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8. 地下2階層

昔、父親から世界の不思議な場所の話を聞いたことがある。ある場所では、誰もいないのに扉が勝手に閉まるんだとか、またある場所では、女の人の泣き声が聞こえるだとか。たしかにヤバい。ヤバすぎてその日の晩、若かりし頃の俺はトイレに行くことが出来ずおもらしをした。


だけど今考えると大したことないんじゃないかなんて思う。だって今俺がいるこの場所の方がヤバくない?

まず見た事もない生物がいる。さらにその生物はいくら倒してもいなくならない。1日50体以上倒す生活を1ヶ月続けてるんだぞ?ゴブリン1500体以上がここにいるとしたらヤバくない?

俺は20歳を超えた大人だから我慢できたけど20歳を超えてなかったら我慢出来なかった。

若かりし頃の俺はきっとおねしょだ。今頃びちょびちょだ。

他にもヤバいことがある。今さっき見つけたこの苔だ。



その時、そう!青ゴブを倒したあとだ。その場で少しだけ目を瞑っていた。戦いの興奮が冷めた頃、事件は起こった。痛すぎる。そりゃそうだよね?刃物でめっちゃ体を切られてるんだもんね。しかも大量に血を流してるの。立てるわけないの。だからシャクトリムシみたいにダンジョンを移動したわけよ。痛みと格闘して壁際まで来た時に気付いたの。うわ、苔だ。ってね。なーんとなく鑑定して見たね。するとこの苔〈薬苔〉って言うみたいね。効果は傷を癒すって書いてたの。

そんなの食べるしかないじゃん?ダンジョンの地面に這いつくばりながら食べたじゃん?これがもう驚くほど美味しいの!すごいよ!?なんだろうな、例えるなら象の足の裏の皮。わかる?そうそう!土!

もう一回鑑定を詳しくみると、調合素材みたいだったね!えへへ。でも体の傷がみるみる消えていったの。すごくない?まあそこそこな量の象の足の裏、もとい薬苔を食べたんだけどね!


まあまとめるとそんな不思議な場所がダンジョン!次は俺が父親に教えてあげたいな〜って気分っ!ありがとう!お相手は田中圭佑でした!



========================



薬苔の効果で傷が癒えた圭佑は青いゴブリンの持っていたショートソードを拾い、ダンジョンの出口を目指した。

その途中、レベルアップによりクラスの選択をすることが出来ると声がしたことを思い出す。

ステータスを開き、クラスに意識を持っていくことで選択肢が表示される。


現在選択できる職業はこちらです。

[剣士][魔法使い][盗賊][武闘家]


「まあこの中なら剣士かな〜。」

あまり考えず[剣士]を選択する。

すると、


《[剣士]になりました。》《EXスキル【剣術:廻】により、[廻剣士]へと派生しました。》《スキル【動体視力】を取得しました。》


と声が聞こえた。

「[廻剣士]?」

ステータスを開きクラスを鑑定する。


[廻剣士]

[剣士]より派生したレアクラス。攻撃を受け流し、その勢いを相手へと返すカウンター攻撃を得意とする。ATK AGIに補正

TEC値の上昇を早める。


(カウンター型の剣士か…ステータスの変化は…)

圭祐はステータスを開く。


田中圭祐 クラス 〔廻剣士〕♂

 Lv 10


 〔ステータス〕


 HP 50/61MP 10/55

 ATK 40+11 DEF 34+4

 AGI 57 MAG 33


 TEC 19


 所持スキル

 〔EXスキル〕

【スキルポイント】(-)【略奪の魔眼】(Lv6)【剣術:廻】(Lv1)

〔Evoスキル〕

【詳細鑑定】(Lv1)

 〔Nスキル〕

【分身】(Lv8)【身体強化】(Lv5)【火魔法】(Lv3)【反射神経】(Lv1)【動体視力】(Lv1)



(AGIの伸びがATKに比べて大きいな。)

試しに走ってみると急激なステータスの上昇に思考が追い付かず壁にぶつかりそうになる。

(おっと…。かなり早くなったな。まずはこの速度に慣れないと…。)

そう考えた圭祐は、ストップアンドランを繰り返しダンジョン出口へ向かうのであった。



…………………………………



ネットで購入したプロテクターと青いゴブリンと戦った時に必要とら学んだ予備のサバイバルナイフを装備し、5日振りにダンジョンへと潜る。

ネットで購入した装備が届くまでの間はゴブリンとの戦いで負ったダメージの回復期間とした。

とは言っても、ジッとしてはいられず青いゴブリンを想定したイメージトレーニングとショートソードの素振りを行なった結果TEC値は25まで上昇した。

地下2階層へ向かう途中ゴブリンと何度か遭遇するも、ステータスが上昇した圭祐の敵ではなく、スキルを使うまでもなく瞬殺であった。


記憶通りの場所に階段があることに安心し、階段を降る。

降り立った地下2階層は、1階層と同じ作りの迷路状の洞窟であった。

集中して探索していると、物音が聞こえたため陰に隠れ【略奪の魔眼】を発動し、さらに鑑定を掛ける。


〔コボルト Lv2〕rank G

 HP 18/18 MP 0/0

 ATK 11 DEF 7

 AGI 13 MAG 0

 所持スキル なし

 スキルポイント 残3

 弱点属性 火


 120cm程度の大きさの犬型のモンスター。嗅覚が鋭く匂いで獲物を探す。ダンジョンでは最弱のモンスターのうちのひとつ。


(コボルトか…。ステータスも低い…。やっぱりあの青いゴブリンが特別なだけだったのか…?)


周りの匂いをすんすん嗅ぐコボルト。

匂いで圭祐の存在を感知し、「ワン」と吠え圭祐に向かって近付く。

圭祐は堂々と姿を現し、そして腰を落とし一気にコボルトへと接近する。

突然現れた圭祐へ威嚇行動を示すも、コボルトの前へ到達した圭祐はショートソードを振るいコボルトを両断する。


《スキルポイントを1獲得しました。》《コボルトを討伐しました。》

「この階にもっと強いやついないのか…?」

一瞬でコボルトを討伐した圭祐は退屈そうにそう呟いた。

もしよろしければ……

お手隙でありましたら……評価頂けると……おねしょの極みであります……

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