66.王都混乱
王都の話を少ししようか?
え?誰だって?
俺だよ。ロイ君だよ。
え?王都の話なんか聞きたくない?
わかるわ~。
臭い汚い不味いみっともない。
そんな話聞きたがるやつなんかいないよねえ。
でもなあ。派閥内抗争とか興味ない?
え、予想付くって。感がいいねえ。
「領主が領地を空けるというのは派閥の理想から離れています!」
「派閥は今力の付け時だ!どの技術を進めるのかの会議が必要!」
「それより王都をなんとかせねば滞在がキツイぞ!」
そう、もう、なんて言ったらいいのか。うん皆の予想通りみっともない。
親子喧嘩親戚喧嘩の真っ最中。
ほえええ。俺関係無いけどね。
「ロイ殿。すまんが無関係では無い。ロイ殿の王都滞在用の屋敷の話がある。」
おおっと。王様から話題を放り投げられた。いや建てたくても土地無いじゃん。城壁の外は?え?第2城壁内が最低条件だが、心配しなくても土地はというか建物用意済?なら良いじゃん。
「代理だ。」
ピタッと止まる会議。そう、そうなるよなあ。俺一人なんだけど。親戚も子供もおりませんが?
、、、バッと父上を見てみる。サッと目を逸らされた。
ヴィル君見る。だよねえ。親族じゃないんだもん。
てっとり早いのは奥さん。
ああ、分かってるよ!全滅だよ!寄って来たのは火遊びばっかだよ!
ちくしょう!
オーディエンス何故きた。今回は実験じゃない。
え?屈辱に喘ぐロイたん萌?君の悲しみを分かち合おうと?
すまん意味が分からん。
もっとてっとり早く妹弟を引っ張ってこようかと父上に事前に相談したんだ。ああ、答えは簡単だ。妹弟の答え。そんな命令したらパパ嫌い。
うん子供に負けた。こっちだって苦渋の決断なんだよ!爵位あげるよ!なんで逃げるんだよ!親族他にいないから、、、
振り返る。ばあちゃんと目が合う。すっげえ怖い。
代官?おじさんの子供?俺の直系の上下でつながらないから駄目だとよ!なんだよ貴族法!何縛りだよ!
気持ちいい!ってまたくんじゃねえ。オーディエンス!
散れ散れ。
考えろ!考えるんだ!あ、あれならどうだ?
「例の排水溝制作事業始めるじゃないですか?」
そう王都で排水溝事業が開始される。地上に土地はない。でも地下があると。
穴掘り事業の開始だ。鉱山技術、土魔法。人員。金。かなり投入される。
まさに好景気になる筈。
「うむ、至急人員招集。資金繰りの計算。設計。色々動くな。」
「俺はですねえ。やっぱりトイレは水洗。風呂も必ず入る。下足も欲しい。そういう家になってます?」
なっていないらしい。ならたぶん。
「金を出して屋敷の改修するとどの位かかります?屋敷の改修中も滞在しないと不味い?」
「なるほど、排水事業に人員を取られ屋敷の改修が遅れていると。まあ理屈は通るが何年もは厳しいぞ?」
せやなあ。いや?水洗トイレで風呂付いていて。屋敷内を領民で固めればどうだ?領内の物資は他の領へ輸出する時に寄らせればいけるなあ。問題はどっちだ?妹弟か?奥さんか?
「奥さんだろうな。いや、一度バーナに行ったら王都には来ないか?でも屋敷内ならそう人も来ないだろう?それに権力好きなら王都にしがみつかないか?」
王様奥さん押し。
父上を見る思案中だ。行けそうだし。でも遠いし。でも派閥内も色々理由をこじつけて技術を使い始めている。なら王都に来なくてもって話だ。
ちょっと待て王都嫌われすぎじゃないか?王様自身また派閥会議に出席だって付いてくる気満々だし。
どうなってんのこの国。
うん問題全て棚上げした。だって結論出ないんだもん。しかも。
「結局嫁は見つからんかったな。」
ええっと王様まで馬乗で追い打ちかけんでも。
そうだよ!見合いすら出来なかったよ!釣書全滅だわ!
って派閥全員溜め息つくな!結構ショックなんだぞ!お見合いすらお断りって!
王様だって娘紹介してくれるって!無理だった?
ヴィルパパ!スマンって謝んないでよ。うわみんな目を逸した。
部下も哀れんだ目で俺を見ている。せやなあ。お前等婚約者いるもんなあ。
なんで婚約者も馬上なのか。というか王妃様まで馬上。ってあれ?なんでこんなにいるんだ?
そういや部下の婚約者さん達も紹介、、、いや。謝らないでくれ。
分かってはいるんだ。
戦略でミスって、ミスったか俺?領内運営は好調じゃないか。
「現実逃避しないでください。貴族家的な問題なんですよ。」
わかってるよヴィル。でもさあどうすんのコレ。もうマジメグたんに爵位与えて。
「先生が。私を貴族にしたら。ロイ様嫌いになるかもって伝えておいてと」
おおっと。まさかの裏技が潰れていた。なんか貴族になると嫌なことでもあるんかねえ?なんか話してたっけ?
「会話の内容で愚痴が出た時に色々とこぼしていたでござる。その度にひいておりましたぞ。」
マジで大問題だわ。
だからお前等出てくんな。なんでスタンディングオベーションすんだよ!
ああ、不思議だろう?何故皆馬乗で、野営で平気なのかって。
はっはっは。金持ちは違うのだよ!
え?絡繰?
簡単だよ。領民冒険者に依頼したんだ。金使って行き帰りの進路上に野営地作っとけって。
領民冒険者。バーナ領関係者で天幕を抑えているから領内の物が使える。
え?領法?俺が法律だ。っていうかもう飼料輸出してるし。ザザの実を隠れ蓑にできるし。
商隊もいるしで。普通に使えるで?俺達だけだけど。
何故馬車を使わないか分かるかい?
板バネ?スプリング機構?おっさんが知らないと?
知っとったわ。
でだ。みんなもそれなら作れば良いじゃんってなる。
作ったさ。ただなあ。
耐久度?別に。すぐ壊れるって事もないよ。
道正解。街道ね。土踏み固めれば~ってなるだろ。
限度ってものがあってね。
そうだなあ。オフロードって言えば通じるかな。たまにはねたりするやつ。
でだ。さらにゴムがない。
物凄い改善されたよ?それは本当なんだけど。そりゃあ。貴族なら絶対買うレベル。馬車の方が楽だよ?でもたぶん日本人の皆なら耐えられるんだろうかっってレベル。
え?おっさんがパンクした自転車を一月長距離走ってみろって。
耐えられるか?耐えられそうなら異世界で馬車使って旅が出来るってさ。
うちの領?実験中。ただ土を魔法で固めた道。粉砕した砂利を敷いた道。木に溝掘って樹脂で防腐しただけのを並べた道。
うん木が一番高い。石畳?あれなあ。一応試したんよ?
薄くちゃ割れる。デカイの重い。綺麗に割れない。出来るんだけど技術がかなりいる。
はっはっはー。レンガって言った人。馬車でレンガひいてみ?
セメント?突っ込んだね。おっさん曰く石灰石がどうので火力が~とかなんで固まらん思い出せ~。脆いこんなんセメントじゃないって言ってる。
おう俺だけ働き損だよ。本当はドワーフとかエルフが知っているらしいけどそれじゃあ面白くないってさ。あと道路には向かないって。
まあ本当の最大の理由は遅いって事なんだけどね




