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適性

頭が頭がぁ…。


感染症にお気をつけください。

手洗いうがい忘れずに♪

  ある日の勉強中。


「ぼうずは魔法についてなにか知ってることはあるか?」


  ヒゲのおじさん、もといブラドさんが急に聞いてきた。


「えぇと、日常的な魔法は誰でも使うことが出来るけど、戦闘で使う魔法は適性があってそれによって使える魔法の種類や数が変わるんだよね」


「そうだ。万能型、特化型と大きく2つに分けることが出来るが特化型の中にも分類が沢山ある。」


「僕はどんな魔法が使えるかな」


「知りたいか?」


「うん!」


「実はな」


「なに?」


「魔法適性が分かる道具がこのギルドにはあるんだ」


「そうなの!?」


  どんな物かは分からないが高価なものだとは知っている為、ギルド支部にあるとは思わなかった。


「ある人が以前ギルド本部から持ってきてくれてな。普通は有り得ないんだが、まぁあの人の功績は普通じゃないからな」


  ブラドさんは少し遠くを見つめ、寂しそうにそれでいて楽しそうに話している。


「あの人って?」


  そう聞くと。


「ぼうずもいつか知る時が来るさ」


  そう言って、僕の頭を乱暴に撫でてくる。


「さ、ぼうずの魔法適性を見に行くか」


「いいの?」


「マスターの指示でな。まぁ、色々あるのさ」


「ふーん」


「さ、着いて来い。場所は備品庫の奥の部屋だ。」


「はーい」


  ブラドさんの後を置いていかれないように歩いていく。






「来たか」


  備品庫に着くと扉の前にギルドマスターが立っていた。


「待たせたか?」


「今来たとこだよ」


「はっ、女にも同じこと言ってんだろ」


「バレたか」


  立ち話をしていると備品庫の扉が開く。


「いつまで無駄話してるんですか?早くしてください」


  受付のお姉さんが怖い顔で2人を見る。


「あー、すまんすまん。つい、な。」


「ギルマスが女の話をしててな」


「おまっ、マジ、やめて」


「………」


  お姉さんの目が怖くなった。


「あ、あはは」


「…マスターはいつも」


「ん?なんか言ったか?」


「知りませんっ!さぁ、早く奥に来てください!」


  苦笑いのおじさん2人とお姉さんの背中を追って奥の扉に入る。


  明かりがついてまず目に付いたのが、部屋の中心にある台座。その上に置いてあるケースの中に指輪?らしき物が入っている。


「これが魔法適性を調べる道具だ。この指輪を小指に嵌めると上の宝石が適性魔法の色に光る。適性が分かればそれに合った指輪を1から作る事が出来るが、まずは嵌めてからだ」


  指輪の前まで歩き、ケースから指輪を取り出す。少し手が震える。


「気楽にやれよ。怖くねぇから」


  ブラドさんが声を掛けてくれる。


「…すーっ…ふーっ」


  気を落ち着けて小指に嵌める。


  指輪は指に合うように大きさを変える。宝石が光り出す。


「これは…黒…闇?」


  目に映るのは暗闇より暗い黒。闇と形容した方が正しいかもしれない。思わず吸い込まれそうになる。


  顔を近付けると指輪の中になにか…。


「ぼうず!」


  マスターの声にはっとして指輪から意識を外す。


「大丈夫か」


「はい…。すみません、あんまり綺麗だったから」


  僕がそう口に出すと皆の目付きが一瞬変わった気がしたが。あの指輪のせいだろう。


「…そうか。指輪はケースに戻しておいてくれ。」


  指から外すと指輪の大きさが元に戻る。傷つけないようにケースへ戻し皆の元へ戻る。


「今回は適性を調べるだけで、実際に自分の指輪を持てるのはギルドに入団してからだ。15になったら資格が得られるからそれまでは魔法の勉強をして貰うといい」


「おう、任せとけ」


  ブラドさんがドンと胸を叩く。


「ぼうずは疲れただろうから今日は家で休むといい」


「はい」


  少し頭がふらつく。ほんとに疲れてるみたいだ。


「マスターは仕事が山積みなので今日も残業です」


「えーと、明日に出来ない?」


「ダメです」


「はぁ…。マスターやめたい…」


  軽い談笑をした後、家路についた。





  夜間ギルドにて。


「あの光…どう思う」


「初めて見る光り方だった」


「おいおい、そんなに変だったのか?」


  ギルドマスターにブラド。ハゲのおじさん、もといアランが今日の出来事について話していた。


「あれは変…というより異質だ。あんな光り方はありえない。普通は1つの色が満遍なく光るはずだ」


「だが、今日のは違った。1つでは無い。厳密に言えば黒一色なんだが、濃度の違う黒が何重にも重なっていた。まさしく闇だ」


「…なにもなければいいがなぁ」


「親父さんにはどうする」


「あの人は一線を退いてる。息子の事とはいえあまり迷惑を掛けたくはない」


「そうだな。なにかあれば俺達が助ければいいしな」


「ああ、ぼうずには気づかれないようにな」


「もちろんだ。指輪に関する話は軽くするだけにしとく」


「頼んだぞ。」


「「おう!」」


  今日も夜は更けていく。


ここまで読んで頂きありがとうございます。

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