【第二章】第十二部分
「こんなモノの相手なんてイヤよ。だったら、秀太郎がやってよ。」
「そいつはキモ過ぎる。オレだって本能が拒絶反応だ。」
「それでも正義の味方製造機なの?」
「そんな都合のいい機械はない!」
「人にイヤなことを押し付けるのって最低じゃない。それは置いといて、先生が生徒にイヤな攻撃を仕掛けるって、教師としてどうなのよ?」
亜里栖は矛先をミニスカロリスにチェンジした。
「今、先生は操り人形なので仕方ないのですぅ。」
「操られている割には意識、意思があるように思われるのは気のせいかしら。」
「悪者が行う他人の操り方は、そういうモノなのですぅ。先生は良心の呵責に耐えながら攻撃してるのですぅ。敵を攻撃させながら、先生の心を折るという、悪者にとって一粒で二度おいしい。これこそ悪のやり方ですぅ。」
「ヒドい、ヒド過ぎるわ!」
「ヒドいのは今からですぅ。」
全身から粘液を出して、ベタベタで体を覆うミニスカロリスヒトデ。そのまま亜里栖を熱く汚く抱擁した。
「ぎゃああ!超気持ち悪いわ~!」
ゲル状ミニスカロリスと亜里栖は一体化し、亜里栖がドロドロに溶けているようにすら見える。
「続いて精神攻撃ですぅ。先生の体はこんなになってもボン、キュ、ボンのナイスバディですぅ。」
「先生、それは違うわ。ピョン、クウン、ピョンって感じよ。」
「よくわかりませんですぅ。しかし、今触れてる、一本木さんの体はシ~ン、シ~ン、シ~ンですぅ。」
「何よ、その超閑けさはっ。岩に染み入るスキも無いわよ。」
「とにかく浸食するですぅ。このワザはコワいですぅ。全身を覆って、皮膚呼吸を奪うですぅ。」
「く、苦しいわ。口は開いてるのに、呼吸ができないわ。」
「そうでしょうですぅ。でも先生は優しいですから、すぐには殺さないですぅ。死なない程度に呼吸してもらうですぅ。で、これからいろんな恥ずかしいところに侵入するですぅ。」
「ちょっと、やめなさいよ。アタシなんか食べてもおいしいけど、食べなければおいしくないわよ。」
「一本木さんは食べてほしいみたいですぅ。残念ですが、別においしそうなところって見つからないですぅ。年頃の女子の成長する姿態が見たかったのに、微塵も感じないですぅ。」
「う、うるさいわね。これからいろんな部分が成長するDNAの未来地図がミトコンドリアに収納されているんだからっ。」




