番い~レラから見て~
レラが番いを作った異形の子等達の様子を見る。
そして思った事をクラルに伝え──
「浮気者!」
「違うってば!」
「マヨイ、行かないでくれ」
「でもいかないといけないの」
「銀おにーちゃん、おしごといってくるからまっててね」
「うん、待ってる……」
「うがー! 仕事三昧だ! やってらんねー!」
「俺も補助するから、これを乗り越えたら紅も休みだと行っていた、そのとき思う存分休もう」
「うんー……康陽さんが言うなら頑張るー!」
「……」
「どうしたレラ」
「あ、クラルお兄ちゃん」
レラはクラルを見て不思議そうに首をかしげた。
「番いってらぶらぶだと思ってたけど、なんか違うね」
「まぁ、色々あるんだ」
クラルは苦笑してるような雰囲気をだした。
「どうしてフエお姉ちゃんの番いさんは浮気者って怒ってるの?」
クラルは顎に手を当てて考え口にした。
「異形の子達には異形性の発露という衝動があるのは知ってるな」
「うん、暴力的な衝動で番いも傷つけちゃう怖い衝動」
「それを性的な発露として昇華させれるのが『花嫁』だ」
「『花嫁』さん、知ってる、零さん!」
「そうだ」
「でもそれとどうして浮気者になるの?」
レラは首をかしげた。
「フエの番いである柊はフエへの依存度も高ければ嫉妬感情も明確にする」
「ほへー」
「つまり、異形性の発露と称して零と性行為をしていることに浮気者と怒っているんだ」
「でも番いさんじゃ傷つけちゃうだけだよ」
「それを理解はするが、納得はしてないのだ、フエの番いは」
「だから浮気者って怒ってるの」
「ああ、あと、フエが異形性の発露以外でも零とヤってるからな」
「何を?」
「性行為」
「どうして?」
「ご褒美が欲しいんだと」
「零さん大変」
「そうだな、大変だな」
「フエお姉ちゃんの番いさんも大変、りこんしないの?」
「離婚はしないだろうなぁ」
「どうして?」
「フエが好きだからだろうな」
「そっか、じゃあ今のままだね」
「ああ」
クラルは頷いた。
「じゃあ、マヨイお姉ちゃんは?」
「……」
クラルは凄く嫌そうな雰囲気を出した。
「クラルお兄ちゃん、もしかしてマヨイお姉ちゃんの番いさん好きじゃない」
「……ああ、その通りだ。マヨイに依存してマヨイを困らせるから好かん」
「どうして依存してるの?」
「奴は元は異形退治機関の一つの長だった、だが異形の策略により組織は壊滅、生き残ったのは彼奴一人という惨状を目の当たりにした」
「そうなんだ……」
「その結果、精神的に病み、マヨイに依存するようになった」
「だから、ああしてマヨイお姉ちゃんがお仕事するの邪魔してるんだ」
「そうだ…」
「あ、紅お姉ちゃんが引っぺがして、マヨイお姉ちゃんを行かせた」
「……」
「がっくり項垂れてる……」
「奴はマヨイが居ない事が恐怖なのだ」
「怖いの?」
「ああ、まぁそれはフエも関わっているがな」
「どうして?」
「何かあったらしい、それ以上は分からん」
「そうなんだ……」
レラは考える仕草をして笑った。
「私、番いさんになってくれる人はりらお姉ちゃんや蓮お姉ちゃんの番いさんみたいなのがいい!」
「……私は蓮のをお勧めするぞ」
「そうなの?」
「ああ、康陽は頼りになる男だしな」
「うん! 康陽さん、優しい!」
「だろうな」
「レラ、お勉強の時間だぞ」
隼斗を部屋に戻した紅がやって来て、レラに言う。
「うん、お勉強頑張る」
「その調子だ」
レラは紅の着物の袖を掴んでついて行った。
「さて、あの子はどうなることやら……」
クラルは少し疲れたように呟いた──
レラから見た番い持ちの様子。
ラブラブな時もちゃんとあるんですが、レラが見た時はそうじゃない様子。
りらと蓮の相手を見たら、蓮の相手のような人物を薦めるでしょう。
康陽は一番しっかりしてますから。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
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