異形性の発露~荒井とレオン~
レオンと慎次の異形性の発露が起きる。
甚大な被害を起こさない為には零との性行為が必要となる。
そのため二人は──
慎次はぜぇはぁと荒い呼吸を繰り返していた。
ソファーに座っているレオンも同じように荒い呼吸を繰り返していた。
「あー、二人ともそろって異形性の発露がきちゃったのねー」
フエが姿を現し、ため息をつく。
「バッドタイミングですよ……」
「全くだ……」
荒い呼吸を繰り返す二人を見て、フエは言う。
「零さんには事情を話してあるから、さっさとヤルことやって発露させてきな」
「そうするしかないですね……」
レオンがそう言って零が居るであろう、二階へと向かった。
「慎次、もう少しだけ我慢できる?」
「ちょっときついからな、だから住処に戻る……」
「終わったら連絡寄越すから」
「ああ……」
慎次はそう言って姿を消した。
「レオン」
服を脱いだ零が、ベッドに座っていた。
「フエから聞いたぞ、荒井同様異形性が発露していると」
「もうしわけ、ございません」
「いやいい、ほれ好きにしろ。フエ達で慣れているしな」
レオンはそう言われると、零を押し倒し、薄紅の唇に噛みつくようにキスをした──
「はぁ、はぁ」
「……終わったか?」
「ええ、終わりました。申し訳ございません」
裸で汗と白く濁った液体まみれの零にレオンは謝罪する。
「ちょっと、タイムをくれ、べとべとする」
「分かりました」
レオンにそう言うと零は風呂場へ向かいシャワーを浴びていた。
そして浴び終わると、タオルで体を拭きながら出て来て、裸のまま、再びベッドに座った。
「次」
「分かりました」
レオンは姿を消した。
レオンが姿を消した直後、荒井が零の部屋に現れた。
呼吸も乱れ、顔も赤い。
「荒井か」
「わりぃな、手間かけさせて」
「いつものことだ」
零が手を伸ばすと、荒井は零をベッドに押し倒し、首に噛みついた──
「ふぅ、これで終わりか」
荒井が冷静さを取り戻し、行為を終えると、零はシャワーを浴びて、風呂場から出て来た。
そして、料理を作っている荒井に言う。
「そんなに簡単に動いて大丈夫か?」
「それはこっちの台詞だ、異形の子と発露の性行為をしてよく立ってられるな」
「フエだったら立っていなかった」
零はそう言って寝間着に着替える。
「そうか……」
荒井は少し重い表情で言うと、料理を出した。
「鳥雑炊か」
「ああ、いいだろう?」
零はこくりと頷き、鳥雑炊をレンゲで掬ってふーふーと冷ましながら食べていた。
それを慎次が愛おしげに見つめていることに、零は気づいていなかった──
二人の相手よりフエの相手の方がよっぽど厄介というのが少し分かる話です。
フエの規模が違いますからね、二人と比べて。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
次回も読んでくださると嬉しいです。