表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/69

【第三章】第十二部分

魔導中央銀行の金庫残高をパソコンで見て、溜め息をつく生徒会長。

「困りましたわ。このままでは、銀行の経営が傾いてしまいますわ。」

 眉間のシワが深くて、まだ女子高生なのに、シワが刻まれたままになるのではと心配になる。


「アタシの胸がアグレッシブになってきたのはいいことだけど、お父さんのことはビミョーなのよね。」

亜里栖は帰宅した時、父親は淡々と受け入れていた。

「ただいま。」

「お帰り。」

この会話だけで帰宅挨拶は完了し、以後は今までとなんら変わりない状態が続いていた。

亜里栖は余計な心配を父親に与えたくないという思いが強く、なすがままに流していた。しかし、亜里栖にはどうしても一点だけ、はっきりさせておきたいことがあった。

スーパーの羽振りがよくなっていたのである。以前にはなかった高い食材が多くはないが、並んでいる。

亜里栖の喉の奥には、父親が受け取ったニセ札のことが刺さったままだった。

「お父さん、今月の売上はどうなの?」

亜里栖は普段からよく尋ねている無難な質問をしてみた。

「うん。売上はそこそこいいな。去年の同月比では50パーセントアップしているな。」

(ウチのスーパーはずっとジリ貧だったのに、やっぱり怪しいわね。)

疑念を深めた亜里栖は質問を続ける。

「それで利益はどうなの?」

「これはいいぞ。前年同月比で200パーセントアップだな。」

(やっぱりビンゴだわ。高額商品の方が利益率が高いから、売上が伸びれば、それ以上に利益率が上がるのは道理。やっぱりお父さんは、生徒会からもらったニセ札を使ったんだわ!)

亜里栖は、野菜棚を整えていた父親の後頭部に罵声を浴びせた。

「もうガマンできないわ。お父さん、生徒会のニセ札で高い商品を入れたでしょう。それで店の利益が増えたのは明白なんだからねっ。」

亜里栖は右手の人差し指で、父親の額を撃つように指した。

「生徒会?ニセ札?いったい何の話だ。アリスがパパを責めるとしたら、ギャンブルに決まってるだろうに。スーパーの経営で何か意見するということは、将来ここを継ぐ決心がついたということか。パパはうれしいぞ。ハグっとプリキュア!」

父親は亜里栖を抱きかかえて、幼稚園児のように頭をナデナデした。

「ちょっと、お父さん、お客さんが見てるわよ。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ