表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/69

【第三章】第二十九部分

「こんな時間に来て言うセリフじゃないわ。」

「ああ、そうかもな。でも亜里栖の方がスーパー生意気だよ。」

「亜里栖は、自分が特定人物に愛されていると主張しているわけだ。」

「へ、別にそんなこと、ひとことも言ってないわ。」

「じゃあ聞くが、亜里栖が今しようとしていることは、亜里栖が特定人物に愛されていることが前提だ。亜里栖のことを何とも思ってもいない人物、例えばそこの黒サングラスは亜里栖のことを好きではないから、亜里栖は今のミッションを気楽にクリアできるだろう。」

なぜか黒サングラスはもじもじした。

「ごほん。」

美散は黒サングラスを一瞥して咳払いをした。

「そうねえ。たしかに楽勝で心を決められるわねえ。」

「そこだよ。」

美散はビシッと指差し、ポーズを決めた。

「どこなの?」

キョロキョロする亜里栖の瞳はかわいい。

「変なツッコミをするな。せっかくのシリアスムードが台無しだ。だから、亜里栖は自分が愛されていないかもしれないという現実に向き合っていないんだ。」

「そ、それはたしかにそうかもしれないわね。直接本人に聞いたことなんかないし。」

亜里栖はチラッと秀太郎を見た。

秀太郎は血流が急増した顔を逸らすしかなかった。

「わかったな、亜里栖。だから、特定人物は現在フリーマーケットなんだよ。つまり自由競争!ハグ、ハグ、ハグ!」

美散といつきが同時に秀太郎に貼り付いた。

「ちょっとアタシの秀太郎に何するのよ!ムカムカムカムカ~!」

亜里栖が興奮した瞬間、美散が会長の顔を見た。

「今だ。会長。亜里栖に黄色い貯金箱を渡してくれる?」

亜里栖は黄色い貯金箱を受け取り、それに頬ずりした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ