121.それもそうか
お子さん、、、
キンさんに子供
裏切ったな!ワイの純情ふみにじりやったな!
「大分晩婚故子供が出来るかと心配しておったようだが、良かったな。」
ありがとうございます。とキンさんがお礼を言いながら頭を下げている。
晩婚?そうかそういう時代なのか成人年齢が低けりゃ結婚も子作りも早いのが世界の常識なんだ
「キンさん。その、おめでとう。質問良い?」
キンさんとオレはほぼ同年代。
「ああ、構わないがなんか嫌な雰囲気だな。」
「奥さん何歳?」
「あん?確か22だったか。行き遅れだって付き合いたての時、彼女も焦ってたなあ。」
ほうほう。
「お子さん何歳?」
「5つになる娘だなあ。」
、、、死刑確定。いや、違う。そうじゃない。ってことはその歳で女性は行き遅れなんだ。時代、文化の違いか?
それよりもだ。キンさんで晩婚なんだろ?ワイどうなんの?職員さん可愛いとか遊んでる場合じゃなくねえか?
「キンさん。奥さんの未婚の友達紹介してくんね?」
コレ大事。いきなりその辺のきれいなねえちゃんに声かけて通報されたらたまったもんじゃない。
出会いは大事。奥さんの友達狙えば行き遅れで焦っているはずだからチャンスは有るはず。
「聞いてみても良いが。結婚狙いなら定職についてないと厳しいぞ?」
せやな、その通りだろう。未婚というワードで既に見破られたか。衣食住に金もいる。フラフラしてるやつと結婚なんてお断りだろう。
しかもワイ。現在の職業、、、生活保護者。ちゃうで?自分探しの為の入所者やで?
だから。働かない奴らとはちゃうねんで?っていっても入所者俺一人やけど。
いやいや、調査も仕事なんだから立派な職業だよね?
「ユウスケも結婚したいのだな。キンと歳が近いのであったな。で無職、いや、今は臨時調査員だから準公務員か。しかし臨時では相手が見つかるかどうか。領の女共は強いからな。ヒモという手も有るだろうが。」
恐る恐る領主様を見る。内容聞かれてたし!話割って入っちゃったし!どうしよう。普通にいるの忘れてたわ。頭下げとこっかな。怖いし。
「って、ヒモっすか?なんか男としてそれは情けないような。自分としてはちゃんと稼げるようになって相手と一緒に頑張れる家庭を築いていきたいです。」
「職業生活保護者ってw」
ブフッとメグミさんの一言でキンさんが吹き出した。ゴホゴホと体裁を整えているがしっかり聞こえたからな!覚えとけ。なんかで仕返ししてやる。
「そりゃないよメグミさん。最低一年って契約なんだから。定職つくには契約満期後だろ?結婚はその後じゃん。もうどうしろっての。」
「結婚前に結婚を前提としたお付き合いは必要よね。で?彼女いるの?」
、、、なんなのこの人。めっちゃ傷口抉ってくるおw喧嘩売ってんの?
スキル:刺突Lv1.省略【ヤッとく?】
そこで出て来ないで。あともう一回言っとくけどワイの努力を省略すな!
「彼女もいないのか。まずはそこからだな。そういえば裏技的になるが冒険者登録とか商人登録していれば一応職業として認められるぞ?」
さすが領主様。フォローがパないっす!
「冒険者登録してます!」
「で?ランクは?」
だからこのねえちゃん。ワイを殺りにキテるお。
「、、、鉄級見習い。」
ブフっと彼女が吹き出す。せやなあ。一回しか探査に行ってないし。クラスも何もあったもんじゃない。
「最下級なりたてか。厳しいな。冒険者の女性は付き合うのに最も難易度が低いと言われる女性達だが。彼女達は力こそ全て、ランクもしくは金といった雰囲気があるからな。」
冒険者の女性って難易度低いんだ。それすらあしらわれそうなワイってw
婚活前提であれば領主様の依頼断って冒険者生活を頑張っとけば何とかなったはずなのになあ。
領主様の依頼を断る?出来るわけがない。まだ首と体バイバイしたくないお。
「とりあえず婚活を目的とした入所って事で依頼をこなしてみれば?報告書もそれ目的って書いてみれば良いし。現状手探りの施設なんだから色々やってみれば良いじゃない。」
、、、お?お、おう?有りなのか?それって有りなのか?領主様もそれもそうだねって肯いているし。このねえちゃんやるやんけ!
「ワイ!婚活目的の施設利用者になりますお!」
高らかに宣言した。領主様がお?おって語尾何?みたいな顔をしているがそれはスルーしとこう。メグミさんめっちゃ睨んできてるし。
思えば遠くへ来たもんだ。
あれから数ヶ月。職員さんに冊子が渡り。彼女達の笑顔が凍りついた事件は置いておこう。
彼女達に声をかける。事務的対応になったのも許容しよう。
入ったお金で彼女達にせっせと貢物をしてみたが軽くあしらわれたことも許容しよう。
、、、でだ。現状何故か入所者が増えて彼女達に自分が声をかけられないのが現状だ。
はあ!?婚活目的で報告書提出しまっくってたらあっという間に入所者が増えた。
生活保護施設だろう?なんで婚活あいのり生活になってんだよ!
しかも、仕事斡旋の内容が変わって領主様直々の依頼に切り替わってあっちこっち飛ばされているのはなんでだ!
お陰で彼女達と殆ど話せなくなった。領主様優先だからな!でも、、、
なんでこうなった!?
色々やらせて報告を聞きたいのはわかる。自分も何がしたいのかわからないから色々やりたいって言ったのも間違いない。
で?なんで写本なんだよ!こっちの文字書けねえって!
ユニークスキル:言語理解【ヨンダ?】
:言語翻訳【ワイガムノウッテカ?】
ユニークスキル様。大変申し訳ないです。嘘です。書けます。
クソ!あのねえちゃんワイのスキル見破ってんのか?
ちまちま何度も読み返しては書き写す。誤字の確認、、、
目がしょぼしょぼしてくる。腱鞘炎になりそう。
写本なんて面倒くさい事この上ない。コレなら活版印刷開発していっぱい複製した方が早いだろ!
スキル:彫刻Lv1【頑張ってみるかい?】
そうだよなあ。そうくるよな!
前回の写本タイトル初級魔法入門編。現在の写本タイトル初級魔法応用編。
1冊1冊違う本の写本。1冊のために木板彫るかい?書いた方が楽じゃね?
って事でちまちまちまと。
気が狂いそう。
、、、で最後に筆者の名前っと。領主様やね。編纂者が違う人と。
しっかし。入門編も面白かったが応用編も面白いな。




