114.よらば文殊の知恵
えっと。
三人寄らば文殊の知恵と申しましょうか。
現在、その、平伏中です。跪いております。文殊の知恵どころじゃなかった。
「それで困ってたのね。良いわよ。あんた運んであげなさい。」
愛人様だそうで。冒険者でこの領で彼女に物申せるものなど領主様だけだそうで。そんな彼女が自分のパーティーの一人に声をかける。
怖いんでキンさんに倣って跪いてだんまり中だおw
うん。異世界人。美人。巨乳。金髪。ただ、、、目が赤く偶に光るのが怖いんですけど。
公爵令嬢だってさ。公爵令嬢の愛人って意味不明だおw冒険者だってw可愛い女の子ばっかりのパーティー華やかだおw
その子達の誰一人として筋力で勝てない情けない男だって?そんなの草生えるにきまってるおw
もうね。情けない男決定。
え?女とコミュニケーションが取れないコミュ障童貞だって?その通りだおw風俗のお姉さん以外に相手にしてもらった事ないおwこっちでも既に行きましたが何か?
だってさあ。お金なら割り切れんじゃん?金払ったら払った分取り戻したいじゃん?色町あるなら行くじゃん。お金使うに決まってるじゃん?
貯める?貯めてるお。一週間に一回の贅沢だおwその為に酒も飲まずに頑張ってるんだから。
だからモテないって、、、余計なお世話だ!
脳内オーディエンスと会話しながら彼女達の後に続く。
偉い人、目を合わせぬが、吉となる。
なるか?なると良いなあ。こいうのって物語だと色々起こって
「ほう、ニホンとやらという聞いた事もない国からと、、、」
「はい。何でも森で迷子になったらいつの間にか領境の森に迷い込んでいたと。水晶でも嘘の形跡もなく。不思議な紙幣やら色々持っておりましたので。」
キンさんが受け答えしてくれている。オレ?声も掛かっていないのに話しかけたら死亡フラグ確定だおw黙っているのがき
「ニホンとは確かメグ殿の故郷の名であったような」
「本当ですか!会えますか!どうやったらはなし、痛だっ!」
頭を叩かれた。舌噛みそうになったお。キンさん酷いお。
、、、じゃねえ。危なかった。貴族令嬢様に触るところだった。
えっと。今ね。ふふふ。土下座すんなって言われてたけど土下座中。
スキル:礼儀作法Lv1【礼儀もなってないw】
スキルさんひどい!礼儀作法に魔力込めて気合入れて謝罪したのですがスキルに笑われた。
「キンさん気にするな。冒険者に礼儀なぞ求めても仕方なかろう?」
「はあ、付き合ってみて悪い男ではないのは判ったのですが。どうやら望郷の念がよほど強いらしく。ニホンという単語で突発的に動いてしまったのかと。彼の故郷には貴族制度が無かったらしく。申し訳ありません。」
男と付き合うとか無いからwって茶化したら首飛びそう。言ってみようかなwしかも望郷の念とか無いわw先達に色々教わっときたいのとあわよくば取り入ってみようかとか思ってる位で。それに料理士の件文句言ってやるんだおw
あと日本に貴族制度は無いけど正確にはあるけど自分には関係が無いが正解だおw
「して、まあ戻りながら話そうか。君も立つが良い。さほどかしこまらなくても良いさ。冒険者とはそんなものだ。」
「ありがとうございます。いやあ。本当にすみませんでしたね。」
キンさんが額に手をあてる。彼女も目を丸くする。
え?かしこまらなくても良いって言ったやん。調子に乗らなきゃ良いんでしょ?OKOK任せてくれ。
「変わり身の早い男だな。身分を知ってこれとは。本当に変な男だ。」
「いやあ。それほどでも。」
「お前は少し黙ってろ。」
キンさんに怒られた。
冒険者ギルド。
うん。よくよく見ると喫茶店。荒くれ者がってイメージあったんだけど。あの強面の連中も優雅にお茶飲んでやがる。
そして怖い顔のキンさんもお茶を飲んでる。似合わねえ。
対面には、、、公爵令嬢様お一人。
どうなってんの?
いや、オーク一体分は差し上げたので換金待ちは判る。自分らの分も換金待ちだからお茶してるのも分かる。
で、パーティーから離れて何故お嬢様が同席してるの。ホワイ?
んでもってキンさんと違ってティーカップを傾けるのが様になってる。背後にバラが見えそうだおw中身緑茶だけどw
「ユウスケと言ったな。ニホンとはどんな国なのだ?」
換金遅いなあ。
「おい、ミネーヴァ様が聞いておられるぞ。」
キンさんが肘でつついて教えてくれる。
「き、今日はお日柄も良く!」
やべえ。声裏返った。
「、、、ハハハハハ。変な男だ。今になって緊張しておるとは。してニホンとはどんな国なのだ?」
「え、えっと。日本がどんな国?えっとスマホが有って電車とか車で移動して、飛行機もか。食事はこの領で食べてる米?が主食で、いや最近だとパンも主食か。」
「食べ物はあまり変わらないのか。ふむ。スマホとやらは辞典みたいなものか?」
「ち、違います。実物は、、、リュックの中だ。えっと通信機能。遠い所と連絡ですね。が本当の目的なんですが。仮想空間、みたいな所に図書館みたいなのが有ってそれを調べる事が出来るので。辞典と言われればまあ辞典みたいなものかもです。」
彼女が鷹揚に頷く。あれ?なんか試されてる?コレ。
「辞典とは最近この領で初めて発刊されたものでな。色々な物が書き込まれている。メグ殿考案だ。知識を編纂し後世に残す。更新を繰り返しより良い物にしていくのだとか。そして彼女はスマホさえ有ればと言っていた。同郷で間違いなかろう。」
彼女がサッと右手を上げる。
ひ、ひぃぃぃ~!フェイ様登場やんけ!
「やあユウスケ。良い子にしていたでござるか?」




