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7. 激闘

因縁の青いゴブリンと対峙する圭祐。

先に動きを見せたのは圭祐であった。

「【分身】【略奪の魔眼】!」

まずは様子見で、分身を突撃させる。

分身はゴブリンへと突撃、さらに間合い直前に一瞬スピードを落とすフェイクをかける。そこから腰を落とし一気にゴブリンへ肉薄し、ナタを振り下ろす。ゴブリンはフェイクに掛かり体勢を崩す。しかしその状態から分身の攻撃を受け止め、さらに攻撃を弾き返す。


《スキルポイントを2獲得しました。》


略奪のログを聞き流し、圭祐自身もゴブリンに接近する。

(【身体強化】!これでどうだっ!!)


【身体強化】を使用し、ステータスを上昇させた圭祐も体勢を直しきれていないゴブリンへと攻撃を繰り出す。

しかしゴブリンはその攻撃もサイドステップで躱し、圭祐へ攻撃しようとする。

しかし、そこまで読んでいた圭祐は、こちらへ接近しようとするゴブリンへ【ファイアアロー】を使用する。

流石に躱すことが出来なかったゴブリンへ火の矢が直撃し、燃え上がる。

そこへさらに分身で攻撃を加えようとする圭祐だったが、体勢を整えたゴブリンの横薙ぎに巻き込まれた分身は壁際まで吹き飛ばされそのまま消滅した。


「1撃っ…!マジかよ…!」

自身の分身が一撃で消滅させられた圭祐はそれを見て満足気に笑う。

「いいねっ!そうでないと!!…俺を2回も殺してんだっ…そう簡単にくたばってくれるなよ…?」

再び腰を落としナタとサバイバルナイフを構える圭祐。対するゴブリンも自身を焼く火を払いショートソードを構える。

【鑑定】を掛けると今の攻撃でゴブリンのHPは15削ることが出来ていた。



両者とも目を離さず、お互いの動きを観察し合う。

次に動きを見せたのはゴブリンだった。

突撃してきたゴブリンは圭祐に対してショートソードを薙ぐ。

それを軽く受け流した圭祐が反撃に出ようとするが、ゴブリンは腰を落とし体当たりを繰り出す。

驚く圭祐だったが、ギリギリで体当たりを躱し、躱しざまにサバイバルナイフを振るう。ゴブリンの皮膚を浅く切りつける事ができたが、リーチが足りず軽いダメージしか与えられなかった。

そこへ体勢を再び整えたゴブリンがショートソードを振るう、なんとかナタで受け止めることが出来た圭祐だが、体勢を崩してしまう。その隙を見逃してくれないゴブリンはショートソードの連撃を繰り出す。

あまりのスピードに攻撃を流しきれない圭祐は少しずつ後退し、ダンジョンの壁へと近付く。

そして遂にゴブリンのショートソードが圭祐の身体を捉え、腹部にショートソードでの攻撃を受けてしまう。

咄嗟にファイアボールをゴブリンへ放ち距離を開け体勢を整える。


(いってぇ……まずいな…一撃くらってしまったか…)

息を整える圭祐は、冷静に相手を観察する。

(スキル【剣術】の影響か、武器同士で戦おうとするとどうしても後手に回ってしまう…。)

初めに当てた攻撃の影響を見せないゴブリンの攻撃に対応を考える。

現在のお互いのHP残量は、圭祐が25/51に対してゴブリンは45/69となっている。このまま戦ってもジリ貧となり圭祐がまた負けてしまう。

(仕方ない…ここは一か八か、勝負に掛けるしかないか…。)


ふぅ…と息を吐き集中力を高める。

(相手の一挙手一投足を見極めろ…。そして相手の動きを予測しろ…。)

腰を落とし一気にゴブリンへと接近する。ゴブリンもそんな圭祐を、迎え撃つ。

ゴブリン接近した圭祐にショートソードの連撃を再び繰り出す。圭祐はその連撃を紙一重で躱し、時に手に持つ武器で受け流す。

(まだ耐えろ……焦るな……隙を…見つけろッ…!)

ゴブリンの連撃をひたすら躱し、受け流す圭祐。そしてゴブリンの大振りの攻撃をなんとかサバイバルナイフで受け流す。

(今だッッ!!!!)

「【ファイアウェーブ】!!」

ショートソードを振り終え、一瞬隙を見せたゴブリンを火の波が襲う。ゴブリンへダメージを与えるもしかし、大きな隙をみせない。それでもそのゴブリンへ斬り掛かる。ゴブリンはショートソードを構え圭祐を迎え撃つ。

ゴブリンへ斬り掛かるその直前、目の前へ分身を出す。

斬り掛かろうとする分身を咄嗟に切り上げ、がら空きとなったゴブリンの胴体に圭祐は渾身の一撃を繰り出す。

「【ファイアソード】ッ!!いけぇッ!」

ゴブリンの胴体を深く斬りつける圭祐。しかし、胴体の半ばでゴブリン狩りにて酷使し続けたナタがポッキリと折れてしまう。

「なっ!」

その隙を見逃すまいとショートソードを振り下ろすゴブリン。圭祐はとっさにナタから手を離しサバイバルナイフを両手に持ちゴブリンの胸へと突き刺し、押し込む。

「アアアアアアァァッッッ!!」

ゴブリンの振り下ろしたショートソードは、密着した圭祐の肩を切りつけたが、しかしあまりに近距離過ぎたため充分な力が入らず途中で止まる。

圭祐はそのままゴブリンを押し倒し胸深くへとサバイバルナイフを刺し込んだ。


しばらく抵抗を見せたゴブリン。しかし、動きが小さくなる。そして遂に。


《ゴブリン(ユニーク)を討伐しました。》《レベルアップ!Lv10になりました。》《ユニーク個体を討伐しました。》《ユニーク個体が初めて討伐されました。》《初ユニーク討伐報酬。EXスキル【剣術:廻】を取得しました。》《ユニーク討伐報酬。Nスキル【反射神経】を取得しました。》《おめでとうございます!Lv10になりましたのでクラスを選択出来ます。》


ログを聞き流しダンジョンの床に倒れる圭祐。

「はあっ…はあっ……はぁ…ははは。はははははっ!」

息を切らし床に大の字に寝転ぶ圭祐は、ゴブリンとの戦いを思い出す。床に落ちているナタの持ち手は血で黒ずんでいた。

「はあ……もう少しまともな武器、用意しとくべきだったな…。」

ステータスを確認するとHPの残量は残り11となっていた。それを見て圭祐は思っていたより余裕あったなと笑う。



数分し、息が整った圭祐は、ステータスを確認する。


 田中圭祐 クラス 〔ヒューマン〕(変更可)♂

 Lv 10


 〔ステータス〕


 HP 11/61MP 2/55

 ATK 35+3 DEF 34+4

 AGI 37 MAG 33


 TEC 19


 所持スキル

 〔EXスキル〕

【スキルポイント】(-)【略奪の魔眼】(Lv6)【剣術:廻】(Lv1)

〔Evoスキル〕

【詳細鑑定】(Lv1)

 〔Nスキル〕

【分身】(Lv8)【身体強化】(Lv5)【火魔法】(Lv3)【反射神経】(Lv1)



クラスか…また新しい機能が出てきたよ…後で考えよう……そう考える圭祐はその場で目を瞑り、ダメージを癒すのであった。


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