革命ノ序章
教室の隅、日の光がカーテンの隙間からひとりを照らす。
僕だけど。
ていうか日の光は使役。照らさせてる。
授業なんてぶっちゃけどうでもいいと思う。
僕の住んでいる県は受験に前期試験ってのと後期試験ってのがあって、前期試験は面接、後期試験は地獄で本格的に受験っぽい筆記テストがある。
まあ学校によって違ったりもするけどね。
そんで今は後期試験に向けた受験対策、もっぱらどうでもいいと思っている僕は面接だけで通っちゃっている訳でして。
我ながら最悪な性格だな。ははは。
それにしても微妙な時期。
ていうか今思うけど後期試験ある人はそういえば出願に行ってるんだっけ。
だから皆自習。尚更意味がない。
無論八割睡眠学習。睡眠は記憶の整理ですよーだ。
っつか自習という銘柄の授業なのですが、勉強してる人は二人しか居りません。
私立第一希望と言うなんたるリッチメンズ。
あえて名前は伏せておくけど。
まぁ僕はこううつ伏せながらボーっとしてるわけで。
ほら、一度に二つの事をできるってすごいじゃんか、うわー僕すげー
…なんて言ってる間にチャイムが僕の思考を阻む。
阻まれるほどの思考が存在していたか疑問系だけど。
チャイム→号令→有難う御座いました
の社交辞令は終わったものの、そもそも授業が成立してないわけであるから休憩時間も意味をなしていないような気がする。
とぅでいいずおーるうぇいずふりーたーいむ、わはは(笑)
さあ廊下を歩いている女の子でも見
「何見てんのへんたーい」
…なんたるタイミン
「無視ですかさいですか」
…だからせめて脳内トーキングだけでも成立させて欲し
「おいおいおいてーい」
ズバコーン とかいう効果音が最も上手く、ていうかピッタリの感じな教科書の鉄槌が降り注ぐ。
「…痛いよ」
「だって無視するじゃんか」
彼の法律には黙秘権が存在しないらしい。
「ごめんね」
この対処は神様のくれた最強の武器だと思う。から僕はすぐ謝る。
「ま…まあいいけどさ。それより今日委員会の仕事あるよね」
ん。同じ委員会の人は女の子だったは…
…!?
「ななな何よ」
…こいつが女だと認識するまで不覚にも二分は費やしていたようだ。
女の子が話しかけてくるなんていうハッピーイベントには恵まれていないものでして。
「なんでもないです。ごめん」
「で、どうすんのよ。」
どうすんのよって何が。
我らが視聴覚委員会のお仕事なんてCD流すことの一点に尽きるじゃないか。
「…何が」
思いのたけをぶつけました、まる。
「あっ…いや…まあ…昼休みね。」
よくわからない同じ委員会の木沼さん。
ぶっちゃけ活動は昼休みではありません。
「食事時間でしょ。」
ゴッという音とともに沈む木沼さん。
あら可愛い。
そんな感じのとある一日のとある時間が他愛もなく過ぎましたとさ。