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虐待には罰を

『助けてください、殺される』という依頼が届いた。

零は迷うことなく依頼人の居る場所に行き、フエに調査させ、虐待を把握すると──




『助けてください、親に殺される』


 という名前と住所が書かれた依頼が一件届いた。


「フエ、この家の様子はどうだ?」


 零は早速フエから情報を収集する。


「うん、子ども一人親二人の三人家族で、依頼人の子どもが言う通り虐待の毎日で飯抜きもよくあるらしい、暴力なんて毎日」

「そうか、では行くぞ」

「OK」

「分かった」


 零はフエと慎次を連れてその住所のアパートにたどりついた。


「あ、虐待されてる」


 フエがそう言うと、零は慎次に合図を送る。

 慎次は扉を蹴り壊した。


「な、なんだ⁈」

「何よ⁈」

「平坂探偵事務所の者だ、依頼人の保護に来た」


 慎次は親を蹴り飛ばし、蹲っている高校生位の子どもを抱きかかえてその場を後にした。


「フエ、後始末(・・・)を頼む」

「よっしゃ」


 フエの首がもげ、黒い国癖が部屋中に広がる。

 夫婦──男女の体を捕食して行く。


「いだい! いだいやめでぇ!」

「しにたくない! たすけて、たすけてくれぇ!」

「そう言うあの子に、貴様らは何をした?」


 零はそう言ってフエに後始末を任せてその場を後にした。





 翌日、その件は怪事件として新聞に載った。

 警察がやって来た。


「困りますよ、平坂さん、児相と学校が怒ってますよ?」

「子ども達の身を守らない連中が何を抜かすか」

「なぁに、零さん、そいつらも食べればいい?」

「ステイ」


 ひっと悲鳴を上げる児相と依頼人が通っていた学校の担当者。

 零は白い目を向ける。


「虐待に誰も目を向けないから私が目を向けるのだ、救える範囲で」

「だ、だからって親を殺す必要は……!」

「連中は生かしておけば被害者はより暴力を振るわれる、殺すのが正解だ」

「そうそう、人間ってお腹痛めて産んだ子平気で殺せるもんね! 他の生き物もそうだけど、人間ほど冷酷なのはそうそう居ないんじゃない?」

「さてどうだか」


「刑事さん、逮捕してくださいよ! 犯人なんでしょう!」

「できません、零さんは特務捜査権限を持っています、必要があれば人を殺す権限を所有しています」

「そ、そんな……」

「あの子はお前らの所ではなく、私の懇意する孤児院に送った。学校も懇意する学校に転校させて貰った、役立たず達はお帰り願おう」


 零は冷たいまなざしを向ける。


「ご、ご両親にだって改心する権利が──」

「あの子からの連絡は『助けて、両親に殺される』だった、そんな奴らに改心を待つ方がおかしい」

「それなら、犯罪者は皆死ねと言うことですか⁈」

「さてな」


 零は肩をすくめた。


「だが少なくとも子どもを虐待するような連中に改心を求めるより、子どもを保護して、そいつらを刑務所行きか死刑にした方がよほど子どものためになる」


 零は淡々と言い放つ。


「出て行って貰おうか、私は仕事で忙しい」

「はーいでていったでていった」


 フエが部外者達を追い出す。


「あの連中殺さなくて良かったの」

「流石にあの連中を殺すと面倒だ、放置でいい」


「零さん、また虐待関係の依頼が」

「分かった」


 零は立ち上がり、依頼内容を読む。


「フエ、聞きたいのだが──」

「はいよー」


 そうやって、零は少ないが子ども達を救っている。

 親の愛を知らぬが大人の庇護を知る零には虐待する親がどうしても許せなかったのだ──







今の世の中虐待してる連中がのさばってますからね。

被虐待者が苦しむのは辛いことです。

そういう気持ちを込めて書きました。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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