54.レバニラ
引き続き。血の回復作戦中。
なあ、ヴィル。本当にまだ大丈夫なんだよな?
嫌だぞ。強制吸血なんて日々は。
え?たぶん大丈夫?まだなんとかなるはず?
最悪王国貨幣を十分の一の価格で渡せばなんとかなるはず?
、、、なんとかなるな。
なら最初から。
「え?王国貨幣は流したくないんでしょう?」
せやな。
ってかなんで気付いた?
「家臣一同バカにしてます?いえ、気付いたのは派閥会議以降です。内需、内部経済、外貨。いつでも内部の金を作り出せる仕様。外貨を溜め込める手法。お前等いつ気付くの?って感じがまた、、、気付いたのが遅すぎて悔しいので黙ってました。」
バカにしていたわけじゃ。
「いえ、我等家臣が真っ先に意図に気付くべき事でした。外貨獲得、内需、紙幣での外界との金の分離。内需、領内で作成できる紙幣で有れば貨幣の下落だけでなく貨幣不足、内部の金不足に対応出来ます。」
うん。バカにしていたわけじゃないけど。気付かないかな~っとは思ってた。
ああ、経済封鎖みたいな自主鎖国?今後ブロック経済に移行するかは知らんが。
おお、俺じゃなくても派閥の領主がピューってやれば、、、
他国、戦争、金、外貨。信頼性か。魔力で。
そうすると王様がピュー。
派閥のおっさん達死ぬな。しかし国内全ての領主が発行すれば。
貴族として年間何枚とか。
強制、いや、それだと血の気溢れるやつが頑張り過ぎる。番号触れば。
それで何番まで反応、、、技術が足りない。
領主を殺っても本人が魔力を込めながらじゃないと。
「ロイ様。血の回復が早いと聞くお薬です。」
なんだろう、黒い様な赤いような。せめて粉にしろよ。
う、くさい。ドロってしてる。
傾けてもあんまり変わらんってどんな粘度だよ!
落ち着け。味わってはダメ。鼻をつまんで?一気?
何も考えるな?わかった。
目をつぶるな?遠くを見ながら?集中力を遠くに持っていけ?
く、ううう。飲み下す!飲み下す!仕事!これは仕事!
レバニラってあるだろ?
んあ?唐突だなおっさん。
ここで出来るのはモドキだが。香草も良いがニラが欲しいな。
ニラねえ、ニラ。メグたんが探し中だって。
ニラは良い。すごく使える。
それにもやしも欲しい。
豆あるからね。作れるんでしょ?作り方さえ分かれば。
、、、普通に水に一晩漬けたあとすくって暗い所に放置で作れる。
はあ!そんなに簡単なのになんで黙ってたんだよ!
この領地の豆の需要考えろ。オヤツとしての豆。最大需要の味噌、醤油。
平民から豆を取り上げるのかってヤツ?
それもあるかもしれんが。味噌や醤油は自信があった。豆をそのまま食うよりこっちの方が必要って認識を植え付けられる。
そっか、もやしは好み分かれるから。作っても良いものかって事か。
そうなるな。
はあ、レバニラ食いたかったなあ。モドキでも良いけどさ。
ところでな。すまん。思い出したんだ。今更な。
なに?怖いんだけど。
今ので思い出したんだが領地運営でなくて実験っていう建前が俺たちには有るってな。
黙って立ち上がるロイ。
「豆を持って来い!今すぐにだ!!!」
で?豆を洗う?うん。水気を切る。うん。数回。
、、、めんどいな。
で?器に移す。で?水に浸すのね。で?丸一日放置。で?え?放置。
で?一日たったぞ?水洗い?ほうほう。で?水洗いを一日2回ね。
木箱に入れると。蓋をすると。で?放置。え?また?これを一週間。
、、、一週間!何これ。簡単だけどめんどい!
「ロイ様。これでよろしかったでしょうか?」
目の前には木箱。器の上にはもやしがこんもりと。
せやな。失敗するわけがない。
おっさんの理科?自由研究?で試した記憶上と変わらない。
検証じゃあ、検証じゃあ、と部下と使用人を引き連れて食堂へ。
「エマこれでをいつものレバーの炒め物を作ってくれ。」
出来上がり。ニラの代わりが香草でちょっと違うがレバニラだ。
レバーに香草、もやしをのせて。一口でいく。
ジャクリ!っと口の中で心地よい食感。う、美味い!
皆も次々と試食し好感触の様だ。
茹でただけに醤油。軽くバターで炒めて醤油どちらもいけるはずだが。
おっさん。早くそれを言え!
さっそく作ってもらう。
エマが驚愕した表情で持ってきた。ばあちゃん基本味見してくれるからね。
これほど簡単なのに美味いとは、、、
後ろでヴィル達がもやし増産計画を話し出している。
ヴィル達はレバー食わないんじゃなかったのかって?
なんか気付いたらいつの間にか普通に食うようになってたな。
貴族の建前どうしたって聞いたらロイ様の苦痛は共に味わうとかなんとか。
ああ、平民共の食堂でもレバーは食えるぞ?
しっかり血抜きしっかり火を通す。
なんだっけ?貴様らに肉ばかり食わせるか!内臓でも食ってろ!
って建前だとかどうとか。
レバーかなり好評らしいな。勝手に他の内臓も食えないか試しだしたらしい。
内臓を食わせる鬼畜領主だとよ。またかよ!




