表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Chosen one   作者: 深谷マサ
2/3

漆黒の戦士

続きです!よろしくです!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

同日、六時間目。


闘技場に人が集まっている。どうやら、これから授業がはじまるようだ。しかし、ただの授業であると言うのに、みな、どこか緊張している。先ほど述べたこの学院の普通と違うところ。

その二つ目が、緊張の理由。それは、六時間目は戦闘訓練が行われること。この学院では、五時間目までは学習を行い、六時間目は戦闘について学ぶ。

その内容は、日によって違う。大きくむっつに分けられる。戦闘技術について学ぶ「格闘」、基礎の体力作りを行う「トレーニング」、

作戦やたたかいかたを学ぶ「戦術」、他にも試合、チーム戦、能力など様々なカリキュラムがなされている。

今日のカリキュラムは、その中の「試合」である。

試合・・・とは、その名の通り一人対一人の個人戦を行うことである。この結果は学年の個人ランキングにも影響する。対戦相手はランダムで決定される。

リンが自分の対戦相手を配られた紙で確認していると、先ほどの友達に声をかけられた。

「相手どうだった~?」

言われて、もう一度確認する。

相手のランキングは学年503人いる中の326位、対して自分は151位。まず、負けることはないだろう。

「ん~、行けそうかな~」

「えっ~、あたし最悪。私より50も上だよ~」

50程度なら、勝てる可能性はあるのでは?

声に出かけたが、面倒なことになりそうだったのでとっさにやめた。

そういえば、彼は誰と当たることになったのか。転校生の彼は。

気になったので、調べてみる。

彼の名前を見つけその横に書いてある。名前を読むと、リンは彼の運の悪さに驚いた。彼の対戦相手・・・武藤帝治は有名だった。しかし、武藤の噂に良いものはない。51位、順位は高い。ところが、彼は今時珍しいぐらいいじめを行う。しかも、自分より弱いものだけに。自分より強いものには決して関わらない。噂を鵜呑みにするわけではないが、余りいい印象がない。

彼の試合は三試合目。10~20分ぐらいかかる試合を一度に十試合ずつ行う。もう始まっているはずだ。近くにいた友達に一応報告する。

「あたし、ちょっと試合見てくるね」

適当に言ったが、友達は予想以上に反応した。

「え~?誰の~」

「ん~転校生の匠くん・・・だっけ?」

「あ、あたしも行く!」

なるほど、反応した理由がわかった。

彼女も彼の試合が気になっていたようだ。

しかし、当然とも言える。

転校生が来たらまず気になるのは、顔、性格、強さであるから。

よく見ると、他の女子も彼の試合がある会場に向かっているようだ。

一人で行くより、いろいろと楽だと判断して了承する。

「わかった!一緒に行こ~」

「うん!」

友達と並んで歩きながら、試合会場へ向かった。


同時刻、第3会場。


武藤帝治と火月匠は向かい合っていた。

「よぉ~、新人さんよぉ、今日はよろしくなぁ」

下品な喋り方で武藤が喋りかけて来た。

匠は面倒くさそうに短く答えた。

「よろしく」

それを見て武藤はさらにニヤニヤする。

小学生でも、わかる理屈だ。

余り喋らないものはいじめっ子の餌食になりやすい。

武藤は匠を見て絶好のカモだと判断したのだろう。これで弱ければ、明日から悲惨な学院生活が待っていることは容易に考えられる。

試合開始五分前、匠が観戦している生徒を見回していると先ほど教室で目が合った女の子とまた、目が合った。

まだ、話したことすら無いのにまるで自分が戦うかのような心配そうな顔をしている。なぜそうしたのかはわからないが、匠は彼女を心配させないように、彼女にだけ見えるぐらい小さく慣れない笑顔を作ってみた。


同時刻、第3会場のフェンス外。


彼女も笑い返していた。

と、同時に自分がどんな顔をしていたかきずく。

彼は心配するなという意味を込めて、無理して笑顔を作ってくれたようだ。

そこまで、考えたところで試合開始三分前を告げるかねがなった。

武藤がダガーと呼ばれるやや小振りの剣を抜く。

に、対して匠は・・・何もしなかった。

観戦している生徒をざわめき、試合相手の武藤は舐められたと思ったのかわかりやすいぐらい苛立っている。剣がカタカタと揺れている。

そして、試合開始。

先に動いたのは、武藤だ。

「舐めてんじゃァねェーぞぉぉぉぉ!」

叫びながら、匠に向かいダガーを上から下へまっすぐ下ろす。よほど苛立っているようだ。単純な攻撃。

ただ、速い。リンには、完全に視認することはできなかった。

これが、彼の能力。能力とは、一人一つずつ持っているとされる力。魔法や超能力と似てはいるが違うもの。魔法や超能力はそれ自体に殺傷能力があるほど強力なものだが、能力はあくまで、補助の力である。

その中で武藤の能力は「筋肉強化」。その名のとおり、一部の筋肉を発達させ、その部分だけ、強力な力を発揮できるというものだ。

今回は間合いは余り空いていなかった為に足ではなく、腕に能力を使ったようだ。

そのため、目では捉えきれない程の斬撃を繰り出せたのだろう。

武藤の斬撃が地面を割る。

殺す気なのか?

試合では、手傷を追わせる程度なら認められているが、殺しは禁止されているはずだ。

今のは確実に死んだ。

見ていた生徒何人かが悲鳴を上げた。

地面を割ったことで出ていた砂煙がだんだんと消えて来た。

しかし、そこに彼の姿はなかった。

武藤も含めてそこにいる全員が彼の姿を探す。

そこで、武藤の後ろから声がした。

「遅いんだよ」

だるそうにいいながら、剣を抜かず拳を振り上げていた。

そして、

「寝てろ」

拳を武藤の頭に命中させ、そのまま地面に叩きつける。

彼の勝利を告げる審判の声が上がった。

同時に電子掲示板で試合結果と修正されたそれぞれの順位がでていた。

503位に負けた武藤は246位、


51位に勝った彼は150位になっていた。


次回をお楽しみに‼

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ