デスゲーム壊滅RTA
デスゲームに巻き込まれた零。
ためらうことなくフエと慎次を呼ぶと──
『君達にはこのゲームに参加してもらう』
零が一人で歩いていた日、何者かに連れ去られデスゲームに参加させられた。
「フエ、主犯格を地獄に落としてくれ、慎次、助けてくれ」
零はためらうことなく二人の名前を呼ぶ。
「はいよー」
「了解」
突如現れた二人に驚く他の被害者達。
慎次は零の手錠を破壊すると、他の被害者の手錠も破壊した。
そして壁に穴を開けて外へと出る。
「降るぞ、麓まではトラップもないし、短い」
慎次の指示に従い皆山を降る。
村に着き抱き合う他の人達。
そこへ車がやってくる。
「お待たせしました、皆様を家までお送りします」
「部下のレオンだ、安心しろ、無事に帰れる」
被害者達はおっかなびっくりに車に乗り村から走り去る。
「さてフエは……」
『んー今ねぇ、拷問ゲームで遊んでるところ』
「それはいいから早く証拠と共に犯人を突き出せ」
『はーい』
零はふぅと息を吐く。
「まさかデスゲームに巻き込まれるとはな」
「ああ、そうだな」
そうこうしているとレオンから連絡が入る。
『所長、全員を家に帰し終わりました』
「よくやった」
『ところで主犯格は?』
「フエが拷問ゲームとやらで遊んでいるからさっさとしろとせかした」
『ああ、アレですか……』
「ところで拷問ゲームってどんな物なんだ?」
『知らない方がいいですよ』
「そうか」
レオンとの通話を切ると、フエが現れた。
「じゃっじゃじゃーん!」
「フエか、犯人はどうした」
「証拠つきで警察の偉い人に届けた、デスゲーム犯ですっていって」
「偉い人って?」
「零さんが頼る人」
「ああ、あの人か、なら安心だな」
そう言って三人は歩きだし、事務所の方へと戻って行く。
「零さんは車乗らないの?」
「運動は日頃しないとな、体重が増える」
「お前は体重を増やせ」
「あ!」
フエが声を上げる。
「どうした?」
「私達がやったこと、デスゲームRTAみたいなもんだったんじゃない⁈」
「くだらねぇ」
慎次が吐き捨てる。
「……言われてみれば確かにそうだな」
「おい零⁈」
「でしょう⁈」
「……それならお前が犯人を突き出すまでの時間ロスがあったな」
「いや、デスゲームRTAは脱出するまでだから」
「そうかよ……」
慎次は疲れたようにため息を尽いた。
「フエと慎次のバグ技二種類使用のRTAだがな、私しか使えんな」
「そうだな……」
「そうだねー」
のんきに会話しながら帰って行った。
翌日「あの有名作家××××がまさかのデスゲーム主催常連者! 被害者は多数に上る」と新聞にでかでかと記載されているのを見て、零は一言。
「いい作品を作るのが人格者ではないという例だな、嫌な例だが」
と呟いた──
人間が考えたですゲームなんて異形の子が破壊するなんて簡単な事。
主催者はどんな地獄をみたのでしょうね。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
次回も読んでくださると嬉しいです。