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霧中のゴリラに手向けの花を。  作者: 津田渦耶
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理解させない。させてはならない。

挑むな危険

私は警告したぞ。

物語の始まりはいつだって唐突だ。


それは仕方のないことでもある。

なぜなら、何かが起こらなければそれは物語とはいえないからだ。読者は何も待ってはくれないからだ。

たとえ”形”に歯向かって足掻いたとて、面白い作品ができることはないだろう。日常系だの、ゆるふわだの、そういったものにさえ「普通で、何も起こらない」という異常が起きている。


だからきっと、物語は一瞬を切り抜いて始まる。

それが青春なのか、死であるのか、生誕であるかはわからない。もしかすると、おじさんの語り出しで始まるのかも知れない。

だがいずれにせよ、きっとそれらの物語は、どれも簡単で、難しくて、歪で美しいのだろう。


だが、私は認めない。

認めないのだ。

私の物語の始まりが、こんな形であるなんていうのは、絶対に認めてやらないのである……!!




□吹き抜ける風


目を開けると、そこはゴリラ畑だった。


…よし、敢えてもう一度言おう。

目を開けると、そこはゴリラ畑だった。


何が起こっているか、さっぱりわからない。だが、そうとしか言えない。ゴリラ畑だ。ゴリラ畑なのだ。


ではまず想像していただこう。広い丘、花びらを目一杯広げる小さな花たち。ふわり風に舞う微かな甘い匂い。碧空に翳る雲はなく、きりっと陽光が遠く青い山まで照らす。


そしてゴリラだ。

筋骨隆々ッ!!それは本当に生き物なのか怪しいほどの筋肉の嵐ッ!それが連なっている…ゴリラゴリラゴリラ。なんだこれ。


これではとても花畑とは言えない。ゴリラ畑状態だ。甘い花の香りなんてものは獣のニオイでぶち壊しだ。嗚呼ジーザス…

まあ、畑と表現したが、彼らが栽培されているわけではなさそうだ。でしょうね。ちなみにゴリラの肉は食べられるらしい。聞いてない。


まったくもって意味がわからないだろう。私が言いたい。

これがいちJKに与えられた物語であるならば、神はきっとボールペンのキャップかなにだと思う。


さて、遅まきながら自己紹介をするとしよう。

それが私というキャストに与えられた、最初の使命だ。正しく言うならば、「突如ゴリラ畑に目覚めたがショック死してはならない」に次ぐ、2つ目の使命だと言えよう。話が逸れたな。


私の名前は詩織。女子高校生というやつである。

もうかわいい。

私は、作者とその友人による気の触れた出来心により、平穏な高校生活をいきなりゴリラ畑転生物語にすり替えられてしまった哀れな主人公である。茶色っぽい黒髪をショートにキメた、どこにでもいる高校生…の近くで笑ってそうな一般市民の娘あたりに位置する。


今、ゴリラはウホウホ言っていない。落ち着いている。落ち着いてゴリラ畑している。その近くで脳内自己紹介を繰り広げる私。

本当に何がしたかったんだ、友人S。SっていうかSaki。許さん。



それから、少しの間あたりを散策した。”目を開いた”時の前は、なだらかな下り坂、その遥か奥には連なる山脈。後ろにはいくらか花畑が続き、森になっている。あまりゴリラ畑は広くないようにみえ、変わらずゴリラは落ち着いているが、そろそろどうすればいいのか焦ってきてしまった。

森に入って民家を探してもいいが、遭難だったりなんだりで危険だろう。かと言って丘や平原の方に家はおろか柵の端っこもみえないので、前に歩くのも無駄足になりそうだ。

困った。

困ったときは寝転ぶといい。ばっちゃが言ってた。

うん。花のいい匂いが少し近づく。

日差しは暖かく、土は冷たい。ゴリラは邪魔だが、害にもならないしゴリラ畑でも花畑だ。

ま、眠たくなるよね。

とにかく、あとのことは後で考えればいい。私は結構ざっくりした性格なんだ。

目覚めると授業中だった、なんていうのがハッピーエンドだが…


とにかく、おかしくなった作者と友人が飽きて、さっさと現実世界に戻してくれることだけを祈るとしよう。

はじめまして、津田渦耶です。

なろうでは、意外と多くの素敵な恋愛モノや全く意味不明な謎作品が見つかります。

そしてこれは謎作品です。今のところ、読んでくださったあなたになにかを理解させるつもりは毛頭ありません。


これは、我が誇りある某友人MもといSもといSakiによる妙案のもと、作成することとなりました、ネットに残すタイプの黒歴史で御座います。どうなるのかはわかりません。うるせー知らねー。

そのうち終わりますので、早めに評価お願いします!

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