練り直し
「こんな事態になってしまって申し訳ない。まず、今わかっていることだが、宴が終わって2時間半~3時間後、突如として上空からイートン達が現れたようだ。それを率いる謎の女性Aの姿は確認されていない。そのままイートン達は兵士たちを襲い、逃げのびた者がセルトラに一報を入れた。
セルトラは、各隊長への連絡と攻撃態勢を取るよう指示し、外に出たところをやられたようだ。実際には奇襲攻撃のおかげで充分な態勢は取れず、攻撃する者、逃げる者が取り乱れてしまっている。被害状況の不明で、とりあえずリタに頼んで隊長である君たちをここに連れてきた」
ボルチ陛下は、なんとか努めて冷静に話そうとしているが、さすがに動揺を隠しきれていない様子だ。
「ところで、魔法使い部隊の方はどうなっている? リタ」
「はい」
さすがに女傑である。リタは、こんな状況でも既に冷静さを取り戻しているように見えた。俯き加減の陛下とは対照的に、真っすぐ前を見ながら話し出した。
「まず魔法使い部隊ですが、各々能力が違います。瞬時に自らの身を移動させることのできる者は、おそらく無事です。ただ、その数は全体の15%ほど。人数にして150人前後でしょうか。
ただ、各々散っていますし、今どこにいるのかわからない。幾人かテレパシーの使える者がおりますので、その者を介しながらひとまず安全なところに何グループかにわけて移動してもらい、魔法使い部隊を中心に指揮系統を作ったほうが良いかと思います」
「うむ、では、その流れで行こう。頼むぞ」
「かしこまりました。既にテレパシーの使えるものと連絡しておりますので、続行していきます」
リタは恭しく礼をした。
「続いて、兵士部隊だが、ルーラ、状況報告を」
「はい。兵士部隊ですが、現在全体を把握全くできない状況です……。とりあえず、魔法使いの者と一緒に現場に戻り、全体の把握をして作戦を立て直すしかないかと」
「今戻るのは危険だ。とりあえず動ける魔法使いから情報収集することを優先しよう」
「申し訳…」
「何っ」
ルーラが答えようとしたそのとき、大きな声が響いた。声の主はリタだ。




