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113.えっと集会?

「老人会?」


「そうだ。老人会。老人が老人会というクランを結成している。あくまで老人の集会。丁度いい組合が無かったから冒険者ギルドで立ち上げたらしい。主な活動は余生を会話して茶を飲んで寂しさを紛らわし。後輩(年下)が困っているなら冒険者として手を(物理的に)差し伸べる。構成員総勢200名を超え。平均年齢は65歳を超えているという。」


「その割にはギルドにじいさんばあさんいなかったような。」


「散歩だ。」


「散歩?」


「そうだ。散歩だ。健康の為の散歩と称する木槍やモーニングスターを杖代わりにした変な集団が森を闊歩している。しかもモーニングスターは見掛け倒しで実は自作暗器を主とする変な集団だ。木槍には麻酔液やら毒を仕込んであったり。モーニングスターにスイッチが付いていてそれを押すと鉄球だけが飛んでいく。別のスイッチを押すと高温度のチェーンウィップとなるなどと聞く。懐から取り出すは劇薬ばかり。袖の下には煙幕玉。装備に様々な改造を施したりしているらしい。なにより恐ろしいのは」



「恐ろしいのは?」


「奴らは疲れると笛を吹いて我らをおびき寄せてぎっくり腰と称して馬車代わりに我らを使うのだ!」


それは何とも言い難い。ぎっくり腰って他の人には判り辛いからなあ。見た目じゃないし。


「私が偶然ロイ様といた時に笛の音に気付いて奴らのもとに来てみれば。姿勢を正し。『なんとか出来ました。お騒がせして申し訳ございません。』だとよ!どこも腰なんざ曲がってねえわ!ピンピンしてたわ!騙されたわ!」


んと。領主様ね。色々聞く限り慈悲深そうやなあ。ツンデレ乙だけど。でもって領民にも領民なりのプライドがあると。領民の領主に対する思い。信頼。恩義。


「キンさん。例えば骨折してて激痛で動けないとする。」


「あん?なんだよ藪から棒に。骨折?痛えよな。速攻治癒魔法だわ。医務室かな。」


「領主様が一緒だったら?」


「そんなもん。お前、ぜってえバレねえように動いて見せるわ。あの方の心労の一端になるなんてまっぴらごめんだ。お優しい方だからな。名誉ある同行を他に譲れと言われるに違いない!」


「老人会も同じかもよ?領主様に報告がいかないギリギリを攻めてるんじゃないかな?なんつうの。領主様とそれ以外で分けているような。領主様が神でそれ以外は仲間みたいな。ん?領主様の部下が使徒?みたいな。」


「直属が使徒とすると報告がいく可能性があると。俺らじゃただの仲間だからなあ。なるほど納得って、そんなわけあるか!だいたいぎっくり腰ってのは振動くらうと痛いんだ。馬の振動に耐えれるわけなかろうが。」


「そういえば振動それなりにあったね。初めて乗せてもらったけど。連行とも言えるけど。正確には保護だよね?保護だよね?」


「どこに食いつくんだお前は。ああ、前歴か。問題ない。領民になった時点でお前は真っ新だ。一応報告書も保護扱いで処理されているからな。」


よっしゃ!前科つくと公務員への道が遠のくからな。別に公務員になる予定はないけど道はいっぱいあった方が良い。


だいぶ話の方向性が変わってしまったが本日の狩りは終了だ。だってもう持って帰れない。ファングを縛って草袋に入れて、、、クソ、重いな。


キンさんがオークを二体担いでいる。


ワイ貧弱過ぎw







「ん~む。困ったな。」

「何が、、、!!!ひぃ!」

目の前に現れたるは宿敵ゴブリン、、、ではなくオーク!待望の一匹バージョン!


「ユウスケ。お前がやれ。援護はしてやる。」


え?助け合いやろ?無理無理無理無理!


「単独にも慣れておけ。一応ボウガンでけん制だけはしてやる。当てはしないがな。」


スパルタ過ぎんよ!生き抜くためにはこういった経験も必要なんだろう。でも無理ゲーだろ!一日目でオーク単独撃破なんてこん棒でオークと戦うようなもんだろ。せめて鋼の剣は欲しい所だ。あと鋼の鎧と鋼の盾。


「まずはこちらに突っ込んでくる前にボウガン。次に木槍を突き立てる。でだ木槍は完全に突きこんでそのまま逃げる。逃げながら次の木槍を構える。逃げる方向は円を描くようにして逃げる。奴は馬鹿だから突き刺したら抜こうとするからな。それで円を描くように逃げる。拾う再び突き刺すって感じだ。一応最後の一本になったら浅く突き刺す戦法に変えるんだ。まあ十本全て使い切る前にオークは倒せるだろうがな。」


簡単に言ってくれる!キンさんはオーク二体をその辺に転がし木の上へ。


まずはボーガンを構えて、、、ひいぃぃ!オレが一人になったとたん雄たけびを上げやがった。チャンスだとでも思ってんだろうなあ。関係ないけど取り合えず矢を打ち込む。


悲鳴が上がる。突っ込んでくる姿勢だな。一応もう一丁。お、刺さった。痛そう、ンでこのまま腰にボウガンを戻して紐を引っ張り紐の端を反対側に引っ掛けながら背中に背負っていた槍筒の蓋をスライドさせてっと。突き立てていた槍を持ってと。ヘイカモン!


、、、戦いとは虚しいものだな。え?一方的にやりましたよ。言われた通り円形に逃げながら木槍を突きこむだけの簡単な作業です。ねらい目は顔へのフェイントでひるませる。そのまま腹に刺す。の繰り返し。最後にフェイントと見せかけてそのまま顔に突き立てたらお亡くなりになりました。


勝ったおw


本当にオークたん馬鹿だおw


突っ込んでくる。そのまま来るならやばかったけど木槍を構えたら一度止まるって馬鹿なの?一応キンさんの指示通り避ける準備はしてたのに。避けた時は反対周りに逃げるでOK!


木槍馬鹿にして悪かったお。よく考えたら剣道もやってない自分が接近戦とか無理じゃん。アウトレンジから突く叩く払うが出来るとか最強すぐるw


ヤバい!オレがオークをソロ狩りしちゃったw


「まあ、オークなんてこんなもんだ。だからといってだな一匹ならまだしも」


「複数はノーセンキュー!やるならたくさん人を誘うね。何より命あっての物種だしな。」


調子にのる?んな訳ないじゃん。そんな事より楽して利を得るのが一番。


「はあ、信じるわ。んで本当に困った事になったわけだ。」


「何がさ?」


「領法で狩猟した物は?」


「遭遇戦などのやむおえない場合以外は必ず持ち帰る。狩猟の際は荷車等を持ち込むか運び屋を手配の事!」


「というわけだ。遭遇戦と言いたいところだが。大人二人でオーク三匹にワイルドファング一匹だと持てる範囲とされてしまう。」


「、、、確かにそれは不味いね。でもオレ身体強化練度ってやつが低いし。それ言い訳に、ならないかなあなんて。」


「なるなら困ったりはしない。なるかもしれんが危ない橋はわたりたくない。三匹、、、イケるか?いってみるか?出来るか?この俺に。普段鍛えているんだ。これ位いきたいが。縛って一まとめにすれば?」


キンさんがぶつぶつ言い始めた。しかも手際よく首をもぎ取って吊るして血抜きを始めている。運搬スキルさえ有ればあるいは、、、


スキル:運搬Lv1【無駄だよ?力が足りないから身体強化しても無理】


スキルさんそんな御無体な。何とかなりません?


スキル:荷運びLv1【無駄無駄無駄無駄!】


クソゥ!あんだけ穴掘りやら石運び屋らでこの一か月鍛えたというのに!






「あら。キンさんじゃない。それと、、、?」


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