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124.魔道具作成解体新書

ゴリゴリと~。


あ、それはもうゴリゴリと~。


何してるって?


魔石砕いて粉末にしとるんだおw







本日のお仕事。写本ではなく肉体労働だお。


現在魔道具工房の中で働いております。


見習いみたいなもんかな。


魔石って不思議だよね~。空の魔石なら簡単に砕けるのにさ。普通の魔石ってガッチガチに硬いんだわ。


ほら戦闘とかで魔物の急所で魔石を砕くとかって話あるじゃん。うん、あれさあ。相当レベル高くないと無理な戦闘方法だと思うんだわ。


だってさあ。今こうやって魔石砕くんだけど。ゴブリンは鉄のハンマーでいけたんですよ。ただしコレが練習用。


オークの魔石。鉄のハンマーで砕けないんですよ。ああ、砕けねえんだよ!どうなってんだ!



ってわけで手とり足取り教わっております。


なんだろう。魔物の素材ってさ。実際意味あんの?とか価値が高いとか言われてもさあ。ピンとこなかった訳ですわ。


だってそうだろ?魔石は解る。魔物の牙を武器に加工。うん。まあ良い。肉?オークまでなら解る。トカゲとか美味いの?本当に?んで革。まあ、うん能力差で鉄の剣で切れない魔物とかいるからね。許容しようじゃないか。


で。強くなる程信じられないほど高額で取引される。


はあ?そんなん嘘ですやん!そんなん認められるならその素材で武器防具作って装備した強者で溢れかえってるわ!

ついでに加工できる職人が最強じゃんよ!


すぐに値崩れして冒険者に夢なんか無いわ!


なんだけど。うんまず素材。例えば骨。ゴブリンとオークの骨だそうだ。握る。魔力流す。


全然違う。なんつうのかな。ゴブリンは押し込めるんだけど垂れ流し。オークはより簡単に押し込めて若干留まる感じ。


逆に鉄の棒に魔力を流す。うん。凄まじい抵抗を感じる。助言としては膜を貼るイメージだと簡単に出来ると。

ほうほう。強度は増すと。物自体の強度は上がらず切れ味も上がらないからあまり使えないと。


まあ、確かに。この領の主力武器木槍だもんな。安い手軽便利軽い。イランわな。


で。魔石の砕き方。なんで砕けないか?それは魔力の集合体の殻だから。魔力=エネルギー=力。深海潜るじゃん?それってそれなりの強度無いとすぐにぺしゃんこなんよ。


せやなあ350ml缶に500mlぶっ込まれているとして缶の材質考えてみ。色々金属思いつくだろうけど厚さは?強度は?ってことよ。


んで原子レベルでそれが構成されていると。


なので魔石を加工する際の条件。身体強化と物質魔纏強化。構成魔石の上位の魔物の材質のハンマー使う。

それってどうやって判別したんやろって思ったら、壊れれば上位。壊れなければ下位だそうで。

一応現在までの一覧が魔道具作成中級書にはある程度載っているらしい。


ということで現在。オークの魔石をゴリゴリと。それはもう必死でゴリゴリやっとるわけですわ。






はいはい。次行くよ。粉末状にした魔石に黒炭の粉末、魔物の血液。若干の水。


で練ります。状態的にはトロットロかな。モッタリと言っても良いかな。


で?ええ。はあ。え?マジ!いや。いやいやいや。はあ?


、、、自分の血を入れてサラサラのインク状になるように魔力を込めながらかき混ぜると。


しかも魔力操作練度低いと失敗するってさ。魔力操作練度の差も元の魔物の強さに比例して難易度が上がるとよ。


つまり。今オークとワイの内に秘めたる能力差が試されるわけだ。


え?魔法液、魔力インク自体はそんなに難易度が高くないからオーク位なら誰でも出来るって?属性付きの魔物の魔石でよっぽど相性が悪いと失敗するくらいじゃないかって。


そこじゃねえ。プレッシャーがより酷くなった。誰でも簡単にが失敗したらワイ立ち直れへんで。ついでに痛いの嫌。ってかモッタリからサラサラってどんだけ血を入れんねん!


え?自分の魔力で操作して回路を組むんだから作り手の血を使うのが一番の近道って。死んだ魔物の血に生きている者の血が負けるわけないって。


なんでプレッシャー上げるんだよ!なんだよそのデカい針、、、やめろ!来るなああああああああ!






ひどい目にあったお。

太い針を刺されて血がピューピュー。血を見て倒れそうになるワイにもっと魔力を込めてかき混ぜろ!しっかり混ぜろ!倒れるんじゃねえ!魔力は均一に!一定の魔力で!とか散々に言われたお。


なんで自分の血が必要かってこういうことなんだなあ。


魔力の通った魔物の血は確かに媒体として優秀だが作り手の魔力に作用しにくい。イメージが伝わりにくいらしい。


そこで本人の血を使うことでイメージの伝達役として作り手のイメージ保管をするのだそうだ。


そういや、神代文字の省略も魔術だと出来たよね。イメージが大事ってこういうことなんやなあ。深淵にふれられそうでござる!


んで刻印を施すのは何でも良い。ただし発動する魔法と組み合わせを考える事っと。


刻印だからただ書いても良いが刻印の損傷摩耗等に気をつけるべし。


例えば今ワイがやってるように木の板に、こう、彫刻で彫って。魔力を流す。


うん燃えるね。ろうそくレベルだったのが炎になったお。そして親方にひっぱたかれたおw


せやな。天井近くまで燃え上がるとは思わなかったおw


普通木板なら水だろうが!って言われたけど。水だってインク落ちるじゃん。って言ったら。樹液ニス塗れって言われたおw


樹液ニス。なんか魔物の樹液と油とアルコールで作ったらしい。詳しくキボンヌって言ったら知らんって言われた。


しかし、説教回避誘導には成功したおw


で、次の段階。魔道具としての製品を目指す第一歩として。魔法陣の連結。回路の重要性。


連結は魔法陣同士を線で繋げる。順番も大事だお。水、火でお湯の魔道具とか。つなぐ線も大事。太すぎ細すぎは電線回路をイメージしてくれだお。

電線に高圧かけると焼き切れるだろ?そう。小学生の実験とかで豆電球が破裂するアレだ。


え?今どきそんな事しない?


んん!とにかくそういうことだお!


細かったり太かったり難しい。って難題をサラッと解決。それが領主様クオリテイ!


んなの線いっぱい引いとけば良いじゃん。溢れたら別線で放出とか。もしくは回路の一部を高耐性のミスリルとか高位魔物の素材に置き換えるとか。


よくそんな発想思いつくね。線太くするとか線を一定の太さで何本とか実験しまくるところだったわ。


つまりワイも近いことは考えていたんでござるよw







嘘じゃないよ。要は出力で線が焼き切れなきゃ良いんだろ?放出じゃなくてもいっぱい線が有れば流れるって思ったんだよ!実験したろか!



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