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異形性の発露~番いの様子と慎次の見解~

異形性の発露の為に住処から姿を消した異形の子等の番い達はおのおの居なくなった相手に感情を向ける。

それを見て慎次は──




「フエの浮気者ー!」

「マヨイ、行かないでくれ……!」

「エル様、どうか早めのご帰宅を……!」

「あんまり零に負担かけんなよ」

「うん、待ってるから……」


「なんだこの両極端なのは」


 番い持ち達の番いの反応が真逆に約半々に分かれているのを見て、紅は呆れた。


「面倒な奴らだな」

「おや、慎次、居たのか」


 紅は零の側に慎次がいない現状に少しだけ驚いた。

 慎次は鬱陶しそうに言った。


「他人のセックスを見る気はねーよ」

「まぁ、異形性の発露は性行為になるからな」


 めそめそと泣いている柊と隼斗。

 がっくりとしているジン。

 銀を部屋へ送り届ける康陽。

 康陽に促されるまま部屋に戻る銀。


「マシなのは康陽くらいか」

「異形性の発露が番いには荷が重すぎる事を理解して、本人もしぶしぶなところがあるからな」

「蓮はそうだろう」


 慎次と紅は会話をする。


「マヨイとエルは子ども精神だから仕方ないが、フエは例外だろう、彼奴は楽しんでいる」

「快楽主義者だからな」

「だから、柊も苦労するが。柊自身が依存が酷いからな」

「それもあって異形性の発露の時は大騒動になる」

「なるほど」


 慎次は納得したように頷く。


「うう、フエの馬鹿……」

「マヨイ、マヨイ、マヨイ……」

「エル様……はぁ」

「お前らとっとと部屋戻れ、此処にいると邪魔だろうが」


 戻って来た康陽が三人をずるずる引きずりながら部屋に連れて行った。


「……康陽には苦労をかけるな」

「蓮にもな」

「あの子の性質から苦労をかけてしまう」


 紅はそう言うと息を吐き出した。


「あの二人には苦労をかける」

「そうだな」


「あー漸く落ち着いた……」


 蓮が戻って来た。


「マヨイとエルとりらとフエは?」


 紅が問いかける。


「順番待ちしてる最中、今マヨイ」


 蓮は頭を掻きながら答えた。


「くそ、普通の異形の子じゃないのに異形性の発露はあるって何なのよ、あの糞親父共!」


 蓮は頭を掻きながら、怒り心頭の様子だった。


「蓮落ち着け」

「康陽さん……」


 そこへ康陽がやって来て、蓮の頭を撫でる。


「楽にはなったんだろう?」

「うん、でも零さんの負担が今日は多そう」

「それは後で何か贈り物でも送って労ればいい」

「うん、そうする」

「じゃあ、部屋に戻るか」

「うん!」


 明るい表情になった蓮は、康陽と共に自室へと向かっていった。


「……驚いたな」

「何が?」

「蓮があんな明るい表情を自然にできるだなんて」

「康陽のおかげだ」

「……そうか」


 慎次はそういうと、椅子に座りため息をついた。


「番い、か。俺には無理そうだな」

「……難易度が高い相手だからなぁ」

「分かってるか」

「分かるとも」


 そう言って二人は苦笑しあった──







番い持ちの番い達を見ての慎次の見解ですね。

あと、異形の子等の精神状況とかも観察して慎次は語っています。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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