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逃避行日誌 4

 知らない間に結婚してましたが、どうやら僕からプロポーズした事だとか。

 えーと、記憶にないのですが確かに宜しくといった記憶もあるにはある。

 この場合はやはり男として責任を取るべきなのかどうかと言うところで、取る事にしました。

 まあ一夫多妻制もありますし、本人もその問題は問わないらしいので問題はないかな?

 本当は詳しく説明したいけど今日は時間が無いと言われました。

 家(シャロの家)で待っててくれと言われたんだけど流石にどうかと思ったので未だに宿にいます。

 で、まあ耳についたピアスが結婚の証らしく取れないんじゃーぞー。

 って言ってたんだけど、取り外しが自由でした。

 気になって調べたら、外してもステータスに付いた【古の契り】は消えないし問題はなさそう。

 ただ付与効果が外れたのでもう一度つけたら戻ったから一安心。

 明日こそシャロと話せるといいなと思っています。


 ◆◇◆          ◆◇◆          ◆◇◆


「ジン! 無事かぁ!」


 日記を書き終えて、ベッドへ入ってさて寝ようとしてるところに突撃してきたのはシャロ。血相を変えてきたので如何したのかと思えば【古の契り】によって状態がわかる筈が、反応が途切れて心配になったとか……。


 なんという便利なものですかそれはと突っ込みたいジン。


「そうだ、これ外れないって言ってたじゃないか」

「うむ、これは死が二人を別っても外れぬ、仮に耳か千切れたとてこれは別の場所に移るのじゃ」

「ところがホレ」


 さくっと外して見せると口をあんぐりと空けたシャロがいた。


「なんじゃとー」


 いや俺に言われても……あ、もしかしたら【愛の女神の加護】のせいかもと思わないでもない。


「もしかしたら」

「もしかしたら?」

「愛の女神様の加護が関係してるかもしれないけど、付与効果が外れるかどうかの違いだけなんだよね」

「どーいうことじゃー」


 ステータスが見れる見れないは説明が面倒(そんな概念魔法のような仕組みはこの世界の人には無い)なので省いて、女神様の加護のお陰かもと簡単に説明しつつ。


「ホラこうしたら付くんだ、シャロが触ってみて」

「ヌ? ヌヌヌヌ変じゃ取れんのじゃ」

「ほらね、俺にしか取れないなんて其れ位しか考えられないってば」


 戦闘以外にも効果を発揮しましたよ女神様!


「まあ、外さないから安心していいよ」

「なら構わんのじゃが……あせったのじゃぞ」

「有難う、心配してきてくれたんだね」

「ま、まあの、その旦那の事を気にするのは妻の役目じゃからして」

「うん、なんだか嬉しいな」


 そうしているとシャロが欠伸をしている。


「なんだ、眠いのなら寝ればいいのに」

「まあなんじゃ、色々あるのじゃ、もう寝る時間なのじゃったが走ってきたのでな」

「そうか、ならベットを使えばいいさ、俺は床で寝よう」

「そ、そ、そ」

「ソソソ?」

「じゃったら一緒にそ、そそそ」

「……いやーうーん眠いんだろ?」

「うみゅ、ねむいにょじゃ」

「じゃあお休みなさい」

「うみゅ」


 瞼が閉じかけているのはシャロが限界で、もう直ぐにでも寝そうだからだ。


 年齢は不詳(女性に年齢など尋ねる馬鹿キャラではなかった)だが、『なんだか訳の判らんが可愛い所がある』子だと思ったジンだった。


 何故だろうか、微妙にリア充爆発しろと言い難い運命を背負った男だった。


 ※余談ではあるが古光輝人(ハイアルーヴ)は寿命がない。但し【古の契り】をするとその相手が死ぬと命を落とす誓いの儀でもある。対象者はこれに準じ様々な恩恵が互いに与えられる。尚、これは愛の深さを示す行為であって精神的に古光輝人(ハイアルーヴ)病んでいるのではない。人間にしか思えないジンと【古の契り】を交わしたのはシャロの愛情を表す手段がそれしかなかったと長い時の中で思い込んだ末の結果である、故にヤンデレではなくその愛深き故であることを述べておく。


 ※愛の女神の加護によって保護されているのでジンに強制力は通用しない為にピアスが外れる。神官だろうが巫女だろうが不可能であり愛の女神かジンしか現状で取り外す事は不可能であり、【古の契り】が愛に関する契約魔法であり愛の女神がその魔法の成立に関わっている為である事を追記しておく。



 朝になって慣れないベットから落ちたシャロが股間にエルボーを打ちかましたのはお約束である。

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