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向こう側の「世界」~「花嫁」は私達のもの!~

世界の果てで顔を合わせる二人の「フエ」。

その内片方の「フエ」があった出来事を語る──




「やっほー『私』」

「やっほー『私』」


 世界の果てで、フエと「フエ」は出会い、話し合っていた。


「そっちでは何かあった?」

「荒井の封印を解除した」

「えー! そっちも⁈」

「ということはそっちもなの⁈」


 二人は顔を見合って驚き合う。

 その後クスクスと笑い始めた。


「時代と環境が違うだけで他が同じって凄いね」

「ねー凄いねー」


 クスクスと笑う二人のフエ。


「じゃあ、教えて貴方の所であったことを」

「いいよ、教えてあげる──」


 そう言って「フエ」は話し始めた──





「死ぬかと思った……」

「零さんごめんねー」

「お前の異形性の発露の場合腹上死しそうで怖いぞ」

「それはないから安心してー」


 裸の零を、フエは毛布で包み込む。


「おい、フエ。終わったか」


 ノックして慎次が確認の声を出す。


「終わったよー」


 がちゃり


 扉が開き、慎次が着替えを持って入ってくる。


「零、シャワー浴びてからこれに着替えろ」

「分かった」


 零はそう言ってよたよたと歩きながら風呂場へ行きシャワーを浴びている用だった。


「慎次は異形性の発露はないのー?」

「今のところな」

「ふーん」


 そんな会話をしていると零が風呂場から出て来て、体を拭いて着替え始めた。


「零、そんな調子で悪いが連邦から連絡だ」

「連邦から?」


「宇宙空間上コロニーとかの間にも謎の生命体が出現、出撃したアームドは全て撃沈」

「フエ、私もアームドに乗っていく、荒井も頼む。レオンとニルスは?」

「先に出ている」

「分かった行こう」

 フエ達は探偵事務所を後にした。





 宇宙空間に到達すると、コロニーやその間には肉癖色の不気味な形状の異形が無数に壁のように敷き詰められていた。


「気色悪いな」

『そうだな』


 零は荒井とそんな会話をする。


『所長、アレ、倒しても倒してもすぐ増殖する厄介なタイプです』

『という訳で見物するしか無かったよ』


「そうか」


 レオンとニルスからの報告を受け、零は叫ぶ。


「フエ、紅!」


『はぁーい、零さん』

『どうした零』


 宇宙空間にフエと紅が現れる。


「連中を一匹残らず喰らってくれ」

『お任せあれー!』

『その代わり逃げだそうとした奴は撃ち殺せよ』

「了解、各員配置につけ!」


『『『了解』』』





 フエは自分を見るなりカタカタと震え出す異形を見てにたにたと笑う。

『馬鹿だねーこんな大事すれば私に食われるの分かって無かったの?』


「ま、どうでもいいや」


 フエは黒い肉癖へとその身をドロドロに溶かし、逃げようとし始める異形を一斉に喰らい始めた──





『うん、不味い、が喰わんとならんのが辛いな』


 紅はガチガチガチと歯を噛んだ。


『さて、零達は……うん、順調だな』





「撃ち漏らしはせん」


 零はそう言って逃げようとする異形を打ち落としていく。





 そして一帯を占拠していた異形が居なくなると零は連邦に報告した。

「除去完了です、後はそちらにまかせます」

 そう言って連絡をきり、帰路へつく。



「異常はないか?」

「ありません」

 メカニックに見て貰い、零達は事務所へと向かった。


「という訳だ、今日の仕事はいったん終わり、緊急時また連絡する」

「わかりました」

「もちろんです」

「おう」


 そうして、零が一人ベッドに寝ると、肉壁色の不気味な人方らしい存在が現れた。


 それが零に近づこうとすると、フエが現れ、黒い肉癖で喰らい始める。


「一匹残ってたのは気づいてたけどここに来ていたとはねー、わざわざ出てくれて有り難う、じゃあ死ね」


 と言ってフエはソレを食い殺した。

 人外にしか聞こえない五月蠅い声に、眉をひそめたが、フエは笑った。


「全く、馬鹿なことしたものね」


 そう言って零の側にいき、頬にキスをしてからその場から消えた──





「ということがあったのよ」

「やっぱり『花嫁』は狙われるかぁ」

「そうそう」


 フエの言葉に「フエ」は頷く。


「どんな異形にも零さんはあげませーん!」

「同意! あげなーい!」


 二人はそう言ってクスクスと笑い合っていた──







宇宙進出してるのでコロニーとか色々あります。

それでも「花嫁」である零が狙われるのも、異形が人を害するのも変わりませんが。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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