表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/150

108.優遇措置

痛ってえええええええ!


うん、痛い。地味に痛い。


血が垂り落ち出るまで指に針を刺すってこんなに痛いの?


なんで異世界物の人達平然と血を出せるの?


カードに血を垂らす。


対面にいる領主様もとい侯爵様?も俺の目の前で針に指を押し付けカードに血を垂らす。


マジかよ!表情一つ変えずに躊躇なく刺しやがった。異世界人ってこうなの?平気なの?痛くないの?


「ユウスケの名において、バーナ領に尽くし!バーナ領の為に働き!仲間と共に歩むことをここに誓う!」


「ロイナート・バーナはユウスケを領の仲間として認める!よく来てくれた仲間よ!」


練習通りに出来た。いや、練習しといて良かったよ。大物貴族相手に下手なこと出来ないし。不敬罪怖いし。


領主様に手を差し出されて握手する。爽やかイケメンだお。


笑顔が優しそうで、、、って握力強いな。

しかしこの人若くないか?先代亡くなったとかなんかな。







引き続きで圧迫面接中。


「この部屋に入るでござる。」


そう言って入れられた簡素な部屋であの場にいた護衛らしき人と面接中です。なんで護衛って判ったかって?


だってこの人絶えず目を赤く光らせて腰にある剣の柄に手を置いていたんだもん。


因みに案内してくれたあの貴族より間違いなく上位の人。だってあの案内してくれた貴族が別れるときにこの人に礼をして、自分の肩に手を置くと

「まあ、何をしたのか知らんが頑張んな。」

そう言って去っていったんだ。いきなり態度がフランクに変わっていて驚いたが。


ねえ、なんでイケメンって圧が強いんですかね。貴族様って圧が強いんですかね。


使用人らしきお嬢さんが自分と貴族様にお茶を出してくれる。およ?ティーカップは白磁やな。で、中身は緑茶?


ん?よく考えたら今座っているソファー。見た目は簡素だけど押し返している感覚があるって事はバネの原理もあるって事?





「某はフェルド・ハーナト、周りからはフェイと呼ばれているでござる。ふむ、何から話したら良い物か。ああ、決して間者の疑いとかの類ではないでござる。君達もこれから話す事は直ぐにはロイ様に伝えぬ事。良いでござるな?」


フェイが使用人たちが礼をしたのを確認する。ってかござる?ござる口調。侍か!ってツッコミたい。


「楽にしていい。お茶でも飲みながら少々な。確認でござる。お主はニホンから来た。間違いないでござるな?」


ドキッとする。ニホンという単語を明確に理解している。まさか転生者!?


「報告に有った見た事も聞いた事もない国からという事で、某がロイ様に頼み特例で領民認可を割り込ませてもらったでござる。所謂優遇措置をとったでござる。何故ならニホンという国を聞いた事が有るからでござる。」


「日本を知っているのですか!?どうやったら帰れますか!?」


「落ち着くでござる。先ずニホンから来たというのが嘘ではないという事は判っている。そして某の解釈ではおそらく転移というものなのだろう。帰る術は今のところ無いでござる。何故ならその者も現在ここに住み着いているからでござる。」


「その、その人に会って話はできますか?」


「会ったであろう?先ほど女性に。話は、、、今は止めた方が良い。理由はいくつか有るが彼女から接触があるまで待つと良いでござる。」


希望有!いきなり異世界来て詰むって事はこれで無い。無いよね?

どんな女性だったんだ?さっきの事なんか領主様プレッシャーで緊張して何も覚えてねえよ。

日本人なら黒髪黒目が特徴だろうし、、、いや?最近だと茶髪とか金髪って可能性もあるのか?

そもそも良い人なんかな。同情心にすがればあるいは。


「何故この話をしたのかと言えばでござるが、、、おそらく日本という国がこの世界よりも進んだ技術を持っているからでござる。」


彼がこの領の成り立ちを話してくれる。

はあ、はあ、なるほど。あ、お茶のお代わり良いっすか?茶菓子もください。え?図々しいなって。ダメっすか?え?良い?あざっす。聞いてますって。


「天才っすね。領主様。で、その彼女間違いなく日本人っす。」


「ふむ。確定でござるか。やはり、技術や知識的観点からお主を他領他国へ渡す訳にはいかんでござる。」


「ってか。内容聞いてましたけど。自分期待されるような技術力も知識もたぶん無いっすよ?色々仕事は転々としてきましたけど。よくよく考えたら機械とかも出来上がったものしか使った事ないし。料理だって材料あやふやだし。」




鑑定スキルさえ有れば知識チートいけたかもしれないけど。持ってねえもんはどうしようもないってな。


スキル:刺突Lv1【呼んだ?】


お?おう。なんかおかしいような。スキルってこんなんだっけ?


スキル:自爆Lv1【呼んだ?】


ふざけんな!どうなってやがる!鑑定だよ!俺が欲しいのは、か、ん、て、い!


スキル:艦艇Lv1【やんのかコラ?相手になってやんよw】


たいへん申し訳ございませんでしたスキル様。そこをなんとか御一つ、鑑定にしてくださいませんかねえ。


スキル:鑑定Lv1【というか本当にこれで大丈夫?後悔しない?】


ありがとうございますスキル様!よっしゃ!これで俺も勝つる!デュフフ。


「まあ、発想やら思いつきも有るでござる。その点で我らに協力してくれればという事を話しておきたかったでござる。」


「三食昼寝付きを所望するでござる!」

「お主いきなりぶっこんで来たでござるな。そして真似するなでござる。」


鑑定さえ有ればこっちのもんだおw

強気で交渉したるw

思わず顔がにやけてくる。


「ふむ。勘違いするなよ平民。お主がこちらにとって不安要素と判れば首を刎ねれば済む話でござる。役に立つかと思って」

「大変申し訳ございませんでした!」







即土下座!これ大事!身分社会、封建制度、カースト制やったわ。あぶねえええええ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ