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143.蔵暮らしも悪くない

蔵暮らし始めました。


冷やし中華始めましたみたいに言ってはみたものの。


第一都市で蔵暮らし。なんか変な気分だ。


壺の上に板を挽いてその上で寝泊まりする。食事は外食。風呂も公衆浴場。

やっぱ宿の方が良い。


だって。臭いんだもん。ワイ熟成という工程を舐め取ったわ。発酵じゃないって断言してたけど。発酵だわコレ。発酵じゃないらしいけど素人のワイにはわからん。臭い。


そういや食品そのものだって発酵してないのに匂いはするもんなあ。


つまり何が言いたいのか。蔵暮らしは食品を扱っている蔵でやるもんじゃない。


何が宿代無料だ。考えたのはワイやけど。何が第一都市で不動産所有だ。自業自得はワイやけど!


早急な対策が必要だ!








「ユウスケ。お主アホの類でござったか。」


アホなんてひどい!

目の前にはソファーで足を組み眉間をもみながら目を瞑るフェイ様。だってもうコレしか思いつかない。事のいきさつをミスリル入手から事細かに報告してみた。


「金が入っては投資し、借金しては更に投資する。典型的なアホとしか思えん。投資する前に収支や予算取りを計画するのが当たり前であろう。取り返しがつかなくなりそうになって私のところに来るとは。」


口調変わったお。コレヤヴァイパターン?


沈黙が痛い。


黙考している。眉間をトントンしている。


コトリと目の前にお茶が差し出される。お茶を出してくれた女性がフェイ様の隣に座った。ああ、奥様ですか。超美人。しかもかなり若い。

ニコニコと朗らかそうな方やなあ。でもやっぱ貴族なんやろうなあ。オーラがちゃうわ。


現実逃避するしか無い。だってフェイ様のこんな状態初めてみたもん。年下相手だけど迫力がちゃうわ。日本の年功序列だってココ百年位の話だもんなあ。貴族社会序列のほうが歴史的には長いんだもん。それがこの時代での常識。


「フェイ様。差し出がましい事ではございますが、彼のロイ様にミスリルの刀を献上する話は当然ロイ様もお喜びになる話と思われます。更に彼に箔が付く事を考えるとロイ様が囲っておられる事も先見の明があったと口さがない者達の牽制になるかと。」


あまりに長い沈黙でワイが冷や汗を流していると奥様が助け舟を出してくれた。


口さがない者達っておそらく例の超過激狂信者一派(サバート様配下)の事やろなあ。派閥別れはしているようだがフェイ様達だって別に仲違いしているわけではない。


ただ行動理念が違うらしい。



ロイ様の行動は全て正しい。我らは補助し道を切り開くのみ!がヴィル様筆頭で国内貴族多数の貴族的最大派閥。



ロイ様の行動は全て正しい。だがそれはロイ様の心の安寧があってこそ。我らはお守りするのみ!がフェイ様筆頭の貴族家当主が多い一派。なんか王族も日和見っぽくここに肩入れしていると噂。一応ワイココ所属らしい。



ロイ様の行動は全て正しく。計算され人々を導いていると思われる。我らは全ての民にその意向を伝え導くのだ!その為なら我等は血を顧みぬ!がサバート様一派。一部光教だかの上層部となんかのギルドの偉い人とかバーナ家家臣団に多いらしい。、、、過激派と。


で、例の口さがない者達。

ロイ様は神の使徒であり、行う行動全てが正しく、人類を導く使徒様である!ロイ様の威光を全ての人類に知らしめよ!その為ならば手段は選ばない!

サバート様の配下っぽい人?で構成されているらしいがサバート様自体は把握しておらず容認されているだけの一派。超過激派集団で暗躍に継ぐ暗躍。調略、暗殺当たり前。汚れ仕事と言われてもロイ様の為になるはず!っと暴走しがちで手がつけられない。増殖中らしい。


為になるはずで行動されたらたまったもんじゃないんだろうけど。うん。たぶんワイ彼らに睨まれてるんよ。

理由。羨ましい、、、らしい。


、、、羨ましいで命狙われるって勘弁してくれ。実際には命までは狙われてないらしいけど、なんで話し相手という職業にポッと出の奴が成れたんだ!って感じ。一応ワイとの会話でロイ様が御機嫌で笑っているという情報が流れてなんとか認めてもらっている程度。


あわよくば自分がって感じなんだろうなあ。足は引っ張ってこないから信じときたい。一応領民仲間なはずなんだし。


フェイ様が深くため息をはく。

「お主かなり綱渡りを連発しておるぞ。例の刀開発の時に出来上がった刀を献上しなかっただろう?鍛冶屋の連中から連絡が来たからこちらで対処出来たが。鉄の鎧を切り裂くほどのものを開発しておいてロイ様に献上しないとは頭が痛くなった。」


行動モロバレだった。刀の評価高いな。でもさあ。だってしょうがないじゃん。もう買う金もなかったし。


「すみません。お金がもうなかったもので。丸腰怖いですし。」


嘘です。普通の安物の剣くらいもっています。でも流石にそこまで言われるほどの事とは考えませんでした。だが理不尽でも素直に謝る。それがワイのクオリティ。


「ロイ様が002の刻印の刀を所蔵している事が連中に嗅ぎつけられたんだ。だからお主の監視がひどくなったようだ。001をメグミ殿が回収しなかったらマズい事になっていたかもしれん。お主貴族を舐め過ぎてはおらんか?」


言葉が出ない。ロイ様が002。そりゃあバレたら、、、

ワイかなりヤバイ事してる?


「例の法案で報奨が出た事だって領民ならば当然。使徒様に貢献できたのに報酬を受け取るなんてと連中が騒ぎかけた。だが機転を効かせた鍛冶屋の連中がユウスケはロイ様の為に全財産を投資し更に借金迄してミスリル開発に着手したと情報を流した。」


マジで綱渡りしとる!貴族社会怖え!宗教怖え!鍛冶屋共感謝!


そうなると001はメグミさん経由でロイ様に渡ったのかな?まだかな?出来ればネタにしたいから内容はまだ伏せて渡して欲しいな。


「で?更に借金で蔵暮らし?ココまで来てなんとかして欲しいと言われた私はどう対処すればいいと思う?」


冷や汗しか出ない。八方塞がりになってフェイ様の所に来てみただけだったんだけど。だいぶワイやらかしてんなあ。


「献上の件があるから当然ロイ様には報告できない。既に献上品開発の件は噂になっているから開発中止も不可だ。資金の横流しをやろうにもサバート殿の耳に触れればどこからあの連中に嗅ぎつけられるかわからん。メグミ殿の覚えも良いという噂も今回の蔵暮らしの一件で抑えることが可能だろう。で?本題の資金が無くなって、私の派閥と見られているユウスケに金を貸すことも出来ない私はどうしたら良いと思う?」


「え?自分フェイ様の一派じゃないの?そのつもりだったんですが。」


「だからアホかと!お主の仕事は!」


「ロイ様の話し相手です。」


「現状話し相手という職業はユウスケ一人。本質が私の派閥でも表面上は私とヴィル殿サバート殿も共に許可した事になっている。許可書の連名確認しなかったのか?それを露骨に私が金貸したら二人に角が立つじゃないか!」


金貸してくれない理由、保身だったわ。クソゥ、三人仲良いな!


「ならヴィル様とサバート様の所に行ってみま」


「だからお主はアホかと!私が金を貸さなかった男に二人が貸すわけ無いだろう!彼らとて私の仲間。同志なんだぞ?同じく角がたつからと貸すわけないだろう。」


遮られた。


お、おう。つまり自分で首絞めてもうたんやワイ。


「次の時はヴィル様かサバート様の所に行くことにします。」


「そうしろ。というか次もあるのか。、、、はあ。しかしこの状況どうしたものか。」


そうか。それでフェイ様考え込んでたんだ。打開策を。ワイの為に。う~ん。このツンデレめw


諦めて蔵暮らし継続するかあ。自分の命守る為には蔵暮らしも悪くないな。

うん。人の悲鳴は蜜の味ってか?この狂信者共め!


「しかし土地税は所持日数割合による。長引けば長引くほど税が増える。払えそうか?」


「その、ミスリル次第でして。完成が間に合えばいけそうなんですが。」


そうだよなあ。めっちゃ呆れた顔をしている。ウスター様は成功の是非も分からずしかも年単位の研究観察が必要と思われる。ミスリルは鍛冶屋次第。そしてワイの所持金3桁万円でも実際は借金有りき。差し迫る納税の時期。借りれない貸せないお金の事情。鍛冶屋に頼んでも狂信者共が帳簿を嗅ぎつけないとも限らない。というか絶対見張ってるし探ってる。


異世界がワイのことを殺しに来てるよw


「あの、よろしいですか?」


そんなワイらの心を知ってか知らずかワイらが話中もニコニコの奥様が朗らかに声を上げられる。

おうおう、嬢ちゃんちょっと今ワイらやべえんだよ。主にワイのみがな!


「土地付きの蔵なのですから土地ごと売ってそのお金で他の都市に蔵を買うのではいけないのでしょうか?」


ん?んん?


「第一都市が土地が高い理由は領都の隣ということもございますがロイ様のお膝元同然でロイ様をお見かけする可能性が一番高いというのがございます。故に他の都市、例えば海の都市であれば10分の1の値段で購入する事も可能かと。」


「なるほどそれなら確かに。いや、海の都市は私がというか私の弟妹が担当だ。他を当たるほうが良いか。」


不動産売買ってやつか。まあ、土地の価格も場所次第らしいが。一応1億の価値を信じるしかねえ。









最後までニコニコしていた奥様が帰るワイに一言おっしゃった。

「第一都市の担当はヴィル様ですよ。」

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