ギルド
設定を作るのって大変ですけど楽しいですね。
2話目です。キャラの性格が右往左往しております。
この世界には7つの国がある。中心にカラディスター帝国。それを囲むように5つの王国があり、少し離れた所に1つの皇国がある。
幼馴染が移住したのは帝国。貴族の数が多くあまりいい噂を聞かないが彼女の家は位が高かったからきっと大丈夫だろう。
僕が居るのは帝国の右下にあるボルケウス王国。その南地区。今日僕はある人に会いに行く。
人通りの多い道の真ん中にある建物。その扉の前に立つ。ここには何度も来たのに緊張してしまう。
「…よしっ」
思い切って扉を開けた。
「おっ、来たかぼうず」
そう声を掛けてくれたのはこのギルドのギルドマスター。
「親父さんから話は聞いてる。俺達がお前を鍛えてやる。だからお前は安心して強くなれ!」
ギルドマスターがニカッと笑うと周りの冒険者達もサムズアップして白い歯を見せてくる。
あまりの迫力に気押される。
深呼吸して、言葉を放つ。
「よろしくお願いします!」
僕は必ず、彼女を迎えに行くんだ。
あれから一週間が経った。
今日もギルドの冒険者達と模擬戦をしたり、冒険について教えてもらっている。
魔物と戦うのは冒険者資格を貰わないと駄目だから今は知識だけ。
「この植物はなんだ?」
無精髭の冒険者が1つの草を見せてくる。
「んー、やくそう」
「違う、これは毒やくそうだ。食べたら腹壊すぞ。」
そう言うとそれとよく似た草を出してくる。
「こっちがやくそうだ」
「見た目が同じで全然分かんないや」
「葉っぱの裏を見てみろ」
2つの草を手に取って見てみる。
「あっ!」
毒やくそうの裏側には紫色の模様が入っていた。
「分かったか?1つの方向じゃなく多方向から見て違いを見つけるんだ。これは魔物との戦いにも役立つから常に意識しとけよ」
「はい!」
ギルドに来てから毎日が勉強だけど、新しいことを覚えることが楽しくて苦にならない。
「おーいぼうず、今から模擬戦だ。木剣持って修練場に来い。」
頭を光らせながらガタイのいい冒険者が入ってきた。
「おうハゲ、優しくしてやれよ〜」
「誰がハゲだ、ヒゲ野郎。」
2人は軽口を叩きながら談笑している。その間に備品庫へ木剣を取ってくる為、ドアを開け廊下を走っていく。
「…どうだ、ぼうずは」
「飲み込みは早いし意欲もある。冒険者には向いてるな。剣の方はどうだ」
「まだ腕力はないが剣筋もいいし機転も利く、今の所はいい線いってるな」
「親父さんには世話になったからな。返せない恩はぼうずにやらねぇとな」
「だな」
ドアの向こうから足音が聞こえる。
「噂をすればだ」
勢いよくドアが開く。
「遅くなりました!」
「いくぞ!ぼうず!」
「はい!」
ここまで読んで頂きありがとうございます。
次話もよろしくお願いします。