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【第三章】第二十七部分

「お待ちなさい。これですべて解決したと思ってますの?」

「ニセ札も使い切れないほど浄化した。それで十分だろう。」

「これをごらんなさい。」

会長は黄色いネコ型貯金箱を手に持っている。今度は小型である。

「この中に、小銭1万MMが入っています。ワタクシが自販機のおつりを日頃からせっせと貯めた愛情たっぷりの魔力マネーを特別に硬貨に変えたものですわ。」

会長が貯金箱を振ると、中身がぎっしりと詰まっているせいか、ほとんど音がしない。

「一本木さん。これを手に持ってくださいまし。」

亜里栖は言われるがままに貯金箱を両手で握った。

「これでいいのかしら。」

「それでいいですわ。そのままの姿勢でいてくださいね。こんなことはしたくないんですけど。えいっ!」

「えっ!?」

会長は亜里栖を突き飛ばした。亜里栖の体は慣性の法則の赴くままに、体重移動して、秀太郎の胸に着地した。

「うっ。大丈夫か、亜里栖。」

両手で亜里栖を受け止めた態勢をキープしている秀太郎。

「・・・。なんともないわ。で、でもすでにこの態勢で1分は経過してるわ。そろそろ解放してもらわないと。」

「ご、ごめん。」

慌てて亜里栖から離れた秀太郎。

会長はふたりの茶番劇を見て、苦虫を噛み潰して、粉にして細胞壁を破壊しまくったような顔をした。

そして亜里栖から貯金箱を分捕り、揺すって見せた。カラカラという音が貯金箱の中で、泣くように響いた。

「これが答えですわ。中身は一枚を残して全滅しましたわ。」

秀太郎の顔から血の気が引いていった。

「毒を抜いても根本的な解決にはなっていないということか。」

「そういうことですわ。一本木さんにはもっと大きな決断をしてもらう、いや、絶対にしてもらわないといけないのですわ。」

「もっと大きな決断?アタシに死ねとでも言うの?そういうことなら、さっきまで自分を見失っていたから、授業は受けたつもりだけど。」

「失うものは自分ではありませんから、それよりは軽いものですわ。でもタダより高いものはない、軽いからこそ、重くもなり得ますけど。」


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