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昇格試験

日曜日、圭祐は再びダンジョン・シーカー協会へとやってきた。

今日来たのはシルバーへの昇格試験の為である。


この数日は一新した防具を試すためダンジョンへ潜っていたが、すごい。防具スゴすぎる。

篭手のお陰で滑らず、今までよりも強く小太刀を握り込めることで威力が格段に上昇した。

さらにブーツは店員が言っていた通り、地面を強く掴むことができる為、スピードが大きく上昇した。

そして、篭手の握り込みと足の踏ん張りが効くことで【剣術 : 廻】の性能が格段に上がった。

そのおかげで狩りのペースが上がり、レベルが上がる。

正のループにハマり狩りが楽しくなってきたことで魔石の数はまた1000個近くなっていた。


…………………………


昇格試験の受付を済ませ、待機場所に向かうと既に30人程の人がいた。

知ってる人いるかなーと探そうとすると、後ろから声を掛けられた。


「あっ!圭祐くん!」

「おー!遠藤のおじさん!」

「久しぶりだね、順調にいってるんだね。」

「おじさんこそ。ブロンズ1級になったんだ!」

「あはは、そうだね。」


話を聞くと、おじさんはパーティに入ってダンジョンを探索しているらしい。

それでブロンズの1級まで辿り着いたという。


「圭祐くんはどこのパーティに所属しているの?」

「してないよ。ソロ。」

「ソロで1級まで来たのかい!?無茶するなあ…」

「全然余裕だよ!」

「まあ、実際ここに来てるわけだしねえ…まあ今日はお互い頑張ろうね!」

「うん!」


そう言って離れる。

他に知り合いはいないもんかと探すと、意外な人物を発見し、声を掛ける。


「優奈!」

「えっ!圭祐!!」


優奈は振り返り圭祐を見ると涙ぐみ駆け寄ってきた。


「圭祐のお陰で戦えるようになってね!だからずっともう一度お礼を言いたくてずっと探してたのにいないんだもん!」

「家のダンジョン潜ってるって話したじゃん。」

「それでも普通協会にはくるでしょ!装備整えたり!」

「ま、まあな」

「でも元気そうで安心した!装備も強そうになってるじゃん!」

「優奈こそ!」


そう話す優奈は前見た初心者用のレザーアーマーではなく、魔法使いらしいローブを羽織っていた。

その後も優奈は心配していたと話し続ける。圭祐はそんな優奈の話を相変わらずお姉ちゃん振るなあと聞き流す。


「あ、ねえ!そうだ!わたしを鑑定してみて?もう圭祐より強くなっちゃったかもしれないよ!」


突然そう言い出した優奈を鑑定する。


 大野 優奈 〔魔導師〕♀

 Lv 22


 〔ステータス〕


 HP 98/98 MP 0/0

 ATK 23 DEF 25

 AGI 32 MAG 710


 所持スキル

 〔ユニークスキル〕

【魔導】

  〔EXスキル〕

【高魔力体質】【魔素感知】

 〔Nスキル〕

【杖術】【魔力増強】【気配感知】【度胸】


(っっ!?ほんとこのMAG値狂ってるだろ!?)


驚く圭祐の顔を見て優奈は満足気な表情をする。


「ふふん、どう?わたしに守られたくなった?」

「あー、うーん、度胸付いたね。」

「そこかよっ!」


なんとか冷静を取り戻した圭祐は適当に褒めるが、内心では焦りが顔を見せる。


(これは、俺負けるんじゃないか…いや勝ち負けじゃないんだけど、立場がなあ…。)


「圭祐は〜?」

「もうやばいぞ、平気で空とか飛ぶし、なんなら口からビーム出る!」

「圭祐人間やめたの!?」


そんな話をしていると担当の職員が到着する。


「お待たせ致しました。それではこれよりシルバー昇格試験の説明をさせて頂きます。」


試験の内容は近くに新しくできたダンジョンを即席のパーティーを組んでの探索とのこと。

この試験では情報のないダンジョンを探索することとなるため、即席のパーティーとの連携を大切にすることが鍵となるそうだ。

日頃から一人で情報のないダンジョンを探索する圭佑にはよくわからないが、普通は情報を集め、慣れ親しんだパーティーで役割を分けて探索を進めるためほかの者たちの目には緊張が浮かんでいる。


パーティーは協会職員によってバランス良く3人ずつに分けられた。

そのパーティーを見て圭佑は驚く。


「優奈とおじさんじゃん!」

「あっ圭祐!圭祐のこと早速守ってあげるからね!」

「あれ、圭祐くん一緒になったね!その女の子は圭祐くんの知り合いかい?」

「まさかの知り合いパーティになったな、これは合格間違いなしだ。」


まさかの知り合いに喜ぶ3人。

圭祐は、この有利なチーム分けに合格を確信したのであった。

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