106.そんなこんなで
はっはっは~大勝利!
「んで?他国から来たと。現在地との場所の関係が不明?徒歩だろ?ふざけてんのあんた?」
嘘です。
いや嘘でもないか。現在水と豆の入ったスープと硬いパン恵んでもらってます。
荷物?全部取り上げられて検閲中。ワイ取り調べの最中。
山賊やなくて衛兵さんやった。
右手で飯を。左手は、、、水晶の上。うん。全く反応しなくて相手困惑中。身分証って言われたから免許証見せてみたお。
相手が免許証の写真と俺見比べて目を丸くして二度見。文字読めなくて混乱中。水晶にかざすも無反応。テラワロス。
交番?詰め所?みたいなところに来るときに高さ10mはありそうな立派な石の外壁見たからマジ異世界だお。中世位なんかな。パン硬いし。
え?余裕そう?人間開き直り大事。飯食ったら元気出る。塩味だけのスープで具が豆ってだけでも。腹減ってりゃ美味いってもんよ。
「、、、魔法使えないんですわ。」
ちょっと言ってみる。怖い人の目が見開かれる。訪れる沈黙。
当たりだ。この水晶魔力に反応するんや。
「魔法が使えなくても体内の極小魔力位流せば感知するはずなんだが。やり方知らんのか?とりあえず魔力流してみろよ、、、やっぱり俺の魔力感知にも引っかかってるし、お前わざとか?」
あれ~。めっちゃ睨まれてる。でも魔力感知って事は。俺にも魔力あるって事やろ?
ん~。ここも正直にいってみよう。
「すいません。魔力の流し方がそもそもわからないんで。なんなら教えてくれません?」
怖い人もとい、衛兵さんがため息をつくと立ち上がりワイの後ろへ回り込み背中に手を当てる。
「目を瞑れ。んで深呼吸しろ。これから俺が魔力を流してみるからそれを感じてみろ。」
「え、まだパン食べきってない。」
「いいから目を瞑って深呼吸しろ!この物乞いが!」
怒られたお。
ちょっとそこの調書取ってるらしき人助けて、、、はい。言う通りにします。
ほうほう、わかります。なんか流れてくるのが。体内に似たようなやつを探す。ああ、これか。
、、、でこいつを動かすと。ふむふむ。こんなんで良いんかいのう。衛兵さんのに比べてなんていうか薄いんですがね。
お?水晶光ったお。
「、、、こいつ嘘は言ってないっぽい。マジかよ。」
ええ、大真面目です。おお、苦虫を噛み潰したような表情ってこういうのをいうんだ。
嘘ついてないし。犯罪歴もない。フハハハハハハ。ドヤッ!
「チッ。まあ良い。領内に入るには他国民なら大銀貨1枚だ。」
え?金とるの?こっち迷子よ?保護してよ。難民みたいなもんでしょ。
、、、ですよね~。不審者ですわな。無料で入れてくれるわけないよね。大銀貨ってどん位の価値よ。両替効くかな?
「えっと日本のお金しか持ってなくて、使えますかね?」
とりあえず財布からお金全部出してみる。
全て使えませんでした。
、、、というか全部持っていかれた。査定するとのこと。
待つこと10分位。
「ああ、あのままじゃ使えない。どの国の資料とも一致しなかった。申し訳ないが美術品、工芸品としてなら買い取れる。」
査定結果3万円が少金貨6枚。4千円が少金貨4枚。500円が中銀貨1枚。300円が少銀貨3枚。40円が小銅貨4枚。3円が小銀貨3枚。
、、、よくわからんがなんか錬金したっぽくないか?
「本当はこういう事は教えちゃいかんのだが、この領内じゃ硬貨はつり合いが悪い。紙幣にすると良い。」
って訳で二つ返事で紙幣でお願いする。約101万円だそうです。えっと円ですか。そうですか。
「1万円。差し引くぞ。」
お願いします。ってことは大銀貨1枚1万円。これって安いの高いの?ホテルっていくらよ。食費は?光熱費は?仕事ってあんの?身分証作るにはやっぱり冒険者になるのが手っ取り早いの?
「落ち着け。まあ、確かにこの身分証じゃ使えないなあ。身分証不所持だと捕まるしな。領民になれば身分証は発行されるし、住むところや仕事の斡旋もあるんだが。なにぶん今日は役所がやってない。宿泊施設はピンキリで1泊3千から20万位なら有るが。普通は1万位かな。1万未満は止めた方が良い。理由は予測つくだろ?」
ですよね~。ってか役所仕事しろ!お役所仕事!クソ喰らえじゃ!
「あのなあ、一応俺も役人でお役所仕事なんだが。」
大変申し訳ありませんでした。




