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【第三章】第九部分

「副会長。体内で台風の子でも発生されましたか?」

「な、なんでもない。」

かぶりを振った秀太郎はゴクリと生唾を飲んで、ベッドの会長の10センチの距離を置いて横ポジションに座った。

「もっと近づいてくださいな。そのままだと、ワタクシの熱い体温を感じることができませんわ。」

「で、でもこれ以上の接近遭遇は、噴火警戒レベル4に相当するぞ。」

「なんの、なんのですわ。噴火警戒レベルは5にならないと燃えませんわ。ほらほら、こうぐっと。」

会長は強引に秀太郎に肩を寄せた。

「うわああ~!」

断末魔の悲鳴にも近い叫び声を上げた秀太郎。

「も、もうこうなったら!ガバッとガバナンス!」

この言葉の意味はガバッと抱きついて、ガバナンス、つまり統治するということである。

「そ、そんなやっぱり破廉恥学園を廃校にしますわ、秀太郎!」

会長が思わず声に出した秀太郎の名前。

「しゅうたろう?秀太郎、どこかで聞いたような。」

隣りからうわごとのように呟いた声。亜里栖である。

亜里栖はカーテンを開いた。

「た、助かりましたわ。・・・じゃない、ちょ、ちょっと興ざめしました。暴発しなくて良かったですわ。」

「あ、亜里栖!無事だったのか!」

亜里栖が目に入るや否や、秀太郎は彼女を熱く抱擁した。

「副会長。あなたはやはり破廉恥学園ですわ。」

「なんだと。オレは何もしてないぞ。」

「よく相手のことをごらんなさいですわ。」

会長に言われた通り、亜里栖の全身を見た秀太郎。亜里栖は純白、フリル付きの下着姿だった。

「うわああ!亜里栖、早く服を着ろ!」

「はっ?アタシ、いったい何をしてたんだろう。ここはどこ?」

亜里栖は睥睨して、そばに秀太郎がいることに気づいた。

「しゅ、秀太郎。ここで何してるの。それに会長は水着じゃない。ま、まさか、水着ファッションショーの最中。なわけないか。それに体がスースーするわ。アタシも水着だったりするのかな。・・・。」

亜里栖は、自分の肌がマネキン人形のように露出していることに気づいた。

「これはし、下着!そばには秀太郎。キャ、キャ、キャー!ドヘンタイ!破廉恥学園!」

「亜里栖、お前もか?」

『ドカ~ン!』

ヘビー級ボクサーのアッパーカットが秀太郎のアゴをとらえた。


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