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【第二章】第四部分

「どういうことだ?いつ、どこで、どんなことを先生が起こしたというんだ?」

「あらら。これは異なことをおっしゃいますのね。当事者というか、部下というか、それはあなたの回収事案ですのよ、それもごく最近の。思い当たるフシがありありでしょう。」

「わたしはそんなことはしてないよ。全力で回収財源になりそうなマネーを探して、取れるものはほとんど取ってきたはずだよ。子供のクマさん貯金箱にまで手を付けてきたんだよ。落ち度はないハズ。何か文句でもあるのか?ドン!」

黒サングラスを振り切って、会長の机を叩いた美散。

生徒会長に強く抗議する美散。

「じゃあ、これでどうでしょうか。」

会長室の向かって左奥にあるドアから、小柄な女子が黒サングラスに引っ張られて出てきた。ブルーのミニスカがシワになっている。着ている女子の目は左右に離れており、焦点がまったく合っていない。

「萌江田先生!無事で良かったわ。」

ミニスカロリスに近付こうとする亜里栖。

「ちょっと待ちなよ。先生の目、明らかにおかしいよ。腐ったサバ目みたいじゃないか。」

亜里栖はミニスカロリスを落ち着いてよく見た。

「でも先生は元からおかしいわよ。」

「うん。それはそうだけど。」

「『ひどいですぅ。先生はいつもまともですぅ。』って先生なら言うはずだわ。たしかに先生の歯車は狂うどころか、どこか遠くにいってるわ。」

「先生に伝わらないからって、ひどい言い方だな。まあそういうことで先生に何をしたんだ?」

「ワタクシは先生に触れたりしてませんわ。先生は債権回収に不正があったことを認めてらっしゃいます。」

「こんな様子の先生を見て納得できるか!」

ミニスカロリスは部屋の奥に消え去った。

「ここまでやっても納得しないなら、いいですわ。先生は債権回収業務の不正指示、あなたは実行犯としての責任がありますわ。それを証明して差し上げましょう。さあ、ここへお入りなさい。」

ミニスカロリスに代わり、もうひとりの影が見えてきた。割烹着にミニスカ。いつきである。

「あたいが検査部に内部通報したじゃん。」

「どうしてあんたがここにいるのよ。」

「内部通報って、あの時にはもう魔力マネーはなかったよね。全部回収したハズだわ。不正回収なんて、まったく身に覚えがないわよ。」

「あんたは優しいじゃん。甘いというべきかもしれないけどじゃん。魔法使いの家の中で、最も魔力マネーを貯めているモノって、考えたことがあるのかじゃん?」

「それってまさか、魔法使いそのもの!?」

「そういうことじゃん。もちろん闇雲に魔法使いを差し押さえすることはできないけど、魔法使いを連帯保証人として徴求し、かつ債権全額回収が困難な場合、魔法使い本人の同意を得れば本人を拘束できる。先生はそのことを知ってたはず。それを銀行員生徒に指導しなかったことは『行則違反』じゃん。」

「そ、そんなあ!」

肩を落とし、膝から崩れた美散。


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