51.ダンジョン行きたい
ダンジョン。それは魅惑の地。
ダンジョン産魔道具に素材。
行きたい。行きたーい!
ってなわけでダンジョンへ向かいます。
「無理に決まってるでしょう。」
相変わらずのお仕事です。プスッとやってペカッとしてニッコリ握手。
そうなんです。貴族って自由だと思うでしょ?
領民無視して行っても良いけど。すごく困るよね。
ピューッとやってペッタンペッタン。
家臣達には権限(責任)を可能な限り与えたのに。
この血液関連だけは俺の仕事。
自由がほしい。プスは痛い。
ピューはもう嫌。貴族って拷問されるのが仕事なの。
そんなのお断り!
セヤ!ダンジョンイコウ!
で捕まって。ヴィル君が今後の仕事の予定を延々と言ってくる。
説教ではない。
最近入領者は落ち着いた。良いことじゃん。
だが、借金完済予定者が8割に増える。はあ?
んなわけないじゃん!まだ数年余裕が有った筈だろ?
屋敷建てました。うん愛人の。ではなく?ああ、実家用。
王様も結構建てたよね。何故か別荘一番気に入ったとか言ったらしいけど。
アレなあ。結構自信作だったんだよ。なんか古き良きみたいな。
おっさん設計。なんかいつの間にか王様に献上されておっさん涙目感情流れてきたけど。エマさんには逆らいませんってさ。
じゃなくて?おお、高額屋敷の増設。大量に行われる公共事業。
トドメに海の開放?
「あれ?なんか関係あるの?」
「どんな指示出したか覚えておられない?」
「それくらい覚えているよ。えっと、船作れ。船着き場作れ。海産物の獲得、干物、海藻乾かせ。」
思い出した!なんだよ!シーサペント、アレしかいないのかよ!クソ!美味かったのに!
「はあ、あのですね。それだけ事業を回したらどれだけ労働人員必要だと思うのですか。」
「げ!赤字なん?」
「黒字ですよ!仕事があふれて人員が足りないくらいですよ!更に塩の輸出以外にもザザの実の輸出。秘伝のタレの輸出。どれをとっても好調です!」
問題無いじゃん。外貨は獲得してる。領内は俺の紙幣。紙幣なんざ刷っただけで金になるんや!王国の資産貯めこんだるでえ。
「それだけ仕事があふれる。好景気。沢山働くとなれば?」
「そんなん沢山稼げるに決まって、、、」
そっかあ。そうかあ。借金返済できちゃうんだあ。
今12,500人位だよね増えてないよね。4割分は終わってるとして。いや!違う8割に稼ぐやつが増えるんだから追加だ。え?貯金で逃げれ、ある程度しか無理か。
、、、俺失血死すんぞ?
「いえ、ですから無理のない増産を日頃から行っていただければと!」
なんだよ無理のない返済をみたいに。コレでも俺頑張ってるんだよ?
やりたいこと沢山。試したいこと沢山。それものすごく我慢しているのに!
「ですが、ロイ様に苦痛を強いるのはと思い私も手を打ちました。」
え?なに、なんだろう。期待しちゃうよ?
「ミスリル冒険者カイン殿に依頼を出し。少量でも構わないので出来るだけ早くダンジョン産の物資の獲得を依頼しました!」
お、おお?おおおおおお!いいね!ヴィル君それ良いね!
あれ、でも確かアイツ長期出張お断りとか言ってなかったか。
「ロイ様のためならやってやると。それにダンジョンの有効活用のためダンジョン都市を建設すべく街道整備に更に人を回しました。」
素晴らしい。素晴らしい働きだヴィル君。
「ダンジョンに街さえ出来てしまえば視察という建前が使えます。また、あらたに仕事が増えて更に借金返済予定者も増える事でしょう。ああ、ちなみにダンジョンまで街道整備されていないので探索、それと往復で、、、そうですね。一月も有ればロイ様の手元にダンジョン産の物資が届くと思われます。」
ん?んん。あれ。えーっと。仕事増えたって言ってないか?今喜びかけたぞ。建前大事。行けるようになるのは嬉しいけど。あれ。なら良いのか。完済者が増えるから仕事増える。いや増えるとは言ってないが遠回しに言ってるよな。
しかもダンジョン産一月我慢しろって。
「なのでロイ様。ダンジョン産が来るまでの一月。一月だけ頑張りましょう?出来ます!あなたなら出来ますから!ロイ様!」
なんかの宗教?啓発みたいなのやめてくれ。出来る気がしてくるから。
うん、とりあえずつくるかあ。
ペッタンペッタンっと。ペッタンと言えば餅食いたい。もち米ないかなあ。
判子を持ち替えてペッタンペッタンペッタンペッタン。
本当なら叫びながら逃げたい。でもなあ。本当に要るんだもん。
間に合うかなあ。
そもそもさ。俺自分勝手に実験を自由にやるために南方開発に乗り出したんだよ。
俺貴族!言うこと聞け!敬え!跪け!働け!税金納めろ!献金しろ!って思ってたんだけどさあ。
領民はその通りに動いてるんだよ。
ならなんで自由に実験できない!
ペッタンペッタンペッタン
そういや餅ってもち米ふかしてついてだよね。おっさん米でやったら何になるの?
ペッタンペッタンペッタンと。
待て待て。ふかしはしないが柔らかめに炊いて。たしか団子?いやすりつぶす?
何割か形を、、、思い出しているから待てって。たぶん9~7割。形を残して。
串にさして炭火で焼きながら甘味噌を塗る?だったかな。
ふ~ん。ペッタンペッタンっと。
団子って?
あれはもち米が無いと無理だ。そういえば米を粉砕して粉にする以外にその粉を水で溶いて濾してその濾した水を乾燥させて粉にした物を使ってねったら団子っぽくなったって聞いたことあるな。
ペッタンペッタン
それ良いねえ。やってみたい。他には?
一番てごろなのはきりたんぽってやつだが。
ありゃあかん。米の味が左右しすぎる。技量じゃない。
米が美味くなければただのだんごモドキだ。
食べては見たいんだけど
ペッタンペッタン
ほれこれだ。
うわあ、グズグズに溶ける未来。
ペッタンペッタン
ならうどんは?小麦粉なら手元の使えばただだろう?出汁は海藻とか干物で味は醤油でまとめれば?
いけるかなあ。
ペッタンペッタン
ああ、そういや粉もの扱うのに注意があるの忘れてたわ。
え?
ペッタンペッタン
これ、粉塵爆発ってやつ。
、、、これ至急実験案件じゃん!
被害甚大だよ!
密閉なんかほぼ無理だろ。
密閉じゃなくてもいけてるじゃん!
あわわわわわわわわわ。
「ヴィル!至急実験案件だ!」
ヴィルが立ち上がって直ぐにかしこまりましたと。準備にかかる。
小屋を製作に数時間。小麦数袋。
実験内容。小屋を小麦で吹き飛ばせるか。
なんでこういう時だけヴィル達は素直なんかね。
問題ないなら良いんだよ?
えっと小屋で小麦粉を舞わせる。ってどうすりゃ、ああこうか。
離れまーす。ホイ炎弾。
、、、吹っ飛んだ。一発で。
ちょ、小屋もう一丁!
建築班が再度小屋を建築する事2時間
フェイに火をお願いする。
、、、一発。
ほ、他の者でも試させて!
結論誰がやっても変わらず。事故やべえな。
え?そもそも小麦粉を舞わせるなんてもったいない?
そうだけどあくまで事故の話。
罠とか言わない!
これ報告するべきかなあ。




