130.ブラック?
おうおうおう!
こちとら本日の仕事は木こりやで!
お子さん達(たぶん貴族)と。
法規関連写本して理解した。貴族の子供でも平民と比べれば天と地ほどの権力さが有る。近づかんとこ。
魔法で木を切り倒せってさ。1日ノルマ20本。
そう言われたから身体強化でノコギリ持ってめっちゃ木を切り倒してたんだがフェイ様に頭はたかれてノーカウントだってさ!
通りでお子さん達が引いてた訳だわ。
木こりイエェェェ!とか言いながら鋸と斧を駆使して身体強化で20本切り倒してドヤ顔かましてましたわw
訓練だってさ。放出魔法で切り倒すんだと。ならばと魔術使った瞬間また頭をはたかれた。
「お主は何故指示を曲解して楽な方に逃げようとするのでござるか?」
また怒られたおwおっさん年だからさあ。疲れんの嫌なんよね。訓練なんてこの歳で始めるもんじゃねえよ。
「はあ~。せめて風魔法なり火魔法なりで木に傷つけるところから始めてほしかったんでござるが。あの子達の様になあ、、、」
「そう言われても。あの結果見て同じ事しても、、、」
チラリと視線を子供達に向ける。子供達が放った魔法の結果の木の状況。火魔法の結果。焦げ跡つく。風魔法の結果チビチビと傷付けるだけ。水も濡れるだけ。土はちょっとした傷が付く。
やる意味あんのって感じ。1日20本なんて無理じゃん。手持ちの手段を縛って禁止なんてブラックじゃん。こちとら火魔法なんてろうそくの火位のサイズを出すのでやっとなんだぞ!
「魔法放出継続時間はどうでござるか?1時間程度は保つようになったと言っていたではないか。ここにいるものは基本継続時間30分を越えた者でござる。」
ん?継続時間。なんか引っかかるな。継続して魔法を放出し続ける。ろうそくの火で木を炙り続けたら木が倒れるか?1時間で?
30分でってのが気になる。つまり30分魔法を継続して放出出来れば木は切り倒せるということだ。
思い出せ。地獄の写本の日々を!
手書きでセコセコ書き綴ったブラックな日々を!
思い出せん!
たしか初級とか炎弾で。いわゆるファイヤーボールな訳だろ?んでワイは生活魔法レベルw無理やんw
違うな。それならこんな無茶言われんし30分とか言わないはず。
領主様との会話も思い出すんだ。キンさんとかフェイ様とかの会話も。
開拓時にフェイ様達が森林伐採に突っ込まれた。それは貴族子弟が元々中級レベルの魔法発動が可能だったからと言ってたな。
本当にそうか?結局初っ端から出来た訳じゃない。だが1本2本で魔力が尽きた。フェイ様は1日20本をより早く達成出来たから好きに出来る時間が出来たと言っていたな。
そうだ。今いる上層部はみんなそうだと。キンさん達は結局身体強化をより強力に出来たから伐採スピードが上がったと言っていた。ってことは最初にワイがやった事はキンさん達方面の考えなんだ。
でフェイ様はそっちではないと言っている。つまり開拓初期の方向性だ。
ロイ様がこの時指導をしたと言っていた。指導内容は魔力を集めよ。圧縮せよ。一気に解き放て。って事らしい。
できるか~い。こちとらろうそくの火をその場に止めるだけでもキツイってのに!
「わかったでござるか?つまり力のゴリ押しでござる。」
フェイ様の説教メンドクサとか思って聞き流しすぎた。いつの間にか子供達が集まって説明を聞いていたらしい。
子供って素直やね~。目をキラキラさせて、、、一発で木を切り倒していく。
ふぁあああ!?
なんで?考察から一気に回答導き出してワイがドヤ顔でこうですかね?ってのがセオリーちゃうんかい!
オーディエンス諸君。ざまあ言わない。
動き出さないワイに見かねたのか、一つため息をつくとフェイ様が手とり足取り教えてくれるようだ。
ワイの背後から両手を取り魔力操作の補助をしてくれながら教えてくれる。
ワイの後ろからやで?BL展開ちゃうっちゅうねん!あ、やべいい匂いだおw違う!ワイはノーマル!女の子が好き!女の子が好き!
「女の子が好きなんだ!」
「ふざけるのもいい加減にしろよ?俺が怒らん内に。」
耳元で囁かれるフェイ様の冷たいお言葉。震えますお。
「まず出来ない者は魔力による膜の形成を作り出す。強度は注ぎ込まれた魔力量に比例する。」
へいへ~いっと魔力のシャボン玉作りますおw火をつけるよりだいぶ楽だおw魔力変換の手間ないからね。
「次に膜内部に火を灯す。中心座標を間違えるなよ。で火側にある程度の魔力を一気に注ぎ込む。まあ風魔法でも良いのだが。そして次に膜に魔力を注ぎ込み一気に火を圧縮する。固く押し込める想像でござる。」
そんな次々言わんでください。一応出来たけど。
「出来たら指向性。この場合木という攻撃対象でござるな。それに向かって魔法を送り込むのでござる。」
うそくさ~。疲れるだけやん。やったけどさ。うん。
ワイのロウソクから炎へ進化した炎を魔力膜で圧縮して木に向かって飛ばす。
圧倒的だった。圧倒的に威力が上がって一発で根本が焼け焦げて木が倒れた。
「手順は間違っていたがお主ならそういう事だろう。魔力膜使わずとも炎までたどり着いたな。」
炎までたどり着いた。あんなんロウソクに魔力無理やりぶっこんで火の形を保とうとしただけやで?あれで炎になるんや。
「魔力を練る。魔力を貯める。と言われる行為なのだが。単純に自分が発現させた魔法に追加で魔力をねじ込む。それがゴリ押しの正体でござる。」
他人の発動させた魔法には干渉出来ない。せいぜい事象に干渉する程度って書いてあったな。あれ?たしかに自分の魔法に干渉出来ないなんて書いてなかった。
なら発動後の火にガンガン薪を焚べるのが魔法維持。可燃性エネルギーをぶっ込むのが出力上昇に繋がると。
要はあれだろ?ロウソクの火に酸素供給するみたいなイメージなんだろうなあ。たしかに本にそんな事書いてあったわ。
あれはなんだっけ。初級参考だっけか。
初級でも中級レベルの出力を出すことは可能。
その為に今自分が出来ることを全力で考え工夫する事。事と次第によっては道は切り開かれ中級へと至るであろう。
中級魔法。規模デカい炎。うんそれだけ。体内魔力がいっぱい有るヤツが出来る魔法や。
なら現状無理なわけやん?んで今回は初級魔法レベルの者を集めての訓練。
じゃあアレか?体外魔力を集めて補助させつつ放出しろって事じゃん?
待てよ、なら初っ端から気体に働きかける魔力をだな。水素を主軸にして酸素で補助。起爆を窒素と明確に意識して働きかければそんなに魔力消費使わなくて済むんじゃねえか?
威力重視ならそっちのが楽じゃん。倒せば良いんだもんね。
ハッハッハ!ちっちゃいクレーター出来たぜ!コレなら1日20本なんて楽勝だ!
ドヤッ!
親指を突き立てて振り返る。
振り返れば目を丸くして驚いている子供達。
あれえ?俺なんかやっちゃいましたw




