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83.男爵

感の良い方なら直ぐに気がつくだろう。


私だ。え?誰かって?


この度男爵位を得ました?

ヴィルハルト・シュバルトです。

一応ですが通称ヴィルです。


は?いきなり男爵だって?


いえ、きちんとロイ様の爵位はまた上がりましたよ?

ええ、伯爵位です。


ロイ様はどうしているって?

そうですね。


普通じゃないでしょうか。

ええ。普通です。私の生活も変わらず普通です。


特段変わった事件など無かったような。






などと考えていると思いますが。

あの人も結構やらかしてますよ?

え?ヴィルじゃないのかって?


えっと、そのこの度准男爵位をいただきました。

サバート・ビルヘラムです。


え?何をやらかしたかって?

そうですね。


まず官司を領民にしました。


ええ、どんな罠を仕掛けたのか知っていますが。

とりあえず極悪ですね。


本当は罠でも何でもありません。

官司が訪れる。聞いてないの押し問答。


難癖の付け方がまた。



証明は?


この書状が!


偽物では?


この印を確認してください!



ヴィルがわざとらしく触る。反応なし。

「偽物ではないか!」

狼狽える官司。何故だどうしてだと。


ヴィルは自分のプレートを相手に見せつけ魔力を込める。

そう名前を光らせたのだ。

「こういった公式な物に書かれたものはこのプレートのように名が光る!この書類は光らんではないか!」

そうだよなあ!と他の者達にもプレートの名前を光らせて官司に見せる。


慌てふためく。そんなはずはないとか。

さらにそこでヴィルの秘策が炸裂する。

「この書状を見てみよ!この様に正式な文書では名前が光る。私はこの町の代官としてロイナート様より任命され、恐れ多くも国王陛下までもが承認してくださった!」


あの書類。今度皆に配る参考としてこういうの作ってみたいんですけど。って一言で二人に試しという名目のもと魔力インクで書いてもらったものだ。

確かに正式に参考資料として二人の署名が入っている。


国王陛下のサインの偽造は国法で重罪だ。

本当にここの領主の、当主のやり口に似てきた。

その後は簡単です。


ええ、衛兵達が牢へ官司全員連行。拷問の様な取り調べの一週間。

取り調べが一週間なのは一週間しか持たないからです。

例のロイ様は領民には優しいんだがを使い、領民にしてから王都へ帰す。

官司は辞めずしばらく務める指令は出しているんですが。まあ、早急にバーナへ帰って来ますね。


貴族の習性、吟侍。人の習性、プライドを良く突いたものです。

というか今年で3年連続です。大丈夫でしょうか。







などと人の揚げ足取りでもしているのでござろう。心配そうな顔をしながらヤレヤレと肩をすくめるサバート殿もエグいではないか。


某でござるか?拙者は、、、いらんとは。

あ~。サバート殿なあ。なんというかヴィル殿が策略タイプならサバート殿は暗躍タイプですかなあ。いや、入れ替わっていることも。


さっさと内容を言えとは、、、拙者にだけ皆冷たくないか?


官司、間者、密偵、暗殺者。皆は色々仕事内容は言わずとも知ってござろう?

中には草の根の如く住民に溶け込もうとする輩がいるわけでして。そこまで言えばなんとなく。予測が付くのではござらんか?


ああ、血だろうが名前だろうがどうでも良い者にとってはどうでも良いのだ。もしくは家族を盾に等有るでござろう?


ヴィル殿やサバート殿は、狂信者と住民に恐怖を感じる時があると愚痴を申しておるが。二人共しっかり狂信者を利用しているでござる。狂信者は偽信者を見抜く。というか仲間意識が強くて。怪しい者を集団で監視、警戒、偵察。必ず見抜き出すのでござる。


つまり大半の領民が怪しい動きをするものを監視しているのでござる。どんなに手練でであろうとまさか領民全てが狂信者とは、、、


んん、それはともかくですな。ヴィル殿は相手の事情や情報を引き出そうとするのに対してサバート殿は。その容赦ござらん。情報を入手。ロイ様のいない所で笑顔で気安げに近づいて行ってスパっでござる。

住民の大半が言っていたらその情報は正しい。いちいち許していたら舐められる。そもそもロイ様に仇なすという気持ちを持った時点で死罪確定。家族が人質?人質をとった方に復讐するでなくいいなりになった方が悪い。


間違いもきっとあったとたぶん、いやあの正確性だから、まあとにかく。間違いもあったとして。それならそれでロイ様の為に殉教出来たのだからよかろう。って精神。完全にイッてるでござる。


領民の大半がサバートのやり方派ってのもどうかと。過半数の情報ならサバート。未満ならヴィル。そういった情報の流れでござるな。


む?某でござるか?、、、蚊帳の外でござる。え?信用ない?

拙者はロイ様の護衛でござるからな。ロイ様の耳に余計な些事を入れてはいけないと二人から事後報告でござるよ。


本当は?って。本当でござるよ。拙者の任務はロイ様に近づいた者を斬るのが仕事でござる。例え斬れずともこの身をはって時間稼ぎを。


え?近づく者は容赦なくKILLのかって?誰でも彼でもではござらん。しっかり派閥の者で無いか領民では無いか、ロイ様に関わった事の有るものでないか怪しい動きをしていないか。常に観察。しているでござる。


どういった者を斬った事があるか?普通でござるよ?領民プレートを見せていない。派閥のものでない。自分の知らないもの。ロイ様の反応が無反応。ロイ様半径15m以内に近づいた。そういった条件にあった者は首をはねますな。


何かあってからでは遅いでござるからな。ロイ様から叱責?ないでござるな。普通に亡骸をゴミでも見る目で見て直ぐに興味を無くされる。







酷い?容赦ない?あの、これでも拙者等世間からの認識は超過激派閥なのでござるが。


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