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46.メグミ

柊木恵美。

それが私の名前です。


会社からの帰り道。


もう会社辞めたいと。ええ、居酒屋三軒はしごしました!




ふらふらと。ふらふらと。気付いたら森の中でした。




異世界転移ってやつです。


フッフッフ。ステータスオープン!


ヒイラギ・メグミ

HP200/300

状態(泥酔)

力:貧弱

体力:ヤバイよ?

魔力:10

精神:マズくね?


スキル:鑑定Lv:2

ユニークスキル:言語理解

       :言語翻訳




えっと死ねと?


え?えええ?


しにたくない!


泥酔って!ヤバイ足元おぼつかない!


ギャギャ!


緑色の子供?角つき。


、、、ゴブリン


オワター。アタシの人生オワター。



ふいにガサガサ背後の茂みが揺れる。


男の子が顔をだした。西洋人?


目を見開く男の子


「な、なあ。姉ちゃん。あのゴブリン姉ちゃんの獲物?」


よくわかりませんが獲物ではありません。ぶんぶん首をふると。


男の子が嬉しそうにハンドサイン?を出します。


急に槍?木の槍が次々にゴブリンへ打ち込まれました。


「ゴブリン一匹じゃなあ。お~いお前等次行こうぜ!」


ヤバイ、マズイこんな所に置いていかれたんじゃ!


「あ、あの!」


「うわ、姉ちゃん酒臭!酔っ払ってこんな所まで入って来たのか?水あげるよ。ほら、町はあっち!一人で帰れる?」


異世界に来て初めて遭遇した異世界人に酔っ払い扱いされました。









この町。その、いい街なのかな、ちょっと解らない。


まず。物凄く怖い人達に囲まれました。


水晶に手を触れろと。無反応。物凄く首を傾けています。


ああ、もしかして、魔力に反応するとか?


冒険者!いきなりテンプレです!




現在問答無用で移送されてます。


正確には馬車で尋問?問答?みたいな事をしながら移動中です。



正直気持ち悪い。自分のステータスは相手に見えない。


泥酔から車酔いに変わってます。


私の隣に座っていた怖い顔のおじさんが私の顔を見ると何かに気がついたのか私の腕に手を当てました。


HPが若干回復していきます。え?これって回復魔法?


うわージリジリ回復するタイプなんだ。


相手の魔力がちょっと減ってます。




何故あそこにいたのか?気付いたらいました。


領民カード?持ってませんよ?免許証だってまだ持って無いんですから。


どうやって彼処まで入り込んだ?だから気付いたらあそこにいたんですってば。


これからどうする?行く宛も無いので働きたいんですけど。


この町では領民以外ほとんど活動出来ない?どうやったら領民慣れますか?


この領ではパンが高額。領民は家畜の餌しか食えないが大丈夫か?



、、、お、おう。家畜の餌かよ!流れる街並みを見てみる。木造造りでみすぼらしい。なんというか江戸時代?これはマズイかも。


でも馬車だし、パンって事は。



あの、貴族っていますか?いるらしい。


本格的にマズイ。えっと領民にならないと。おそらく追い出される。手持ちで換金できそうなものは現状この服と財布とスマホくらいか。


異世界製だ。高額になるかもしれないがならないかもしれない。


冒険者になるとしても準備をするためにやっぱりお金がいる。泊まる所。


そして自分のステータスの貧弱さ。子供でも簡単に狩れるゴブリンに怯える私が素手で戦って生きていけるかと。



と、盗賊とか奴隷とかって存在します?いるらしい。


ハイ、絶望決定!とりあえず生き残ろう。はあ、家畜の餌生活かあ。








「メグミ・ヒイラギ個人の名において、バーナ領に尽くし!バーナ領の為に働き!仲間と共に歩むことをここに誓う!」


痛った。指に針を刺してカードに血を垂らす。


、、、光らない?え?もっと魔力をカードに込めろ?魔力ってどうやって使うんですか?意識するだけで良い?意識って。


後ろからため息が聞こえ、肩に手を置かれる。あ、置かれた手から体温とは違う何かが流れ込んできた。コレか!なるほど。で体内にある魔力をカードに行くように意識する。光った!こういう事か。


なんか後ろから子供でも出来るのにって聞こえた。


しょうが無いじゃんまだ来たばっかりなんだから。




超絶イケメン集団に囲まれておこなわれたそれは。領民宣誓と宣言というらしい。領民になるなら自分の血と名前を賭けろと。


うわーやらかしたかも。奴隷と同じじゃん。


バレるかなバレないかな。あの怖いおじさんも気付かなかったみたいだし。いっちょやったれ。




ロイナート・バーナ 貴族位:男爵 バーナ領領主

HP鑑定不能

状態(仕事中)

力:比べない方が良いよ

体力:かなりおつかれのご様子

魔力:人なのこの人?

精神:無心


スキル:なんかあるのかね?

ユニークスキル:だからなにかあるのかねえ?


、、、おい!鑑定!仕事しろ!



はあ、すごくカッコイイ男の人に連れられ別室に移動。そこで説明を聞く。

まず領法。悪い事しちゃいけません。秘密は守る。秘密事項はコレだよってやつ。因みに説明してくれる人のステータス。さっき魔力を教えてくれた人。

はい、ばん!


サバート・ビルヘラム 貴族位:名誉騎士爵

HP結構いっぱい

状態(仕事中)

力:相当強いよ

体力:たぶん結構ある

魔力:200

精神:集中してるね


スキル:鑑定レベルが足りません

ユニークスキル:鑑定不能


うん相当強いよね。ってか私貧弱過ぎ。なんで今度は魔力を数字で見れたんだろう。鑑定結果もそれっぽくなってきたし。


で現在は食堂で説明を受けています。えっとザザの実ってこれ米じゃん。の粥と。クサッ!何これ。え?玄米の粥でしょう?なんでこんなに臭いの?


あ!日本の米は品種改良とか言ってた気がする。


で、白い粥。ああ、精米したんだ。コレなら食べれる。


おお!普通にご飯じゃん!なんか外国のお米みたい。で魔物肉オークと。


、、、普通に生活できるんじゃない?これ。




家貰えるの?え?あ、借金。領主様に。どこでどんな仕事がしたい?何が出来る?


あの、仕事選べるんですか?選べるんだ。


すぐに決めなくて良いんだ。領内見て回れますか?半年かかるし生活費持たないだろう?生活費、、、持ってない。


え?借金出来る?そうだろうと思ったって。どうせ落ちぶれ貴族の平民だろう?自棄酒してうろついてたんだろうって。あ、そっか平民は名字持ってないパターンだ。うわあ。黙っとこ。



当面の生活費らしい。これ紙幣だ。え?この領内でしか使えない?領外に出るなら両替所で王国貨幣に換金が必要と。その施設で領民カードで紙幣の貯金が出来る?


絶対に転生日本人いるわ。あの領主があやしい。


だって単位が円なんだよ!え?貨幣が円形だから理解りやすく円?


、、、あ!私、言語理解と言語翻訳もってたわ。


えっとしばらく待機所生活。領内を見学すると良い?


返済期限は!コレ大事!え?特に決まってない?みんな平均2年位で完済している。頑張り次第で1年掛からず?









そういえば仕事辞めたいと思ってたけどいつの間にか異世界で転職活動だ。


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