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幕間:クイズ


闘技場に歓声が鳴り響く。選手の入場である!

異様な雰囲気を醸し出す五人がゾロゾロと闘技場に入場する。

将校のような綺羅びやかな甲冑を着た少女。

巨大な盾を持つ精悍な顔の華人の男。

変な服装をした華人の男と豪華なローブを着たスケルトン。

そして軽薄そうな顔の華人の男である。

『おや、華人が三人もいますね、科挙にでも落ちたのでしょうか!?いずれにせよ、注目のメンバーです!』

司会が囃し立てると、客席から拍手と笑い声が聞こえた。

「なんだかバカにされてる感じだなぁ」

「実力で黙らせればいい」

『第一次予選はクイズ大会です!』

「クイズ大会!?」

五人は面食らった!クイズの用意はしてきていない!

すると、向かいの門から老いた虎獣人の魔術師の男が一人現れた。

「わしはクイズ大好きな魔術師、クイズじじいじゃ」

「自分でじじいって言うのか……」

変な服装の男は呆れたように言った。

「ここではお前たちにクイズを出そう。全員が正解すれば、一次予選は突破じゃ。不正解なら体がすごい勢いで吹っ飛ぶ」

「吹っ飛ぶのか!?」

「そう難しい問題ではないからの、気を引き締めてかかるがよろしい」

「クイズって……これって一応闘技大会なんだよな?」

「お前さっきからうるさいのぉ、平たい顔しおって!」

「す、すみません……」

『それでは始めていきましょう!』

司会の合図により、魔術師により問題が出される!

「ではまず、そこの盾を持った男からいくとするかの」

「わかった」

大盾の華人は魔術師の前に出る。

「では問いかける。お主の好きな色は?」

「……緑」

「正解!」

『おっと!難なく正解です!』

大きな拍手と歓声が起こる。

「なんだ、簡単じゃないか」

「バカにされてる気分だな」

五人は怪訝な表情をするも、渋々回答を続けることにする。


「ではそこの変な服の者!」

「……」

「顔が特に平たいやつじゃ」

「輪廻の戦士、お前だ」

「行ってきな」

「みんなで顔のことを言うなんて失礼だ!」

変な服装をした華人の男がプリプリ怒りながら魔術師の前に出た。

「……ふむふむ、別の世界線に転移する能力か」

「え?」

「死ぬことによって別の世界に移動する能力だ、多少時間は戻るがやり直したわけではない」

「え、じゃあ……元の世界にいた人は……」

「まあそれは置いておこう」

「置いておくなよ!」

魔術師はその者の魂の記憶を読み、問題を繰り出すのである。

そんな高度な能力をクイズにしか使わない異常クイズ愛魔術師であった。

「では問題……お前の大好きなシシリアたんのパンツ何色だ」

「え!?ちょ、わからねーよ!」

「正解!彼女パンツ履いてないからな」

「そーなの!?」

彼は意外な真実を知ってしまい、悶々とする日々を送ることになる。


「お主は、ふむ、4つも名前を持っているのか……」

「すべてを見透かしているようだな」

次は髑髏導師の出番であった。

「わかっておるぞ、お主の心労もな。じゃが手加減はせんよ」

「ふ、我に解けぬ難問はない」

髑髏導師は不敵に笑った。

「では問おう、カ……ア…………」

魔術師は蚊の鳴くような声でボソボソと問題を読み上げる。

「え!?聞こえない!」

「だめじゃ、一度しか言わん決まりじゃ!」

抗議の声もまるで取り合わない魔術師。

「それズルくない!?えっと……ま、マサチューセッツ?」

「正解!かつてのギルドメンバー、あんにゅい☆ハンペンとやらの夫はマサチューセッツという土地の出身じゃ、チャットで言っておったろう?」

「そういえばそんなこと言ってたような……」

なんだか釈然としない髑髏導師であった。


今度は軽薄そうな男が魔術師の前に立っていた。

「お主は、ふむふむそうか。幸運のようだな」

「ああ、まあな」

「では難しい問題を出してやろう、心せよ」

「もちろん、受けて立つ」

「……お主の好きな色は?」

「黄色!……いや違う!赤!赤!」

「残念!この嘘つきーっ!」

その瞬間、男の体が中に浮かび上がり、そしてそのまま飛び上がった!

「わああああぁぁ私は鳥よおおおぉぉぉぉぉ!!!」

彼は闘技場の外まで飛んでいってしまった。


『残念!ここで挑戦は終わりです!』

司会がチームの失格を宣言した。

「私はまだ答えてないぞ!」

甲冑を着た少女、少女将軍が抗議の声を上げるが、魔術師は取り合わない。

「一人でも脱落すれば、失格じゃからのぉ。答えられぬ問題は出してないはずじゃがぁ?」

「それは……そうかぁ……?」

「我の問題聞き取れなかったが?」

四人は納得がいかない様子である。

「しょうがない、特別にもう一問だけチャンスをやろう。これが不正解なら黙って帰るんじゃぞ?」

「よしわかった。回答者はもちろん私だ!」

少女将軍が前に出る。観客から歓声が上がった。

『さぁ!もう一問だけお付き合いください!チームのラストチャレンジです!』

「難しい問題じゃからの、心せよ」

「さあ、来い!」

「では問おう、草原に打たれた杭に、獰猛な肉食獣が3mの長さの鎖で繋がれておる。さて、その獣が食べた草の面積は?正確ではなくおおまかに答えて良いぞ」

「そりゃあ、28㎡……あっ違う!」

「残念!回答は一回まで!」

少女の体が浮き上がり、場外まで飛ばされてしまった!

「設問に不備が!設問に不備いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

「こんな簡単なひっかけ問題、見抜いてもらわなくては困るのぉ」

魔術師はケタケタと笑う。

「……大盾の、正解わかった?」

「肉食獣は草を食べないだろ」

「ああ……そういうやつか……」

かくして、三人はしょげかえりながらも、ぶっ飛ばされてしまった二人を探すために会場を後にした……。


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― 新着の感想 ―
[一言] クイズじじい「平たい顔のくせに」 華人三人組「レイシストかな???」
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