表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第三章 体育祭&杏理編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/124

第85話 女の勘は凄まじい




 休日、姫が心と真白の三人で一緒に出掛けたのを送り出した後、珍しく誰にも誘われることがなかった俺は銀ちゃんの作ったゲームにログインしていた。なんだかんだハマっているわけなのである。

 

 そしてここで会った女性と意外にも交流を深めていた。


 相手はもちろん一人しかいない。


「はぁ……」

『どうしたのよトオルその露骨に話を聞いて欲しそうなため息は? 聞くだけで良いなら聞いてあげるわよ?』

「ちょっとグレープ侍さん? 言い方酷いですよ?」


 もっと言い方ってもんがあるだろう。全くこの人は……

 そう、相手はもちろんグレープ侍さん、というかこの人以外今のところこのゲームに知り合いはいない。

 正直この人と話すのが楽しくてこのゲームをしてるまである。メッセージアプリの連絡先も交換しており、こう言うのも空回りしてる感があって恥ずかしいが友達みたいになりつつあるのだ。


 とりあえずグレープ侍さんに細かな描写はもちろん控えて色々話をしてみた。


『んーなるほどねぇ』


 彼女は話の最中でも細かな相槌を欠かさず、口は多少悪いながらもちゃんと人の話を聞いてくれる。なんだかんだ優しい人だ。


『つまりは知り合い達が争っていて?』

「うん」

『勝手にトオルがその景品にされたと?』

「まーうん、要はそんな感じ」


 さすがに自分が高校生であることも体育祭のこともプライバシーの観点から話すことはできない。今時のネットは自分を包み隠さない人が増えてしまったが用心するに越したことはないのだ。

 だから本当にザックリとしか話していない。


 のだが、


『ねぇトオル』


 それって、


『相手女子でしょ?』

「え……」


 何故分かったし、細かな情報は言っていない。何処でボロが出るか分からないからだ。

 俺はネットに関してはとことん自分のことを晒したくない派だというのに何故分かった?

 深く考えているとグレープ侍さんは少しいつもと違う声色で格好良く言った。


『女の感ってやつよ』


 さすがっす……いや姉さんマジパネェっす。


『何よトオルモテモテじゃない!』

「いややめて? そんなんじゃないから」

『え〜? なによ照れてんの?』


 照れてはないです。

 心や景ちゃん、それと加わってきた乱華は自惚れる訳じゃないけれど、おそらく本当に好意を向けてくれているのだろう。きっと……でも、




 俺は誰とも付き合う気ないんだよ。




「あ……」

『え、そうなの?』


 思わず言葉がこぼれ落ちた。

 今まで絶対に人には聞かれないよう、言わないように気を付けていた言葉、乱華には一緒にいると言ったが俺自身は本心で人と付き合うということは決してないと思うからだ。


 そこ程までに決めていた言葉をアッサリとグレープ侍さんに話してしまった。


『トオル……貴方一応このゲームってね? マッチングアプリっぽくなってるから出逢いを求めてプレイしてる人は多いわけなのよ』


 まあそれはそうだな。銀ちゃんは望んでいない感じだったがこのゲームはベータ版でありながらマッチングアプリとしては意外にも人気になっている。だから、


『そんなゲームで付き合う気がないってなかなかじゃない?』

「た、確かに……」


 言われてみればそうだ。もちろん目の前にいるグレープ侍さんもこのゲームをしているなら目的は分からないが出逢いを求めている可能性があるかもしれない。

 そうなると非常に失礼にあたるかもしれないぞこれ……。


 しかしそういうわけじゃないらしい。


『なら良かったわ。私もこのゲームシンプルに面白くてやってたから出逢いとか求めてなかったのよ』

「あ、そうなのか。じゃあ年収の項目も?」

『あんな頭おかしい金額に設定してる女に近寄る男なんていないでしょ?』

「そんな女性に近づいてきた俺はどう思われてたの?? 第一印象無茶苦茶気になるわ」

「? それはもちろん頭おかしい女に近寄ってくる頭おかしい男____」


 止めてくれ!! それ以上は傷つくから言わないでくれ!!


「まぁでもこれでお互い出逢いを求めてないならより気楽に接しられるわ。これからもよろしくねトオル」



『ねぇトオル〜』


 世間話の最中、グレープ侍さんが何かを思い出した様子で呼んできた。


「どしたん?」

『最近実装された新要素があるんだけど一緒にやらない?』

「新要素?」


 銀ちゃんまた何かやったのだろうか? そういえば休みに入る前くらいから連絡が取れていない。既読も付かない辺りから何かが忙しいのだろうと思っていたが、どうやらゲームのことで忙しかったみたいだ。


 それがなかなか面白いのよ、と言うグレープ侍さんに聞いてみた。


「どんな新要素なんだ?」


 連絡が取れない程に銀ちゃんが手掛けていた要素、どんなものかシンプルに気になる。


『料理要素なのよ』

「料理?」

『そう、なんかお弁当を作って相手に食べてもらう要素みたいでね? 恋愛ゲームシチュエーションの自由度を上げる為に追加したんだって』

「へ、へー? そうなんすね……」


 なんだろう……それつい最近俺に起こった事のような気がするが気のせいかな??


『なんでも隠し要素でお弁当に刺身を用意が出来たりするらしいわよ? 面白くない?』

「あ、そっすね……」


 あのやろう! 俺の起こった悲劇をそのままゲームのネタにしやがった!!


『色々料理を作ると他のお弁当レシピが解放されるんだけどねぇー? 私全然解放できないのよ』


 そ、そうなんだ? 意外と難しいやり込みのある要素なのかな?


「因みにどこまで解放したんだ?」

『まだ最初にある料理の”塩おむすび”しか解放されてないのよ』

「え、最初? 塩おむすび?」

「ちゃんと作ってるつもりなんだけどねー」


 上手く作らないと他が解放されないらしいが、塩おむすびが上手く作れないのか? そんなことある?

 あ、あれか塩の分量間違えたとか、上手く三角におむすびを作れなくて失敗とかか?


『米を研ぐ? ってのが分からなくてとりあえず洗剤で洗ってるんだけどね?』

「せ、洗剤?」

『なんとか上手く炊けても』

「え、なんで炊けるの?? 怖いんだが??」

『塩って書いてあるから使ってるのに全然上手く作れないのよ。運営に不具合で報告した方が良いかしら?』


 いやそんなんで報告される銀ちゃんが可哀想だから……それより、


「その塩おむすびってアイテム欄とかにあるか? 見てみたいんだけど……」

『ん? 別に良いわよ? はいどうぞ』


 グレープ侍さんの操作キャラから渡されるお弁当に入れられた塩おむすび、俺はそのアイテム名を見て恐怖した。


【塩酸おむすび】


 え、嘘やん。塩は塩でも劇薬の方なんだが??

 ヤバいこれは下手したら真白よりもヤバいやつかもしれない……、とりあえず言っておこう。


「グレープ侍さん……」

『な、なによトオル?』

「今後マジで、リアルで料理とかしないでください」


 いや本当に命に関わるからね。冗談抜きで



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ