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41.無心

まさかの金の無心。


息子が変な口調になっていて驚いた。


いや、そうではない。


何から話そう。


ああ、私はハーナト辺境伯。フェルドの父親だ。


ん?ここではフェイ?イはどこから来た?


ロイ様に呼ばれた。決定でござるって。









山の上から臨める広大な放牧地。そして大量の家畜。


丘に広がる建物の大群。丘の上の巨大な領主館。


えっと村3つから初めて一応援助?はしたけど、、、


いや事前に会議では聞いていたんだ。驚いてはいかん!


、、、領主館に繋がる強大な石の橋。すいどうきょうですって。




振り返れば木造ながらもキレイな街並み。臭くない。


向こうにはもっと大きな町が並んでいる。例の水道橋も横切っている。


未開地?否!息子達の頑張りを褒めねば!


、、、たった十年未満でここまでくるか?




まずは長旅の疲れをと。


うん浴場なんだ?ってかこの人数で入れるの?


「入れるでござるが?多少手狭にはなるかもしれませんな。」


、、、40人はいるんだが。息子よ何故そこで不思議そうにこっちを見る。


ええ、結果は全然余裕だった。そうか。コレに慣れたら。


この人数で入れるのか?って疑われたら何言ってんの状態だよなあ。



「まあ、王宮には負けるでしょうが。ここもなかなかでござろう?」


うん背筋を冷や汗が流れる。熱いのに。


「いやいや、この浴場は王国一でしょう!」


え?えええ!なんで息子を、この浴場を褒めてるんですか!



「い、いえ。ここの領の広さで言ったら何番目何だろう。この領内には銭湯というのがございまして、たぶんよんばん」


「フェイ!背中流してやるよ!」


同僚の方に連れて行かれた。間違いなく規模で言えば領内で4番目と。


これで!4番目以降と!マジカヨ!


うん、偉い人プルプル震えてるね。私も偉いんだけど。




「お父様!!!」


おお、ユリセリア!すまない。こんな辺境?に婚約者として送り出す事になってしまって。え?いや、そこまで感謝されても。


なぜか夜中なのにロイ殿除く派閥全員集合。婿殿?いや別貴族家か、えっと義息子?サバード殿よろしく。え?年齢差にも関わらず?いやいやいや。気にせんでくれ。



あまりに紛糾して紙に伏せてグルグル回して文句なしで決めたのは内緒だ。


運命ってやつだ。


これはこれはビルヘラム伯爵。いえいえ。娘がお世話に、ところで今夜の夕食は美味でした。これほどの美味は味わったことのない、、、しかりしかり!

あの酒は極上でした!


ヴィル殿が何か言っている。え?これから領都向かいの街に向うと。案内はそれぞれの息子がすると。娘も同乗してくれると。

ええっとどういう事?







「申し訳ない父上!家を買ったは良いがあまりに高すぎて返済の目処が立たなくなってしまったでござる!」


見上げると例の水道橋が接続された立派な屋敷。我が家の家紋が門に刻印されている。


そっかあ。名前変えずに家紋も変えずにいけるんだ。


ははは、まあ木造だしな。なんか見覚えのある石の橋が繋がってるけど。


「父上、すみません。私がとても良い買い物だと。コレ以上の家は無いと。既に屋敷を持っておられる兄上に強引に勧めてしまって!!」



ユリセリアたんは悪くないよ~。問題は


「いくらだ。」


値段だ!絶対例の風呂が付いている。クソ!あれは大金貨1000枚じゃ効かんぞ!


「大金貨1000枚で買いました!」


「あまりにお安いので買うべきだと兄上に進言してしまいました!」



、、、だよなあ。相場通りただ、問題は風呂だ!風呂を確認しなければ。


「すまん、一応中を見させて貰えるか?」


二人に案内されながら屋敷内の案内を受ける。うん、靴は脱いでこの履物に変えるのね?スリッパと。


ほうほう、結構部屋数はあるな。トイレは1階2階共に4つずつ。で問題の風呂だ。



ですよね、こうなるよね?王都で買ったら1000枚超えるわ!そんな予感してたんだわ!


そうか、こういう事だったか。黙って施設を案内される。隠居地、別荘として申し分ない。というか早く来たい!


「本当に大金貨1000枚なのだな?」


「はい、、、」


はあ、二人共正直なのは美徳だが。こんなんでロイ殿を支えていけるのかね。








「円ならいくらなんだ?」



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