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117.電気の力

ハロハロみんな~。


ユウスケ・サタンマリアだよ~。


サタンですかって?


せやで!これからこの異世界に革新をもたらすユウスケやで!


現在豪邸にて歓待を受けております。


「茶菓子を(たか)るの間違いでしょう。」


メグミさん酷いお。







「まあ良いけど。お金貸しても良いわよ。投資はしない。蒸気機関の話からさも思いついたように見せてるけど。絶対先を見ていないと思う。」


「メグミ殿。蒸気機関とは何でござるか?」


「鍋を煮る時に湯気が出るでしょう?鍋に蓋をして水が沸騰すると蓋が持ち上げられてガタガタいうじゃない?それの事なんだけど。そうねえ。ああ、ロイ様が発明した真鍮製のヤカンあったでしょう?あれの注ぎ口から物凄い湯気が出るじゃない。そうやって湯気を集中させて水車みたいに歯車を回すような力を得る事。川の流れの代わりね。そういう仕組みをつかった機械の総称よ。」


く、詳しい。まあしかし。コイルで電気を得られれば色々と、、、アレ。最初はランプからだよなあ。ランプって確か。


「この町ポツポツと外灯あったよね?アレどうやって点いてんの?」


「魔道具よ。公務員が毎日外灯見回って動力部の魔石を入れ替えてんの。」


「はあ?魔道具あんならそれ使えば良いじゃん!」


えっと。魔道具はそんなに便利な物じゃないみたい。魔石の魔力も有限。電池みたいなもの。出力的に不可能じゃないけど凄まじい量の魔石がいる。この領の大量の魔石っだって銭湯の熱源を得るために大量に使われていると。一応薪と魔石のハイッブリット式。


ゴブリンの魔石とオークの魔石大したサイズじゃなかったけどランプは昔からある魔道具でそれに使える、だから魔石に買い取り価格がついたと。

他にも魔道具は色々有るらしいが高いし不要だから買ってないらしい。詳しくは何があるとは知らいないそうだ。


じゃあ便利じゃないとも言い切れないじゃん。


デカい魔石の使い道とかあるの?一応ミノタウロスクラスの魔石ならここの風呂の動力に使ってるって。風呂って。


この領内で建てられている家のほとんどの明かりの動力は魔石。非常用で蜜蝋の蝋燭。一軒家の魔石消費量が月5~20。何その差。

独身と既婚者の違いて。世知辛えなあ。


魔石に夢は無いんやろか。消耗品だもんなあ。


「え?魔石に他の価値?知らないわよ。私が知っているのは魔力操作の練度上げれば魔石から魔力回復が出来る位かしら。もっと練度上げれば魔石自体を使って自分の魔力代わりにしてそのまま魔法撃ったり出来るかもしれないって聞いた事あるけど。」


お、おう。無価値でもないんか?ってか領主様情報なんかな。


「魔道船とか、飛空艇とか有れば異世界にも夢があったのになあ。」


「魔道船ねえ。魔道具はロイ様の領分だからなあ。ああ、建設中の魔法学園の魔道具作成講師に何名か来てたからその人達の紹介ならできるけど。やってみる?魔道船。」


「ねえ、メグミ殿。その魔道船というのはどでかい魔道具の船って事かしら?魔石で動くみたいな。」

ミネーヴァ様が興味深そうに割って入ってくる。


「そうね。イメージとしてはそんな感じ。」


ミネーヴァ様がちょっと考えたそぶりを見せるとフェイ様に視線を向ける。

「造船中でござるな。なるほどアレが蒸気機関。しかし、帆船の補助動力位にしかならない動力であったような。いや、川は上れたでござるから良いのであろうか。」


沈黙が流れる。


「既に手を出してるじゃないか。俺マジで何やったら皆の力になれるん?」


「こ、心の問題よ!良いじゃない。皆の役に立ちたい。そう思う心が大事なのよ!」


綺麗に纏めて終わらんで欲しい。








、、、どうしてこうなった。



御飯奢ってあげる。夕食食べていきなよ。


キンさんもオレも断ろうとはしたんだ。


せっかくだから食べて行けと。


ご飯、生姜焼き、レバニラ、みそ汁、サラダ。普通だ。


うん、普通の食事さ。この長いテーブルは考えず。


オレ、キンさん、フェイ様


対面にメグミさん、ミネーヴァ様。二人の間に挟まって領主様。


んで、オレの目の前。領主様。


フェイ様この並びおかしくないの?上座の順番から考えるとおかしくは無いがキンさんは仕事的に人を守るため下座へ。

あれ?じゃあメグミさんが上座、その下に領主様、その下にミネーヴァ様って順番おかしくないの?


領主様が恋人に挟まれたいって事で問題ないらしい。


、、、気まずい。なんか食卓にいるのにオレが食卓の上にいるような。処刑台の一歩手前にいるようなそんな感覚。


「キン。久しぶりだな。こうして飯に付き合ってもらうのは。」


「は!隊長に任ぜられてからなかなか自由が利かず申し訳ございません。お呼びとあらばすぐに駆け付ける所存。」


「いい、いい。かたっ苦しくしなくて。俺とキンの仲じゃないか。この場には部下もいないんだから。」


はっはっは~。キンさん領主様に名前覚えられている。隊長とか結構偉い立場の人じゃねえの?やべえ。普通にコネ身近にいたわ。


そうじゃねえ。なんで一日でゴブリン倒してオークをソロ狩りして日本人に会ってトドメで領主様なんだよ!


ピンチフラグ乱立しすぎだろうオレ!今日が命日ってか!


「それで、視察帰りで疲れている時にフェイがねじ込んできた君。」


なんて事をしてくれたんだよフェイ様!普通にそこは順番待ってくれたって良いんだぜ!たかが二日じゃねえか!オレは悪くない!オレは悪くない!オレは悪くない!


「ゆ、ユウスケと申します。メグミ様の同郷に、なります?」


「良いわよ。私はさん付けで。別に貴族じゃないし。そしてなんで疑問形なのよ。」


「なるほど。して今日は何故ここに?」


知らねえよ!気付いたらいたんだよ。いや、会って何しようって事は無かった。あれ?あったような。そうだ、料理士!


「この領の為に自分が何が出来るかわからないんだって。悩んだ挙句私が同郷だと知って教えてほしいって事らしいのよ。」


「なるほど。それは素晴らしい。確かに同郷の者がいて生活圏を築いているなら助言は欲しいものだしな。」


そうっす。反論しない方が良い。料理士の件?そんな地雷発言するわけないお。ワイの危機感知アラームピーピーいってるおw


スキル:危機感知Lv1【いってないってw】


ええんや。ワイの心のサイレンが鳴り響いてるんや。


スキル:明鏡止水Lv1【まあまあ落ち着いて】


スキルさんありがとうな。でもこの場でこのスキルに魔力注いで気合入れたら取り押さえられるんとちゃうか?


スキル:刺突Lv1.省略【(´・ω・`)】


何故にこの場でこのスキルを選んだ!そしてワイの努力の結晶小数点以下省略すな!


「そうだなあ。ならメグたんが考えた生活保護の体験論文でも頼んでみたらどうだい?」


メグたんだってw笑いたいけど笑ったら首飛ぶんやろうなあ。


「それもそうね。怠け者に対する抑止力とか自分が何やりたいか自分探ししたそうな人の為とか色々考えたんだけど。それも本来の姿よね。」


ん?なんか今サラッとすごい事が決まりかけてないか?


「待機所なんてあんな劣悪環境で我慢できる位なんだから。保護宿泊施設の方が生活良いだろうし。普通速攻で職業選択の待機所に移るのに、まだ移民待機所の所に居座ってるんだもの。」


ん?( ,,`・ω・´)ンンン?ギギギっとキンさんの方を見る。

めっちゃ驚いた様子でワイを見てるお。

これキンさんがやらかしたんじゃなくてオレがやらかしたんか?


道理で役所行った人すぐにいなくなってく訳だ。


「知らなかったらしいな。」


「みたいね。普通居座るなら職業選択待機所の方なんだけど。」


「ま、紛らわしい、、、」


「すまん。オレももっと話を聞いてやるべきだった。」


案内してくれた日、あの一度しか迎えに来てもらってねえもんな。その後の酒場だって日を置いてさらに待ち合わせだった。移った後の待機所って判断するよな普通。







「やっちまったああああああ!」


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