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111.スキルチート


「お~い。身体強化せ~い。んで木槍ぶっこめ。」


「むぅ~~~りぃ~~~~~~~~!!!!」



現在ゴブリンから逃走中。キンさんは木の上。危ないヤツなら援護するが浅層なら不要だろうなあって。


今!現状!危険中!なんですがね!


か、かんて~~~~い!


ゴブリン

HP50/50

状態 正常

力:強い【身体強化しなければ負けちゃうよ?】

体力:ちょい疲れ【このまま逃げ切ってみる?】

魔力:5【たかがゴブリンこんなもん】

精神:激昂【なんか怒らせた?】


スキル:無いねえ


、、、鑑定役立たねええええええええええ!!!


キンさんを見上げれば。ヤってやれのハンドサイン。クソが!思い出せ!図書館の理論書を!研究書を!


スキル:刺突Lv1【だから言ったのに。今回は大サービスだよ!】


うおりゃ!刺突Lv1!ゴブリンに10のダメージ(オレ的に多分)


スキル:刺突Lv1【スキルは魔力と気合だよ?後は慣れてね】


なら最初っから言ええええええええええええええ!!!


スキル:鑑定Lv1【戻しておいたよ。じゃあね!】


まことに申し訳なかったでござるうぅ~~~~~~!


スキル:刺突Lv1.001【だからおススメって言ったのに~】


スキル:刺突Lv1.001【ちなみに身体強化は体に魔力を纏わせる事だからw】


ありがとうございます!スキル様ありがとうございます!ってわけでくらえ!ッシャオラ!


追加じゃオラ!もう一丁止めのドッセイ!


オレのスキル、刺突さんが輝く!








所詮ゴブリン。俺の敵ではなかったな。



「久しぶりに見たぜ。ゴブリンと死闘を繰り広げるヤツ。」

キンさんが木から降りてくる。すっごい笑いをこらえてないかい?


「、、、助けてくれても良かったんじゃないの?」

ソロでゴブリンに復讐じゃあって意気込んだのはオレだけどさあ。


「はあ?かなり余裕そうだったから手を出さなかったんじゃないか。」


「え?そうなの?」


基本この領では多数で遠距離からのゴリ押し戦法が主流。

ソロ狩りもあるにはあるのだが。普通の初心者はチビッて動けなくなる。ボコボコにされて逃げ出す。ってのがセオリーらしい。



俺の場合。元気に返事はする。武器は握ったまま。一目散に逃げるならまだしもキンさんの周りをウロウロ逃げ回って擦り付けようとしていたと。


「え?オレ、もしかしてイケてる?」


「情けないのか、ゴブリンをおちょくっていたのかはわからんが。一人でゴブリンを倒したのは確かだな。ほれ、冒険者の仕事の続き、魔石の回収。」


うう、布を口元に巻いて。それでも臭い!解体ナイフを突き立てて掻っ捌く。小指程度の石を取り出す。


1コ300円。で、討伐証明の両耳。で、最後に油かけて予備の松明に火をつけて放り込んで焼いて終了と。その辺に薪とか有って追加するとなお良し。もしくは埋める。


方法が無い。数が多過ぎて困難な場合はギルドに報告。始末代が引かれるらしい。ただし。コロニーに繋がる報告だった場合は後日情報提供料が追加で貰えると。情報料は結構貰えるから差引するとそっちのが良いと。


上手く出来てるね。しかもバレたら罰金有りってなると報告しない方がアホやね。でも燃えて無くなる迄待つって時間の無駄じゃね?


え?表面焼け焦げてりゃ対策はしたとみなされるから後は放置で良いんだ。消し炭のゴブリンにたかるのは虫位だろって。確かに。


この天然ゴブリン?は討伐報酬と合計で一体千円程度になるらしい。が、ここでさらに領から奨励祝い金?手当みたいな感じで増加するらしい。





ゴブリンは地球でいうG並みの繁殖力が有る上に害しかない。肉が取れたり素材になるならそれで更に利益も見込めるが。ゴブリンにはそれが無いらしい。


一度肥料化しようとしたらしいがそれも効果が薄く。実験を諦めたわけではないがそこまで実験資料としての量も求められてもいない。


結果、ゴブリンは討伐対象としてはハズレとなったが。この領では領民冒険者に限り毎月討伐数を比率割りして賞金?が還付されているとの事。計算方法は討伐数かける幾ら、に討伐数比率で還元。みたいな。


場合によっては一攫千金もあり得るんじゃないかという噂だ。


キンさん曰く。嘘かと思うだろうけど、実際領民冒険者に後日ゴブリン奨励金が少額振り込まれる事実。ある子供グループが一月に奨励金を100万を稼いでいるという噂もあると。


G並みの繁殖力に人気のないモンスター。普通に考えると爆発的に増えてるはずなのに冒険物語ではそこまで見かけない。


子供サイズだとしてもそれなりに凶暴で人に襲い掛かってくる。拳で殴る。木の棒で殴ってくる。場合によっては武器を持っていたりする。更には噛みついてくる。


えっとG並みって一年で数百、、、倍々計算、、、凄まじい数になるんだが。何度もコロニーを発見しては潰しているらしいがイタチごっこっと。


脅威過ぎんだろゴブリン!


ゴブリンが雑魚なんて誰が決めた!


俺が勝手に思ってただけなんだけど。






ってか。他ってどうしてんだろ?何で思ったよりゴブリンって見かけないんだろう。


「俺達衛兵が定期巡回して駆除してるからな。他にも警備兵も領民も訓練と小遣い稼ぎついでで駆除したり。他領や他国は同じように冒険者に依頼したり兵隊が出張ったりだろ。この領じゃ子供の冒険者がゴブリン狩りに精を出しているからなあ。」


「はあ?そんなの大人の仕事だろ?危ないじゃないか。」


「ん?まあ常識的に言ったらそうなのかもな。だが、この領じゃ働いていれば領民扱い。仲間なんだよ。仲間に大人も子供もないだろう?」


「そりゃそうかもしれないけど。」


仕事に大人も子供もない。中世って世知辛いなあ。


ん?ここだけの話?親がいない子供達のグループ?戦法?集団戦だろ?え?マジ?えげつな!


ボウガンも木槍もだからあんなに安かったんだ。へえ。やべえそれで暗黙の了解でゴブリンに奨励金を。


確かにゴブリンは小さな魔石と耳だけの回収だから軽くて数稼げるよな。大人はなるべくゴブリンに手を出さない。コロニークラスを発見した時だけ大人が対処する。


だが余りに大人がゴブリン狩りをしていないと子供達にバレてしまう可能性もあるからたまに掠め取ると。

子供にもプライドが有るからって。自分達は税を納めているみんなと同じ領民だと胸が張れるようにってか。


すまん。おいちゃん泣けてきたお。






「まあ、そんなゴブリンとお前は死闘を繰り広げた訳だが。」


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