ラスト・デイズ作戦
いきなりの国王の登場に、僕たちは慌てて右膝を立てた膝立ちの姿勢になる。視線は地面の上。これがこの国で最高の敬意を示す姿勢である。
「おそれいります。仰せの通り、皆を連れてまいりました。ボルチ様向かって左より、ルーラ、レクサ、デュロ、そして私リタにございます」
この場に、ゾロはいないのか。
それに気が付いた瞬間、僕の首筋に鳥肌が立つのを感じた。
それならば、なぜ僕はここにいる?
ルーラもレクサも勇者だから、ここにいるのはわかる。しかし、僕もゾロと同じ一般人なのだ。なんだか嫌な予感がする。
「うむ、ありがとう。リタ。ここに皆を呼んだのは他でもない。これから極秘に行われる『ラスト・デイズ』作戦に、皆の力が必要なのだ。作戦の詳細については……」
ドンッ。
王が言いかけたところで、後方から扉が開くような大きな音が響く。僕は思わず後ろに視線を向けた。
「ボルチ様、遅れて申し訳ありませんっ。セルトラにございます」
金髪のブロンドに蒼い目。彫の深い顔立ち。特に印象的なのは、額の真ん中にあるほくろ。白がベースのカッチリとした服を着ていながらも、筋肉質なのが見て取れる。あのデザインはおそらく空軍のものだろう。
「大事な時期で忙しいのはわかるが、次から気をつけるように。皆よ、彼がラスト·デイズ作戦の総指揮をとる、国軍総督のセルトラだ。作戦の詳細については彼から聞くように」
「はっ」
リタと、セルトラが、声を揃えて答えた。
「ラスト・デイズ」作戦?国軍総督?
あまりの話の広がり方に僕は戸惑うしかなかった。




