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親友ポジションに憧れる俺は彼女達に狙われている  作者: 瑞柿けろ
第三章 体育祭&杏理編

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第83話 修羅場だけど食べ物で遊ばないで? 前編




「……はいお待ちどうさま」


「これがおむらいす! 美味しそうなのじゃ!」

「ありがとう透」

「先輩の料理食べるの久々なので嬉しいです!」

「透の手料理……私初めてかも」


 皆が座るテーブルに続々とオムライスを置いてゆく。もちろん最初は姫からだ、ここで順番を間違えたら神様が拗ねてしまう。

 それが分かるくらいにはコイツのことを分かっているつもりだ。そして最後にケチャップで絵を描く。


「おー! 猫じゃ猫の絵が描いておる! 透お主天才か!!」

「透って、実は地味に絵上手いもんね」


 地味にって、それ褒めてんのか?

 心にツッコミを入れてやりたいが、残念なことに姫はもう我慢できないらしい。

 もう食べてよいか? と目で訴えかけている。


「冷めちゃうからな食べて良いぞ」

「やったのじゃ! いただきますなのじゃ!」


 まるで子供の様に元気良く食べ始める姫。速攻口にケチャップを付けたのを見て、すかさずティッシュで拭いてやると、姫は満面の笑みを見せた。


「すまぬの透!!」

「気にすんな」

「このおむらいすというやつ凄く美味しいのじゃ! 美味なのじゃ!!」

「ありがとな、おかわりもあるからゆっくり食べろよ。オムライスは逃げないから」

「ん、それもそうじゃの」


 言われた事をしっかり受け取り姫はゆっくり食事を再開する。なんだろうこの子供に接してる感覚は……。

 ロリババアだというのに、態度が幼過ぎて子供だと錯覚してしまう。俺より遥かに年上なのに……。

 まあ良いだろう、喜んでくれているなら何よりだ。


 ただ唯一、そこで微笑ましい表情で見ている心と、頬を膨らまして見るからに嫉妬してそうな景ちゃん。

 見てないでさっさと食べなさい? 冷めるぞ?

 因みに、杏理は俺の作ったオムライスを見て写真を撮ったり一口食べては何やらメモをしている。多分だが料理の勉強に関係する奴だろう。熱心なのは良い事だぞ。


 さて、そこの二人?


「心と景ちゃん早く食べないのか?」

「「オムライスに何か描いて欲しい!」」


 こんな時だけ息ピッタリ。


「断る。お前ら二人は何かと小さな事で争うからな、自分らでやれ」

「「そ、そんなぁ」」


 お前らさては仲良しか?

 杏理を見てみろ、オムライスにケチャップも付けずに俺の味付けを無茶苦茶探ってるぞ。もう料理人みたいだ。


「……先輩の言ってることも分かります。私達すぐ言い合いになりますからね」


 お? 分かってくれたか景ちゃん? なら良かった。


「じゃあ鍵崎先輩♡ 私が描いてあげますからオムライスに絵を♡」

「……はぁ? 何お前気持ち悪いんだけど?」

「良いから良いからケチャップ貸してください」


 露骨に態度を変えた景ちゃんの姿に気持ち悪そうにする心は嫌々ながらもオムライスとケチャップを渡し、景ちゃんはそこに絵を描いた。


「はぁーい鍵崎先輩♡ どうぞ♡」


 心のオムライスを見るとそこには、


【♂】


 性別を表すマークがデカデカと描いていたのだ。


「わぁ〜男女先輩にピッタリですねぇ〜♡ 先輩も上手く描けたと思いませんかぁ? 褒めてください先輩♡」

「え、い、いや……形は上手いんじゃない……ですかね?」

「……」


 心が無言でケチャップで書かれたマークをスプーンの背の部分を使ってオムライスに塗りたくっている。ヤバいもうあの無言が超怖いぞ……。


「海野ちゃん! 僕も描いてあげるよ!」

「いえ結構です」

「遠慮しないでよ!」

「いえ本当にうざいです」

「……透手伝って」

「え」


 なんで俺が、


「手伝え」


 はい分かりました。

 どうしましょう……心が超怖い。しょうがない自分の命の方が大事だ。


「景ちゃん」

「いくら先輩の頼みでも嫌ですよ。私先輩のご飯食べるの久々なんですから」

「後でアーンしてあげるから」

「しょうがないですねぇ♡ 先輩のお願いなら聞いてあげますね♡」


 やりました心さんアイツチョロいっす!

 景ちゃんのオムライスを強奪し心の前に置くと、ケチャップで何かを描き始める。


「はいクソ後輩♡」


 そして、景ちゃんの前に帰ってきたオムライスには漢字が書かれていた____【偽乳】と、


「……」

「……」

「……」


 景ちゃんも心と同様に無言で消している。この沈黙が死ぬ程怖いです助けてください。


 てか景ちゃんってもしかしてパッ____


「先輩?」


 すいませんなんでもないです気にしないでください。


 そして景ちゃんはゆっくり立ち上がると心を見下ろしながら言い放った。


「男女先輩……表出て決着つけましょうよ」

「上等だよ。二度と透の前に顔出せないようにしてあげる。ブサイクが悪化すると思うけど大丈夫かな?」

「言ってろ貧乳が」

「あ?」

「あ?」


 この二人怖過ぎだろどんだけ仲悪いの? きっと多分おそらく犬猿の方がまだ仲良くできるわ。


「ねぇ雨上私にも何か絵描きなさいよ……嫌ならいいんだけど……」

「透お兄ちゃんおかわりしたいのじゃ!!」


 二人ともよくこの状況で平然としてますわね? とりあえずそこにいる喧嘩開始寸前みたいな奴らを止めるの手伝ってくれない? 

 

 お前ら本当にいい加減勘弁してくれよ……。



「で? どういうことなの?」


 テーブルに座った景ちゃんにまるでゴミを見るかの目線を向けて聞いている心。景ちゃんは一切動じることなく睨みつけていた。

 なんとか二人を宥めることができたのだが、結局何も解決してないのだ。


「私今日からこのアパートに引っ越して来たのでよろしくお願いしますね先輩♡」

「え、あ、よろしくな景ちゃん」

「おい今僕と話してんだけど? こっちを見ろこっちを」

「先輩今日はお泊まりして良いですか? もっと先輩と一緒にいたいなって♡」


 ち、ちょっと景ちゃん? 洒落にならないからね? 本当に状況考えてくんない? そんなこと言ったら……


「この後輩……マジで殺す」


 ヒェ……、もう無茶苦茶だよマジで……



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