい、そのうち一冊を手に取る。
ぱらぱらと読む零にフエは言う。
「デスゲームは趣味で始めたんだって、気がついたら話を書くよりも夢中になってたみたい」
「もう少し普通の趣味を選べなかったものか」
「その人普通じゃないからね」
「そうか……」
しばらくして読み終え、ふぅと息を吐く。
「この人の作品のドラマも見れなくなったしな」
「OKDVDもってる人探してくる」
フエはそう言って居なくなった。
「本当尽くし系の子だな、まぁだから柊と成り立つんだろうが……」
また翌日。
「はーい、零さん、映像化してDVDになってるのだけもってきたよー」
「すまないな」
零はDVDをレコーダーに入れて見始める。
「……」
「そう言えば零さん、見廻り終わった?」
「この間のデスゲーム事件があったからしばらく謹慎」
「過保護だねぇ、一緒にいればいいのに」
「下で慎次が見張ってる」
「……過保護だねぇ」
フエは感慨深そうに言った。
それから更に数日が経過し──
「──なるほど、フエが何か持ち込んでたが、それがこの結果か」
増えた本とDVDが慎次に見つかり、零は正座していた。
「せっかくフエが集めてくれたんだ捨てないでくれ……」
「分かってる、だがキチンと入れろ」
慎次は整理整頓しだした。
すると空間ができ、より収納できるようになっていた。
「全く、フエは本当気に入った相手は甘やかすな」
「それは同感」
「甘やかされてるお前が言うな」
「あいた」
慎次は零に軽くデコピンをする。
「さて、漸く今日からは仕事解禁だ、いけるな?」
「勿論だ」
「無理はするなよ」
「ああ」
慎次の手を取り、零は事務所を後にした。
今日からまた、異形を探し退治する仕事が始まる──
犯罪した人の作品って消されちゃうことがありますからね。
それを題材にしました。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
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